「テレビって奴は」~フジの低迷①
傘寿の大台まで、残り1年を切った本サイトご隠居顧問が物申す! いつも「テレビはわれら年寄りの最大の親友。だからこそのお節介な忠告です」というご隠居が、年末年始の視聴率争いでフジが最下位に沈んだと知って「やっぱりね」と独り言ちた。かつての視聴率ガリバーのダウンサイジングぶりをご隠居独自に分析、「視聴率低迷は『フジの病』か気の迷いか」――フジテレビには〝今日よりちょっといい明日〟はやってこない!? かもよ。
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?「面白くなければテレビじゃない」なんていうキャッチフレーズを掲げていたころの8チャン(フジテレビ)は、いろんな部門で視聴率トップを突っ走っていたと記憶している。一応、当時の年代や数字をあげて「記憶している」などとぼかした表現は避けるべきだが、年寄りは数字が苦手だし、文章が堅くなって困る。それは逆に間違いが増えるもとになるってもんだ。とにかく、凄かったと言っておこう。
そのフジテレビがこのところ元気がない。「振り向けばテレ東」とヤユされていた東京12チャンネルにも抜かれているというから、変われば変わるもんだ。その理由については局の関係者や専門家の先生方がいろいろと論議や指摘をされているようだから、素人のジジイがあれこれ言っても笑われるだけだ。そう、あえて数字を示さなかった理由もそこにある、と思ってくれて構わない。
「じゃぁ、余計なことを言わずに引っ込んでいればいい」とおっしゃるお方、あなたは何が原因だとお思いですか? 分からない? じゃぁ、このジジイのほうがましだと思って、まずは「お黙りなさい」。
◇〝視聴料〟で成長しておきながら…
余談だが、最近、アナウンサーの独立がトレンドになっている。あのNHKからもかなりの人数が民放に移籍しているから、NHKの画面にしばらくご無沙汰していると、ニュースなどまるで見慣れないBSテレビのニュースを見ているような錯覚さえ起きる。そして、民放に巣立っていった元NHKアナウンサー諸氏が何と生き生きした表情をしていることか。「おれ達が払っている視聴料で訓練され、成長しておきながら、脂が乗ったころには民放で高給をむさぼるとはけしからん」と怒ったところで、この流れは止められない。防衛大学の出身者を見てごらん。税金で授業料を免除されて卒業しておきながら、戦闘機のパイロットにならずに高給が取れる民間の航空会社のパイロットになり済ますよりは、いくらか納得ができるんじゃないかな。でもサ、民放のバラエティーでちょっと人気が出たからって、いきなり他局のニュースキャスターなんてねぇ。バラエティーでは元気なのに、ニュース番組では寝起きの顔で座っているだけ。ま、喋り過ぎてパネリストやゲストの発言の邪魔をするMCよりはまだマシか。
◇フジがかすんで見える
さて、フジテレビの低迷の原因だが、あまり難しく、深刻に考えるとかえってドツボに嵌る。このジジイの考えは単純だ。最大の理由は「人に人相、手相が、家に家相があるように、テレビ番組表にも欄相がある」ってこと。つまり、テレビがアナログだったころ、テレビ欄は左からNHK総合、同Eテレ、日テレ、TBS、フジテレビ、テレ朝、12チャンネルの順だった。その頃、何人の視聴者が左端2局と右端2局を丹念に見ていたかだ。まず、まん中の4、6、8を中心に見る人がほとんど。その証拠に当時は日テレ、TBS、フジの3局が覇を競っていたではないか。もうお分かりだろう。フジは「振り向けばテレ東」が入っていた〝欄相〟の悪い場所に〝入居〟させられただけなのだ。試みにフジテレビの番組欄を上から下まで見てごらんなさい。いや、ゴールデンだけでもいい。どうです? なんとなくかすんで見えませんか。
あわてて「番組を総点検せよ!」なんて力まない方がいい。けど、一つだけ。したり顔したあの〝お局さん〟をなるべく早く画面から削除してもらえないだろうか。(この項つづく)
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