カジノ法案再提出~いよいよ数の力で成立か?(今日見新々4月28日=火Part2)
この日、急転直下、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(IR法案)、通称カジノ法案が自民、維新、次世代の3党共同で国会に再提出された。本サイトで何度もお伝えしている通り、与党・公明党から慎重論が出され、また24日に行われた記者会見では、自民党の谷垣幹事長からも「重要案件がいくつもあるので(カジノ法案を)どう審議していくか容易ではない」とカジノ法案が難しい局面を迎えていることを示唆したばかり。それだけに、安倍首相が米国に旅立ち、またゴールデンウイーク入りを目前に控えてのこのタイミングで、「いったいなぜ急に?」とか「何か裏がありそう」といぶかしがる関係者は少なくない。
本サイトでもおなじみのカジノ事情に詳しい「21世紀エンターテインメントを考える会」代表の井狩友亨氏は、「ちょっと驚いた」とひと言いって、こう続ける。「おそらく、推進派と呼ばれる議員をはじめ、それに群がる企業や団体など、カジノでひと儲けしようとたくらんでいる連中がシビレを切らした結果だろうと考えている。ここでズルズルやっていると、2020年の東京五輪までにカジノをつくるのはスケジュール的にも難しくなるし、また廃案になっては元も子もない。もともと衆院では自民が292議席を持ち、仮に公明が反対に回ったとしても、維新と次世代の議員を入れると3分の2を超える。数の力でゴリ押しする…大方そんなシナリオなのでは」
◇付託先さえ決まれば法案成立は急ピッチ
そういう井狩氏は、これまでも「私はカジノ合法化推進論者」を口にしながら、前回(本サイト4月15日付http://idobata-press.com/news/9054.html)もお伝えした通り、「ギャンブル依存症対策の前倒し」および「パチンコ法の制定」なくして「カジノ合法化はなし」の立場を取っている。井狩氏が言う。「自民党の中にもカジノに反対する議員はいる。ただ安倍総裁、菅官房長官以下、自民党幹部はほぼ推進論者だから、採決時に党議拘束をかければ、まず否決されることはない。自衛隊派遣の問題もそうだが、いよいよ安倍政権の数の力で押し切る姿勢に恐怖さえ感じる」
後半国会は重要案件がめじろ押しで、果たしてカジノ法案まで手が回るかどうかという話も出ている。ただ、もともと今回の法案提出には加わらなかった最大野党の民主党とて、もともと政権与党時にカジノ推進を進めていた政党だ。いまも推進論者は少なくない。それだけに徹底抗戦が予想されるのは、共産党ぐらいと言われている。「いまだ決まっていない法案の付託先(前回まで内閣委員会)さえ決まれば、よほど揉めない限り、急ピッチにカジノ法案は可決されると予想される」という井狩氏。果たしてカジノ法案の行く末はいかに。ゴールデンウイークが明けると、本格論議に進んでいくのだけは間違いなさそうだ。
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