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April , 2024
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「スポーツ革命」~異色力士

2015年2月17日(火)12時29分更新

 傘寿の大台まで、残り1年を切った本サイト特別顧問がお届けするご隠居コラム。今回は「スポーツ革命」と題し、このところ人気復活の大相撲を取り上げる。2月1日から受け付けが始まった3月場所(大阪府立体育会館=3月8日初日)のチケット販売はすでに溜席、枡A席、椅子SS席の高額席、そしてカップルで観戦できるペアシートは全日完売、土日は何と全席完売の大盛況なのだ(17日現在)。ご隠居が「日本の国技・相撲が断然面白くなりそうだ!」として特に期待しているのは…。

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連日満員御礼の大相撲に期待の新星現る

連日満員御礼の大相撲に期待の新星現る

? 日本の国技・大相撲の人気がすごい。今年の初場所は初日から千秋楽まで連日の「満員御礼」だったし、中でも若い女性ファンの熱い声援が目立つ。その立役者は何と言っても甘いマスクとスピード出世の実力を兼ね備える遠藤だろう。筆者が蔵前国技館いらい30数年ぶりに二階のいす席を入手して(もらって)両国国技館に行ったのは、1月16日の初場所6日目だったが、もちろん、この日も満員札止めで、中入り前に早々と空席がすべて埋め尽くされていた。中でも驚いたのが遠藤VS逸ノ城の取組に集まった懸賞の数。土俵をめぐる懸賞の旗が2巡してまだ足りず、まるで優勝をかけた千秋楽の横綱の対戦を思わせた。

◇残念なのは上位に外国力士がズラリ…

 相撲関係者によれば、若い女性ファンの獲得のため遠藤をはじめ若いイケメン力士を動員して、お姫様だっこをさせたり、色紙を進呈したりしているらしい。これで女性ファンにそっぽを向かれる訳がない。特に女性ファンの〝友が友を呼ぶ〟広がり方はすさまじいものがある。やっと大相撲もファンサービスの大切さと、効率のよい方法論に気がついたのだろう。

 一つ残念なのは、3横綱がすべてモンゴル勢だし、上位にはモンゴル勢のほか、外国力士がずらりと名を連ねていること。いや、これが悪いというつもりはない。ファンサービスよりもっと第2、第3の遠藤発掘に力を入れてもらいたいと思うのだが、やはり、一部外国のようにハングリーで大きな若者が少なくなったのが原因だろう。下積みを嫌い、高校や大学で名をあげて「関取への特急券」を取得してからの入門が増えたのは、はたしてこれは良いことなのか、好ましくないことなのか。いや、これだけ満員が続けば良いことに決まってるか。

◇多彩な〝ウラ技〟持つ革命児が角界入り

 それに、協会にとってもファンにとっても大きな朗報がある。もうご存じの方も多いと思うが、まるでアクロバットのような技で一昨年の相撲世界大会で優勝した宇良和輝選手(22)=関西学院大学4年だ。体重107㎏、身長172㎝と柔道なら最重量級に属するが、角界ではこれでも〝小兵(こひょう)〟とされる。ところがドッコイ、この男、『居反り(いぞり)』というすごい技をもっている。かつて元・智ノ花関が93年初場所でみせて話題を集めたが、プロレスの『ブレーンバスター』や『スープレックス』にも似た豪快な大技。相手に潜り込み両手で相手の膝を押し上げて後ろに反って倒すのだが、見ている観客はまるでマジックか忍術をみせられたようで、しばらくは声も出ないありさまだ。このほかにも相手の片腕を両手で抱え込み、すかさず自分がくるりと回転すると、自分の2倍はあるかと思える巨漢がゴロリと土俵に転がっている…なんて「ただいまの決まり手は…」を放送する係りの人が絶句するような奇妙な技も幾つか持っているようだ。

 筆者はあまり熱心な相撲ファンではないので、詳しいことは今後の報道に任せることにするが、問題は四股名。本人は「当面は本名の〝宇良〟で行きます」と言っている。でもこれは呼び出しや行司泣かせに過ぎる。そこで筆者が謹んで彼の四股名を贈呈する。まず、木瀬親方の四股名・肥後ノ海から「ノ」の一字をもらって本名にくっつけ、珍しい技を裏=浦として『宇良ノ浦(うらのうら)』。筆者の中ではもうこれで決まり! なんだけどなぁ。あぁ、確実に国技に革命を起こす彼の初土俵が待ち遠しい!


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