元夕刊紙記者たちが、井戸端会議感覚で読者の皆さんに話題のニュースを広く浅く、たまに奥深く提供します

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　傘寿の大台まで、残り１年を切った本サイトご隠居顧問が物申す！　いつも「テレビはわれら年寄りの最大の親友。だからこそのお節介な忠告です」というご隠居が一昨日に続き、テレビから聞こえる気になる言葉に噛みついた。「～してみたいと思います」と言っているそこの女子アナ、ご隠居の訴えを耳の穴をよくかっぽじって聞…、いやその目で穴が開くほどよく読むべし。

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「弱冠」を広辞苑で調べると…

　どの局だったか忘れたが「弱冠５１歳の若すぎる死」という言葉を聞いてドキッとした。弱冠って古い言葉について、今のテレビ関係者は辞書・字引の類を引いた事が無いのだろうか。というこのジジイも若いころ「弱冠２５歳の青年が…」と書いて当時のデスクにこっぴどく怒鳴られたことがあった。「バカヤロウッ！　知ったかぶりして大事な言葉をいい加減なところに使うんじゃねぇ！　弱冠とは幾つのことか辞書で調べてみろっ」あまりの声のでかさに編集局中の目が集まったため、デスクも引っ込みがつかなくなったのか、ついでに怒られなくてもいいところまで怒鳴られた〝懐かしい〟思い出がある。

　恐る恐る広辞苑を引いてみる。ゆっくり時間をかけてね。すぐデスクに近づいたら、また何をどう叱られないとも限らないから…。広辞苑にはこうあった。「①男子の二〇歳の異称　②年の若いこと。」

「僕は②のほうの解釈で使ったんですが…」と言いわけをしようと思ったけどやめたっけ。デスクに恥をかかせたら、その日のうちに自分の机がなくなる恐れがあったから（笑い）。５１歳も若いといえば若いと言える。とくに「人生８０年時代」に入った現代では確かに５１歳は若い。しかし、いくらなんでも〝弱冠〟を付けるほど若くはないと思うけどなぁ。

◇あ～もったいない…みたいな？

　そう思ったところで思い出した言葉がある。よく女子アナが使う「～してみたいと思います」ってヤツ。例えば食べ歩き番組（グルメ番組と言う人もいるが）で取材する店の前で「こちらはフランス料理で有名な〇〇です。早速、入ってみたいと思います」とアナウンサーかレポーターかがそういう。おかしいんじゃないの？　あんたが入ってみたいと思おうが思うまいが、その店で取材することは企画の段階で既に決まっていたんじゃないの？　でもって、いよいよ料理を目の前にして「では、オーナーシェフが作った〇〇を頂いてみたいと思います」とくる。こちとら、あまり先がねぇもんだから気が短ぇんだ。まさか新婚初夜じゃあるまいし、ご丁寧にいちいち「～してみたいと」思うなよ。

　そう言えば、北陸新幹線の報道陣だけの試乗会があったよね。局もその女子アナの名前も伏せるけど、どこかハーフっぽい顔だった。素晴らしい先頭の流線形車両をバックに「ではこれから乗ってみたいと思います」といってから、おもむろにご乗車あそばしたっけ。そして各社のカメラマンたちが砲列を敷く車内をシャナリシャナリ。車内や車窓から見える景観の案内や説明はほとんどなし。グラン・クラス（グリーン車のもう一つ上）の客に出る飲み放題のワインをうまそうに(偉そうに）飲んでいました。そんなこと、あなたの局のお局さん以外は２０年早いと思うよ。

　あぁ、もったいない。これは何というムダ遣いなのだ。３月１４日の開業までまだ１カ月以上もあるというのに、何で女子アナの試乗会で終わらせちゃうんだよ。局内に必ずいると思われる「ノリ鉄」を探して乗っけてやれっつうの。（註＝ノリ鉄とは鉄道に乗ることを至上の趣味にするひと。ちなみに列車の写真を撮って楽しむ人をトリ鉄という）そうしたら、開業までに４～５回の３０分番組ができて、１回２０％は獲れたと思うのになぁ。このジジイだってそういうマニアの解説する番組を是非「見てみたいと思いま～す」だったけどね。