「クレーマー天狗」~表無し日本
アラカン(還暦)ならぬアラサン(傘寿)世代の本サイトご隠居顧問が、あらゆる話題に斬り込む『クレーマー天狗』。信じ難い問題行動で世間をがく然とさせている連中…失礼、もとい方々にご隠居の〝天狗のおじさん〟ボタンにスイッチが入った。そしてしみじみとこうアドバイスした。「『カネなし、職なし、名誉なし』の老後って楽しいよ」と。
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「おもてなし」の心を持って東京オリンピックを迎えようと、国を挙げて努力している一方で、日本の指導的立場にある人たちの「価値の下落」が円安と共に止まらない。閣僚から言えば下村文部科学大臣、高市総務大臣らの金銭疑惑、自民党国会議員同士の不倫騒動etc…これだけでも内閣総辞職ものだが、その前の小渕、松島、西川3閣僚問題をひっくるめて〝首のすげかえ〟と逆ヤジだけで通り抜けてしまった。
◇勢い余って地獄の3丁目
上がこんな状態だからか、野党でも『浪速のエリカさま』の〝党除名→居座り〟を頂点に、地方では大衡村の「殿」こと跡部昌洋もと村長、「号泣議員」として世界的な有名人になった野々村竜太郎もと兵庫県議会議員など、これだけ聞けばもう日本は中央も地方も政治、行政ともにシッチャカメッチャカ。《〝おもてなし〟とは聞こえがいいが、実は〝表無し〟で裏ばっかりの国》と諸外国から揶揄されるかもしれないぞ。
そこへ持ってきて今度は教育者の犯罪だ。これは当サイト『井戸端新聞』の報道で詳しいので内容は省略するが、本人の供述によると「横浜市立の中学校を退職してフィリピンの日本人学校に再就職してから、倫理のタガが外れてしまった」のだとか。犯行の中身は14歳から70歳までの現地女性を相手に、児童買春をはじめその都度撮影した児童ポルノ写真、ワイセツ写真を大量に所持していた疑い。緩んだのがタガだかブレーキだか知らないが、定年まで背負っていた〝倫理〟がよほどの重荷だったのか、息を切らして昇って来た坂道を、タガが緩んだとたんに転がり落ち、勢い余って地獄の3丁目まで戻り過ぎちまった。
◇枝葉末節の各論でお茶を濁す
そう言えば、これまでにも現職の警察官が交際中の女性を殺したり、国家公務員が通勤電車で痴漢行為に及んだりなど、国や住民の生命や財産を守り、法律・倫理を教える立場の人たちがあちこちで捕まっているのは、一体どう解釈したらいいのか。ニュース番組の画面に美しい顔を露出している学者や評論家の皆さんに申し上げたい。あなた方は局のスタッフの顔色より、日本の未来を見据えて物言うべきだ。
「一つ一つの事件の解説も大事でしょうが、なぜ、この種の事件が絶えず起こるのか。つまり、現象を何十例、何百例集めても〝本質〟の説明にはならない」と分かっていて、なぜそれをしないのか。種を明かせばマジックの種明かしと同じで、物事の本質は一つだから、それを喋ったら感心されるのは一回だけでおしまい。あと出番がなくなる。すると目の前にぶら下がっているテレビ出演料が消えてしまう。
それではあまりにも勿体なさすぎる。だからトータルで解説せず、出てきた現象をまるで初めて接したかのように、枝葉末節の各論でお茶を濁す。「なぁんだ、それじゃぁ議員辞職をしないで無所属のイスにへばりついている人と同じじゃないか」って? 早く言えばそうなるかな。だから、世の中をうまく、楽に渡るには「波風立てず、何事も持ちつ持たれつ、長いものには巻かれろ」を肝に銘じて暮らすこと。
煎じつめれば「ヘソ下三寸に人格なし」で、事件の本質はそこにあるわけよ。それに付け加えれば「カネに印は付けられぬ」かな? この二つが重なると大概の人は我を失うらしい。一人、見習うべき人物がいた。4月1日に亡くなった〝ラーメンの神様〟山岸一雄氏だ。世界中の人を味覚で魅了し、弟子を育て、わが健康と幸せを顧みずにラーメン一筋に生きた人。人格なき人の修身の教科書に推薦しておきたい。
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