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November , 2018
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今話題の「宿題代行」に尾木ママが噛みついた

2014年8月28日(木)12時38分更新

 需要と供給の思惑が一致した時、初めて商売が成り立つ。教育もそう。かつてわんさか子どもがいた時は、塾や家庭教師が大はやり。最近は「宿題代行」なるサービスが大はやり…と思っていたら、あの尾木ママこと法政大学教授で教育評論家の尾木直樹氏(67)が噛みついた。「(宿題代行は)詐欺罪です!」と断罪したという。事の真相を早速追跡した。

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 北海道や長野県など、すでに2学期が始まった一部地域を除き、概ね今週いっぱいで長かった夏休みが終わる。今ごろ世の中の多くの小中学生たちは、宿題が終わらず大わらわ。

尾木ママの怒りは半端なかった(尾木氏のブログ「オギ☆ブロから)

尾木ママの怒りは半端なかった(尾木氏のブログ「オギ☆ブロから)

 サザエさんち(家)の小学5年生、いが栗頭のカツオくんのごとしである。波平父さんやマスオ兄さんに手伝ってもらいたいが、だいたいが当てにならない。そこに彗星のごとく現れたのが「宿題代行」なるサービスだ。

◇子どもより保護者は大助かり

 いくつか業者が散在し、小中学生だけ対象の業者もいれば、高校生までフォローするところもある。おおむね読書感想文が400字詰め原稿用紙1枚3000円前後、算数や国語のドリルが1冊5000円、また自由研究などの宿題にも対応しているところもあり、内容によっては数万円のメニューもある。

 依頼は、ほぼメールが中心で、宿題の現物は郵送でのやり取り。代金の支払いは現物が届いた後もあれば、最初に全額、または半分、確認後に残り半分を支払うなど業者間で違いがある。

「いやあいいサービスですよ。いえね、友人から聞いて今回お願いしたんですが、助かりました」

 こう話すのは夫婦で小料理屋を営む東京都内のA子さん。小学5年生の息子がいる。

「低学年くらいまでの宿題だったら、私たちも手伝えたんですが、高学年ともなるとねえ。算数のドリルをお願いしちゃいました」

 算数のドリルは、できるところまで息子にやらせ、間に合いそうもないと判断した時点でお願いしたという。「数字の筆跡も似せて書いてきてくれ、本当に大助かり。また頼みます」と喜んだ。

 ちなみに筆跡はもちろん、児童、生徒の実力が前面に出てしまう作文や絵といった作品は、学校にバレそうな気がするが、これも業者によってはよくできている。事前に行う簡単なアンケート調査をもとに、それなりの作品に仕上げてくれるのだとか。作文の筆跡が気になれば、業者が送ってきてくれた作品を丸写しにすればいいだけという。

 まさにこの宿題代行、子どもというより、A子さんのようにあまり子どもを構って上げられない保護者に人気があるようだ。

◇尾木ママ大激怒

 考えた業者も業者だが親も親。これに噛みついたのが尾木ママだ。あの金八先生のモデル教師の一人と言われ、今では顔の見ない日がないほど日本一有名な教育評論家だ。その嘆き方は半端じゃない。

 27日、自身のブログ「オギ☆ブロ」の中で「子どもの『宿題代行業』なんてとんでもない『悪徳業者』ですね…」のタイトルで、宿題代行を取り上げた。タイトル自体がすでにご立腹の様子だが、本文はさらに過激さを増す。

「犯罪に近いですね…一種の いや れっきとした「詐欺罪」です!! 子どもに詐欺の正当性教え お金でなんでもできるという歪んだ価値観教えることになります 子どもの学力を奪い誤魔化すことになりますね 親も親ですね… こういう業者は追放するべきですね」(原文ママ)

 悪徳業者に詐欺罪…まさに辛らつだ。早速、犯罪者呼ばわりされた複数の宿題代行業者にコメント取るべく試みたが、大半がメールのやり取り、さらに電話を掛けてもつながらない業者もあり、結局、本日中のコメントは取れなかった。

◇尾木ママ発言は無責任?

 ただサービス業に詳しいある流通関係者に話を聞くと「尾木さんが怒るのもわからなくはないが、そんな杓子定規に物ごとをとらえていたら、この世の中は語れないし、渡れない」と言ってこう続けた。

「いまの子どもたちは、小学生でも学習塾に通い、ピアノだ、バレエだ、バイオリンだと習い事が多く、とにかく忙しい。学校の宿題まで手が回らない子どもも少なくない。夏休みに羽を伸ばし、さんざん遊び疲れて、それでも宿題しなかった昔と大違い。出るべくして出てきたサービスだ」

 ゆとり教育に失敗し、6・3・3制の学制を4・4・4制や5・4・3制に変更するという話もそう。共通一次に始まってセンター試験…これも5年後をメドに廃止される方向だという。日本の教育制度は、まさに宙を舞うように迷走を続けるが、そんな中、高校3年生の娘を持つ、東京都内の会社員Bさんはこういう。

「尾木ママは嫌いじゃないですし、今回、尾木ママが言っていることは正論だと思います。ただ、アナタが素人のような発信をしてはダメ。専門家なら専門家らしく業者を批判する以前に、じゃあどうしてそのような代行業者が出てきたのか。そういう世の中になってしまったのか。それを研究分析して、じゃあこの先、どうすればこういった業者が出てこれない世の中にできるか…そこまで踏み込んで批判するべきだった。今回の発言は、別に教育評論家や専門家じゃなくたって、宿題を代行業者に任せる行為がいけないことぐらいわかりますし、それを商売にする行為も決して褒められない。でも商取引上、犯罪ではありませんからね」

 倫理上の問題はさておき、商品(宿題)が送られてこないなど実害があれば話は別だが、契約した商品が届いていれば商取引は成立している。

◇子どもはこうあるべき!

 最近になって、大手予備校の「代々木ゼミナール」が来年3月末で全国27カ所ある校舎を7校までに縮小し、全国模試からも撤退すると報じられた。少子化の流れで、代ゼミの強みになってきた浪人生が激減したことが大きな要因だという。

 前出の流通業者は言う。

「教育だってサービス。予備校だって、本来、学校がしっかり機能していれば、いらない存在だった。それが世の中に出現し、今度は少子化で、そんなに数は必要なくなった。だから規模を縮小したり、撤退する予備校も出てくる。宿題の代行業者が出てきたのだって、そういう意味では今の学校教育に問題があるからじゃないのか。そのあたりを教育者はもっと真摯に受け止めるべきなのでは」

 再び前出のA子さんに登場願った。

「ああ、うちのバカ息子ね。別に、塾だ何だと忙しいわけじゃありません。あれはサザエさんに出てくるカツオと一緒。単に勉強が嫌いなだけ」

 子どもはこうあるべき!

 宿題を代行業者に頼む是非は別にして、常に受験だ何だといわれ、日々の勉強に追われる子ども。そういう子どもたちを見るにつけ、こう願う大人たちは決して少なくないのではなかろうか。

「できればカツオだけじゃなくて、ワカメと足して2で割れば、バランスのいい子どもになるかも」てな意見も出てきそうだが…。


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