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April , 2024
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①安保法制閣議決定は国民への裏切り行為②安倍首相記者会見全文(今日見新々5月14日=木)

2015年5月15日(金)04時33分更新

①安保法制閣議決定は国民への裏切り行為

 政府は遂に今夕、臨時閣議を開き、集団的自衛権の行使を可能にするなど、新たな安全保障法制である「平和安全法制」に関連する11法案を閣議決定した。これを受けて記者会見を開いた安倍首相だったが、痛烈な批判が沸き起こっている。

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安倍政権は数の力で安保法制を成立させる腹積もりだ

安倍政権は数の力で安保法制を成立させる腹積もりだ

 本サイト4月9日付「今日見新々」で「安倍内閣の亡国ぶりに拍車がかかる!?」と題した記事の中で安倍政権を「米国の忠犬ハチ公」呼ばわりした政治ジャーナリストのX氏は、今回の安倍首相の会見を聞き、「完全に合点がいった。悲しいかな、日本は恒久平和を標ぼうしてきた従来の日本と違い、完全に安倍さんが総理になって潮目が変わった。米国という絶対権力国に尻尾をふり、平和こそが日本の魅力、『専守防衛』という最大の存在意義さえ捨て去ろうとしている。安倍さんは『戦争法案などといった無責任なレッテル張りは全くの誤りだ』と強い口調で否定していたが、これだけじゃない。すべてに詭弁を弄して、ナゼいま新たな安保関連法案が必要なのか、何一つ具体的な説明がなされていない。『俺が大丈夫だと言っているから大丈夫に決まっているだろ? 文句あるか』と言っているようなもの」と憤慨する。

◇「専守防衛」こそが日本の存在意義だった

 例えば集団的自衛権を行使することで、米国の戦争に巻き込まれやしないかとする懸念に対し、安倍首相はこう語っている。

「ここでハッキリ申し上げます。そのようなことは絶対にあり得ません。新たな日米合意の中にもハッキリと書き込んでいます。日本が武力を行使するのは日本国民を守るため、これは日本とアメリカの共通認識であります。もし日本が危険にさらされた時には日米同盟は完全に機能する、そのことを世界に発信することにより、抑止力はさらに高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなっていくと考えます」

 X氏はこう解説する。

「日本が危機にさらされたら米国が必ず助けてくれると断言しているが、誰がそれを証明できるのか。現時点では助けてくれない可能性だって、ゼロではない。それに日米関係が強化されれば、日本への攻撃の抑止力につながるなんて言っているが、そもそも、日本には米軍基地がいたるところにあり、ある意味、米国が日本を拠点にして極東地域を監視しているといっても過言ではない。これだけ米国の目が光っている今の日米同盟で十分、他国からの攻撃の抑止力になっている。それを北朝鮮の弾道ミサイルの脅威を持ち出して、殊更危機を煽っている。姑息なやり方としか言いようがない」

 そもそも日本は憲法9条により、世界に類を見ない平和国家を70年にわたり堅持してきた、自民党が今以上に、国民の支持を得て、わが世の春を謳歌し、常に与党第1党であった時代でさえ「専守防衛」を旗印に、仮にそれが武力行使に当たらない後方支援でさえ、紛争地域へ自衛隊を派遣することを決して許してこなかった。紛争地域で米国やロシア(ソ連)といった大国と敵対する国にも、親日国が多いのはそのためで、だからこそ日本は常に中立な立場で平和を実現できていたといっても過言ではない。

◇安倍首相は高みの見物で自衛隊員を美化

 ところが1991年の湾岸戦争をきっかけに米国の圧力に屈し、翌92年にPKO協力法が成立し、ペルシャ湾で給油活動したり、2001年には自衛隊のカンボジア派遣も決まった。

「そもそも軍隊を持たず、自衛隊はあくまでも万が一に備えた自国警備の特別部隊の位置づけ。ところがPKO参加で国際的な立ち位置が変わっていった。安倍さんは『行動を起こせば批判が伴う。安保条約を改定した時にも、またPKO協力法を制定した時にも必ずと言っていいほど、戦争に巻き込まれる、と言った批判が噴出した。しかし、そうした批判が全く的外れなものであったことは、これまでの歴史が証明している』と得意げに話した。禅問答でもしたいのかどうかわからないが、確実に紛争地域に自衛隊を派遣したことで、日本は紛争や戦争に巻き込まれる危険度が高まっているのは紛れもない事実。『イスラム国』による後藤さんや湯川さんの惨殺も、自衛隊の海外派遣がなければ、そもそも起こりえなかった悲劇だったのかもしれないし、そもそもエジプトで得意げに中東への25億㌦の人道、インフラ支援を表明した安倍首相がA級戦犯だと言われているんだから。開いた口がふさがらないとはまさにこのことで、この男に日本の平和を語る資格はない」と吐き捨てた。

 X氏の怒りはとどまりそうにないが、気になる話をするのは50代の男性会社員だ。何でも防衛大出身で、順調にいけば今ごろ自衛隊内でも相当な幹部になっていたという高校時代の同級生の話を語り始めた。

「とにかくまじめな男でね。正義感も人一倍強かった。PKO協力法が成立してしばらくたってからかなあ。久しぶりに同級生5人ほどで酒を飲んだ時に『俺、今度、海外に派遣されるかもしれない』って話し始めてね。酔いが回ってきて、そのうち『海外に行きたくない』なんてこぼし始めた。そんな弱音を吐く奴じゃなかったんだけど…。しばらくして、そいつがトイレに行ったきり戻ってこなかった。心配になって見に行ったら、トイレの前でコワモテふうの年下のアンちゃんとケンカしていた。相手のアンちゃんは威勢こそいいものの、友人に完全に組み伏せられていた。私が何とかなだめて2人を引き離したが、相手のTシャツがビリビリに破れてしまい、警察呼ぶのなんのと大騒ぎ。すぐに近くのショップで新しいシャツを買ってきて、何とか平謝りに謝って、許してもらった。Tシャツは破ってしまったけど、殴っていなかったのがせめてもの救いだった」

 友人は相当追いつめられていたのか、海外に派遣されることはなく、その後、東京・三宿にある某病院に入院した後、自衛隊を辞めた。その後、何度か会ったが、3年ほど前から行方知れずの状態になり、退官する前に離婚した妻に聞いても所在はつかめないという。

「会見で安倍さんは、美化するように自衛隊員の責務の話をしていたけど、自分は高みの見物ができるから、どうとでも言える。本当に自衛隊員とその家族のことを考えれば、安保法案の閣議決定などできないはず」

◇平和ボケ国家が招いた悲劇?

 もはや歯止めをかける役割を担ってきた与党の一角、公明党も当てにならない。前出のX氏は「いや完全に自民党に牙を抜かれて、もはや存在意義がない政党に成り下がってしまった。唯一入閣している国交相の北川さん(一雄)なんて『仕上がりのいい法案になっていると思います』などとシレっとした表情で言ってのけた。公明党は平和を愛する政党ではなかったのか。少しでもその矜持があれば、今からでも遅くはない。万年野党でもいいから、現政権から離脱する勇気を持ってほしい」という。

 この日、東京・銀座では爆笑問題が所属する芸能事務所タイタンの太田光代社長と音楽評論家の湯川れい子さんが呼びかけ人になって女性約400人が、また作家の鎌田慧さんなどのグループが呼びかけ人になって官邸前に約500人が集まり法案に反対する抗議活動を行った。

「蟻の一穴が大きな穴となり、取り返しのつかないことになりかねない。もはや安倍内閣は亡国内閣と言って間違いない。国民も、決して道を見誤ることのない判断をしてほしい。前にも言ったが、安倍政権、いや安倍晋三という男は米国オバマ大統領の顔色しかうかがっていない。正直、私も中国や韓国の日本に対するスタンスは許せない口。それと今回の安保法制は別問題。くれぐれも、韓国憎し、中国憎しで物事を考えないでほしい。米国の9.11テロや世界中で起こるテロ事件の類いも、平和憲法9条を堅持してきたから、日本は今まで標的にされずに済んできた。いよいよ日本がテロの脅威にもおびえなければいけない日がやってくる。そうならないためにも、この法案は絶対通してはいけない」

 X氏は最後まで徹底抗戦を決め込むが、いかんせん、数の力と強権政治で今ややりたい放題の安倍政権。それに不思議と国民の支持率が低下しないからタチが悪い。平和ボケと言われて久しいが、「ここまで日本人は物事に鈍感になってしまったのだろうか。最終判断は国民がすべきだし、それでも安倍内閣を支持するというなら、私の考えが間違っていると諦めるしかない。民主主義国家だけに最後は皆さんで決めてほしい」

 さて読者の皆さん、どうお考えか。ご意見、ご感想はいつでも受け付けております。

 

 

②安倍首相記者会見全文

「平和安全法制」の閣議決定を受け、14日午後6時から首相官邸で行われた安倍晋三首相の記者会見は下記の通り(首相会見とその後、行われた記者からの質問と安倍首相の回答=全文)。

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 【安倍総理会見】 

安倍首相の会見は説得力に欠けると見る向きは少なくない(NHKテレビから)

安倍首相の会見は説得力に欠けると見る向きは少なくない(NHKテレビから)

 70年前、私たち日本人は一つの誓いを立てました。もう二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。この不戦の誓いを将来にわたって守り続けていく。そして国民の命と平和な暮らしを守り抜く。この決意のもと、本日、日本と世界の平和と安全を、確かなものとするための、平和安全法制を閣議決定いたしました。もはや一国のみで、どの国も自国の安全を守ることはできない事態であります。

 この2年、アルジェリア、シリアそしてチュニジアで日本人がテロの犠牲となりました。北朝鮮の数百発もの弾道ミサイルは、日本の大半を射程に入れています。そのミサイルに搭載できる核兵器の開発も深刻さを増しています。

 我が国に近づいてくる、国籍不明の航空機に対する自衛隊機の緊急発進、いわゆるスクランブルの回数は、10年前と比べて実に7倍に増えています。これが現実です。

 そして私たちはこの厳しい現実から、目を背けることはできません。ですから私は、近隣諸国との対話を通じた外交努力を重視しています。総理就任以来、地球儀を俯瞰(ふかん)する視点で、積極的な外交を展開してまいりました。いかなる紛争も武力や威嚇ではなく、国際法に基づいて平和的に解決すべきである、この原則を私は国際社会で繰り返し主張し、多くの国々から賛同を得てきました。外交を通じて平和を守る、今後も積極的な平和外交を展開してまいります。

 同時に万が一への備えも怠ってはなりません。そのため我が国の、安全保障の基軸である日米同盟の強化に努めてまいりました。先般のアメリカ訪問によって日米の絆は、かつてないほどに強くなっています。日本が攻撃受ければ米軍は、日本を防衛するために力を尽くしてくれます。そして安保条約の義務を全うするため日本近海で適時、適切に警戒監視の任務に当たっています。

 私たちのため、その任務に当たる米軍が攻撃を受けても、私たちは日本自身への攻撃がなければ何もできない、何もしない。これがこれまでの日本の立場でありました。本当にこれでよいのでしょうか。

 日本近海において、米軍が攻撃される。そういった状況では私たちにも、危険が及びかねない。他人ごとではなく、まさに私たち自身の危機であります。私たちの命や平和な暮らしが、明白な危険にさらされている、そしてその危機を排除するために他に適当な手段がない。なおかつ必要最小限の範囲を超えてはならない。この3つの要件による厳格な歯止めを、法律案の中にしっかりと定めました。

さらに国会の承認が必要となることは言うまでもありません。極めて限定的に集団的自衛権を行使できることといたしました。それでもなお、アメリカの戦争に巻き込まれるのではないか、漠然とした不安を、お持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

 その不安をお持ちの方に、ここでハッキリと申し上げます。そのようなことは絶対にあり得ません。新たな日米合意の中にもハッキリと書き込んでいます。日本が武力を行使するのは日本国民を守るため、これは日本とアメリカの共通認識であります。もし日本が危険にさらされた時には、日米同盟は完全に機能する、そのことを世界に発信することにより抑止力はさらに高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなっていくと考えます。

 ですから戦争法案などといった無責任なレッタル(レッテル)張る(り)は全くの誤りであります。あくまで日本人の命と平和な暮らしを守るため、そのためにあらゆる事態を想定し、切れ目のない備えを行うのが今回の法案です。

 海外派兵が一般に許されないという、従来からの原則も変わりません。自衛隊がかつての湾岸戦争や、イラク戦争での戦闘に参加するようなことは今後とも決してない。そのことも明確にしておきたいと思います。

 他方、海外において自衛隊は原油輸送の大動脈、ペルシャ湾の機雷掃海を皮切りに、これまで20年以上にわたり、国際協力活動に従事してきました。今も灼熱のアフリカにあって、独立したばかりの南スーダンを応援しています。そこでは日本がかつて、復興を支援したカンボジアがともにPKOに参加しています。病院を運営するカンボジア隊の隊長が現地の自衛隊員にこう語ってくれたそうであります。

 国連PKOでの日本の活躍は母国カンボジアの人々の記憶に今も鮮明に残っている。この病院も本当は誰よりも日本人に使ってほしい。私たちは日本人のためならば、24時間いつでも診療する用意がある。これまでの自衛隊の活動は、間違いなく世界の平和に貢献しています。そして大いに感謝されています。延べ5万人を超える隊員たちの献身的な努力に、私は心から敬意を表したいと思います。

 そしてこうした素晴らしい実績と経験のうえに今回、PKO協力法を改正し、そして新たに国際平和支援法を整備することといたしました。これにより国際貢献の幅を一層広げてまいります。我が国の平和と安全に資する活動を行う米軍をはじめとする外国の軍隊を後方支援するための法改正も行います。しかし、いずれの活動においても武力の行使は決して行いません。そのことを明確に申し上げます。これらはいずれも集団的自衛権とは関係のない活動であります。あくまでも紛争予防、人道、復興支援、燃料や食料の補給など我が国が得意とする分野で国際社会と手を携えてまいります。

 我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態にとどまることなく、日本は積極的平和主義の旗を高く掲げ、世界の平和と安定に、これまで以上に貢献していく決意であります。

 戦後日本は平和国家としての道を真っ直ぐに歩んでまいりました。世界でも高く評価されている。これまでの歩みに私たちは胸を張るべきです。しかしそれは平和、平和とただ言葉を唱えるだけで、実践したものではありません。自衛隊の創設、日米安保条約の改定、国際平和協力活動への参加、時代の変化に対応して、平和への願いを行動へと移してきた先人たちの努力の結果である、私はそう確信しています。

 行動を起こせば批判が伴います。安保条約を改定した時にも、またPKO協力法を制定した時にも必ずと言っていいほど、戦争に巻き込まれる、と言った批判が噴出しました。しかし、そうした批判が全く的外れなものであったことは、これまでの歴史が証明しています。

 私たちはさきの大戦の深い反省とともに、70年もの間、不戦の誓いをひたすらに守ってきました。そしてこれからも、私たち日本人の誰一人として戦争など望んでいない、そのことに疑いの余地はありません。私たちは自信を持つべきです。時代の変化から、目を背け立ち止まるのはもう辞めましょう。子どもたちに平和な日本を引き継ぐため、自信をもって前に進もうではありませんか。

 日本と世界の平和のために私はその先頭に立って、国民の皆様とともに、新たな時代を切り開いていく覚悟であります。私からは以上であります。

 

 【記者からの質問】 

 朝日新聞記者 閣議決定された安全保障関連法案ですけども、報道各社の世論調査では賛否が分かれて、慎重論が根強くあると思います。また野党からは集団的自衛権の行使をすることについての反対に加えて、さきの訪米で総理が議会で演説された「夏までに実現する」という表明についても反発の声が出ております。総理はこうした声にどうお答えしていく考えでしょうか。例えば今後の国会審議でですね、法案の修正の選択肢というはあるのか、お答えください。

 安倍首相 あの先ほども申し上げましたように、国民の命と平和な暮らしを守ることは政府の最も重要な責務であります。我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、国民の命と平和な暮らしを守るために、あらゆる事態を想定し、切れ目のない備えを行う。平和安全法制の整備は不可欠である、そう確信しています。

 例えば海外で紛争が発生し、そこから逃れようとする日本人を同盟国であり、能力を有する米国が救助し、我が国へ移送しようとしている時、日本近海で攻撃を受けるかもしれない。このような場合でも日本自身が攻撃を受けていなければ、救出することはできません。この船を守ることはできないわけでありまして、国民の命と平和な暮らしを守り抜く上で、十分な法制となっていないのが現状であります。当然先ほど申し上げましたように、国民の命と幸せな暮らしを守る、それが最も重要な責務である以上、その責務をシッカリと果たしていくために、この法改正は必要である。もちろん、そんなことが起こらなければいいわけでありますが、そうした時に備えをしていく、これは私たちの大きな責任であろうと思います。

 こうしたことをですね、しっかりわかりやすく丁寧に、そのためにこそ必要な法整備であるということを、これから審議を通じて説明をしていきたいと思います。

 また先般の米国の上下両院の合同会議において、その演説においてですね、平和安全法制の成立をこの夏までにと、いうことを申し上げました。しかしこれはもうですね、平成24年の総選挙以来、私は総裁として、また我が党として、この平和安全法制を整備していくということを公約として掲げています。一貫して我々は公約として掲げてきたということであります。特にさきの総選挙においては、昨年の7月1日の閣議決定に基づいて、平和安全法制を速やかに、整備することを明確に公約として掲げ、国民の審判を受けました。ですから選挙で全く公約もせず、何も述べずにいきなり何かをですね、政策として政権を取って実行することとは全く違うということはご理解いただけるのではないかと思います。

 3回の選挙戦で私たちはお約束してきた。そして昨年の7月1日の閣議決定を受けて、そして総選挙において速やかに法整備を行うといいました。そして12月24日、総選挙の結果を受けて、発足した第3次安倍内閣の組閣に当たっての記者会見において、皆様も覚えておられると思いますが、平和安全法制は通常国会において成立を図る旨、ハッキリと申し上げております。国民の皆様にハッキリ申し上げたはずであります。

 さらに本年2月の衆議院の本会議において、質問をされまして、その質問に対しまして2度にわたり、この国会におきまして、この国会において、本国会において成立を図るということを申し上げているわけで、まあございますから、当然これはですね、今まで申し上げてきたことを演説、米国議会における演説でさらに繰り返し、述べたということでございます。

 そこで私どもが提出をするこの法案につきましては、与党において25回にわたって協議をしたものであります。それまで長きにわたって有識者の皆様にご議論を頂いたものでございますから、私たちとしてはベストなものであるとこう考えております。

 まあしかし国会審議はこれからでありまして、国会にかかわる事項、事柄につきましては政府として申し上げることは差し控えたいと、このように思いますが、政府としては国会審議を通じて、この平和安全法制が、必要だということを各議員の皆様に、ご理解を頂くべくですね、努力をしていきたいと、こう思っております。

 テレビ朝日記者 総理は今もありましたけど、今国会中の成立を目指しておられますが、成立後、直ちに自衛隊の参加を検討している活動は具体的に念頭にあるんでしょうか。まあ例を挙げさせていただきますと、世界各地のPKOでですね、法改正に基づいた活動の拡大を行うことは考えておられるのか、またアメリカがですね、南シナ海で中国が基地の建設を一方的に進めている島、ここの周辺に艦船や偵察機の派遣を検討していますけども、この活動を日米共同で行うことは考えておられるのでしょうか。もう一つ具体例なんですが、ISIL(イスラム国)の掃討作戦がですね、アメリカを含む有志連合によって行われていますが、これの後方支援をですね、行うようなことは考えておられるのでしょうか。よろしくお願いします。

 安倍首相 あの、先ほど説明いたしましたように、今回の法案についてはですね、例えば紛争があった国から逃れてくる日本人、その日本人を米艦が運んでいる。その艦艇が攻撃を受けてもその艦艇を日本は守ることができない。これを変えていく、でもあります。

 そして現在の安全保障状況というのはテロにしろ、そして核やミサイルにしろ、国境を容易に越えてくるわけでありまして、もはや一国のみで自国を守ることができない、そういう時代であります。その中において、国際社会、そして同盟国の米国と協力をしながら日本自身、そして地域の平和と安定を守るのは当然、これは日本人の命と平和な暮らしを守っていくことにつながっていくと、こう確信をしています。

 PKO活動におきましてもですね、万が一、ともに活動している他国の部隊が襲われて救助を頼まれた時に、今まではその救助にこたえることが、救助の要請にこたえることができなかったり、あるいは日本人を移送しに派遣された自衛隊が万が一、その救出、移送しようとする対象の日本人がですね、テロリストに襲われようとしているときにも、全く救出することができない。そうしたことを変えていくこと、法案であります。

 まさにそういう意味におきまして日本人の命や平和な暮らしを守るための法案でありまして、そうしたことが起った時のために備えていくものであって、この法案が整備されたからどこに行くかというものではないということは、まず申し上げておきたいと思います。

 例えば今、例として挙げられましたPKOですね。PKOについては必要な活動をより効率的に行うことができるようにする。例えばPKO活動を自衛隊がしていて近傍にNGOの方々がいて、そのNGOの方々…日本人である可能性も高いんですが、そういう方々から、いわば救出を要請された場合にも、救出活動ができるということになってくるわけであります。いわば機能が、日本人の命や、あるいはPKO活動として役割を果たすうえに置いて、向上していくものなんだということをご理解を頂きたい。

 新たな拡大を行っていくことではない、よりこれは確かなもの、日本人の命を例えば守っていくにおいては確かなものになっていくものである、というふうにご理解頂きたいと思います。

 例えば南シナ海におけるですね、件におきましては全く私も承知をしておりませんのでコメントのしようがないわけであります。えー、そしてまた例えばISILに関しましてはですね、我々がここで後方支援をするということはありません。これはハッキリ申し上げておきたいと思います。今まで行っている難民や避難民に対する食糧支援や医療支援等、大変いま感謝されております。こうした非軍事的な活動を行っていく、引き続き行っていくことになるんだろうと、このように思います。

 フジテレビ記者 先ほど総理は戦後日本が平和国家の道を歩むということに胸を張るというお話とですね、自衛隊の方々の活動の平和に貢献というのがありました。これまで紛争に巻き込まれて自衛隊の方が亡くなるようなことはなく、また戦闘でこう実弾を使ったりすることのないことが、日本人の国内の支持であったり国際的な支持というのも日本の平和にあったかと思います。今回、平和安全法制が成立した暁にですね、こういった自衛隊の活動がですね、重要事態にこう行くとかですね、あとは任務遂行型の武器使用になるとかで危険だとかリスクなほうにこう振れるんではないかというような懸念があるかと思われるんですけどもそういったことに対する、総理のご説明をお願いいたします。

 安倍首相 あの先ほども申し上げましたようにですね、例えばPKOについて、駆け付け警護ができるということはですね、近傍で活動している、まあ地域の例えば子どもたちの健康のためにですね、医療活動のために従事をしている日本のNGOの人たちがいて、その人たちに危険が迫ってですね自衛隊員の皆さんに救援に来てもらいたいと頼まれて、しっかりと装備をしている自衛隊員の皆さんが救助に行けなくていいんでしょうか。そういう訓練をしている、まさに自衛隊員の皆さんは日本人の命、幸せな暮らしを守る、この任務のために苦しい訓練も積んでいるわけであります。まさにそういう任務をシッカリとこれからも同じように果たしていくものだということであります。

 そして今までも、今までも自衛隊の皆さんは危険な任務を担ってきているんです。まるで自衛隊員の方々が、今まで殉職した方がおられないかのような思いをもっておられる方がいらっしゃるかもしれませんが、自衛隊発足以来、今までにも1800名の方々が、自衛隊員の方々が殉職、様々な任務等で殉職をされておられます。私も総理として慰霊祭に出席をし、ご遺族の皆様ともお目にかかっております。こうした殉職者が全く出ない状況を何とか実現したいと思いますし、一人でも少ないほうがいいと思います。災害においても危険な任務が伴うんだということはもっと理解をしていただきたい、このように思います。

 しかしもとより、いま申し上げましたように、自衛隊が活動する際には隊員の安全を確保すべきことは当然のこと、であります。今回の法制においても、例えば後方支援を行う場合には部隊の安全が確保できない場所で活動を行うことはなく、万が一、危険が生じた場合には、業務を中止し、あるいは退避すべきことなど、明確な仕組みを設けています。

 また自衛隊員は自ら志願し、危険を顧みず職務を完遂することを宣誓したプロフェッショナルとして誇りをもって仕事に当たっています。日々高度の専門知識を養い、そして厳しい訓練を繰り返し行うことで、危険な任務遂行のリスクを可能な限り、軽減してまいりました。それは今後も変わることがないんだということを、申し上げておきたいと思います。

 読売新聞記者 総理、安全保障法制をですね、整備する必要性について、常々日本を取り巻く国際情勢が厳しさを増しており、万全な備えをする必要があるということをおっしゃっているかと思います。厳しさを増す国際情勢というのは、具体的にどのような点なのでしょうか。そしてナゼ今、万全の備えを取る必要があるとお考えなのでしょうか。また本日、閣議決定された法案にはですね、将来にわたって万全の備えを取るために必要な点が全て盛り込まれたとお考えでしょうか。

 安倍首相 えー、先ほども申し上げましたように、日本を取り巻く安全保障環境は一層、厳しさを増してます。例えば北朝鮮の弾道ミサイルは日本の大半を射程に入れております。そしてなかなか北朝鮮の行動については、予測するのが難しいというのが、これは実体だろうと思います。

 そしてまた、残念ながら何人もの日本人の方々が、テロの犠牲となったわけであります。いまや脅威は国境を簡単に越えてくるという状況の中においては、切れ目のない対応が必要になってくるわけであります。

 そして、その切れ目のない対応をシッカリと整えていくこと、そして日本は米国と日米安保条約で同盟によって結ばれています。この同盟関係がシッカリとしているということは、抑止力、言わば未然に事態が起こることを防ぐことにつながっていくことは間違いがないわけであります。同盟に隙があると思えば、同盟に隙があると思えば、日米間においてですね、日米間において、いわば連携が十分にできない。日米同盟は機能しない、あまりスムーズにしないのではないのか。1+1は2になっていないのではないか、このように思われることによってですね、むしろ、これは攻撃を受ける危険性というのは増していく。いわば地域の不安定な要素となっていく可能性もあるわけであります。そうした可能性をあらかじめ、シッカリと潰しておく必要があるわけでありまして。これはまさに国民の命と、幸せな暮らしを守るためであります。

 そのような意味におきまして、今回の法整備において、集団的自衛権の一部行使を認める、限定的に認めていくことから、まあグレーゾーンに至るまでしっかりとしたですね、整備を行っていかなければならないと。そのことによって結果としてですね、結果として、いわば全くそうした紛争に巻き込まれることも、日本が攻撃を受けることも、日本人の命が危うくなることも、リスクとしてはより減少していくというふうに考えています。

 テレビ東京 防衛関連の費用についてお伺いします。今回の安全保障体制の変更により、安倍政権の中では防衛関連費は年々増加をしているんですけども、今回の変更により今後の防衛費の推移を総理はどのようにお考えでしょうか。また同時に財政再建を叶えていかなければいけない中、こちらに対する対応をどのように考えておられるのかお伺いしたいと思います。

 安倍首相 まあ約11年近くにわたって日本はずーっと防衛費を減資をしてきました。その中で安全保障環境は逆に厳しさを増しているわけであります。何のための防衛費か。それはまさに日本人の命や幸せな暮らしを守るための防衛費であり、先ほど申し上げましたように、シッカリと備えをしている国に対して攻撃しようという国は、あるいは人々は少なくなっていくわけであります。

 そこで安倍政権においては、ずーっと減らしてきた防衛費を11年ぶりに増やしました。増やしたといっても、これは消費税が上がった分のものもあります。それを除けば0.8%であります。すでに防衛計画の大綱および、これ一昨年末でありますが、中期防衛計画、中期防衛力整備計画を閣議決定をしておりますが、この中において、中期防衛力整備計画において5カ年の防衛費の総枠をすでに明示をし、閣議決定をしているわけでございました。いわばこの法制によってですね、この防衛費自体が増えていく、あるいは減っていくということはないということは申し上げておきたいと思います。

 これはあの、防衛費について詳しい方はよくご存じのことでありますが、いわば中期防衛力整備計画において5年間の総枠を決めますから、その中で防衛力を、あるいは整備をしていくということになっていく。これは変わりがないということであります。それはすでに一昨年、決まっているということであります。

 例えばですね、二つ目、かつて第1次安倍政権時代に防衛庁を防衛省に昇格をさせました。その時も同じ質問が起きたんですね。「防衛省に昇格させると防衛費増えますね」と。結果はどうだったか。その後、その後、ずーっと防衛費は減少してきたということでありますから、いわばそれと同じようにかかわりなくやっていかないといけないと、こう考えています。


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1 Response

  1. 日本男児は 心に帯刀を (A.H.)月光

    (題): 真実を見落とすな! 亡国勢力の誘導で日本人は誤った議論をしている

    安保法制・集団的自衛権は違憲である、自衛隊は戦力だから違憲である・・・と主張する多くの憲法学者や9条護憲を連呼する国会議員・一般国民には肝心な言葉が抜けています。

    ★『(アメリカが日本に充てがった)憲法に違反しています』と言うべきです。

    つまり、独立国として日本国は当然に拒否しなければいけない筈の条文と(安保法制・集団的自衛権・自衛隊)を比較しているという、とんでもない過ちをしていることに国会議員・新聞・TV・学者・一般国民の誰もが気付いていないのです。

    投稿日2015年7月1日 PM 1:11

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