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March , 2024
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「テレビって奴は」~航空機事故

2015年3月27日(金)09時00分更新

 傘寿の大台まで、残り1年を切った本サイトご隠居顧問が物申す! いつも「テレビはわれら年寄りの最大の親友。だからこそのお節介な忠告です」というご隠居が、航空機事故を伝えるニュース番組を見ていて、結論を急ぐMCの暴走に耐えかねていた。事故自体はようやく副操縦士の故意による事故と結論付けられたが、そこに至るまでの連日のMCたちの振る舞いはひどかった。ご隠居はついついブラウン管!? いや液晶画面に向かって「逸るなニュース番組、焦るなキャスター諸君!」と叫んでいた。

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墜落したA320型機

ジャーマンウィングスのA320型機

 また航空機事故による悲劇が起こった。ドイツの格安航空会社『ジャーマンウィングス』の旅客機9525便(エアバスA320)が、スペインのバルセロナから、ドイツ西部のデュッセルドルフに向かっていた24日午前(日本時間午後)、フランス南東部のアルプス山中に墜落した衝撃的なニュースは世界中を驚かせ、深い悲しみに陥れた。乗客乗員150人(うち邦人2人)の安否はなお確認中だが、墜落現場の惨状から、全員が絶望的と見られている(日本時間27日現在)。日本のテレビの報道合戦は事故直後の24日夜から始まり、原因も何も分からないのに25日以降はほぼ一日中、各局で続けられた。

◇せっかく招いたゲストなのに…

 いつものことだし、報道機関としては当然のことだから、別にとやかく言うつもりはないが、問題はニュースそのものではなく、元パイロットの航空評論家などをスタジオに呼んで詳しく説明を求めるニュースショー番組の皆さんに一言申し上げたい。「少しでも早く、少しでも詳しく真相に近づけたいとのお気持ちはわかるが、評論家や外部のジャーナリストに真相に近い答えを期待するのはおやめなさい」と。

 まず言えることは、元パイロットとは言え、飛行機のことはすべて分かるなんてことはあり得ないし、下手に本当のことを言って一般の人に「やはり飛行機はこわい」と思わせては、業界からボイコットされる。それどころか、LCCの乗客数がそのコメントが原因で減ってきとしたら、業界から営業妨害で訴えられかねない。その要求金額はいくらになるか、見当もつかない。そんなバカなこと誰がしゃべるもんか。

 と言うのに、各局のキャスター氏達はそれぞれ自分の知識と推理を誇示するように、わざわざスタジオに招いた評論家や専門家ゲストを差し置いて、質問なのか、自説の開陳なのか分からないくらい長々としゃべる。そのあと「〇〇さんね、この点をどう思われますか?」と、あくびが出かかったころにMCが振ってくるものだから、振られた評論家はとりあえず「おっしゃる通りです」と相槌を打って、MCの話の追認をするだけ。それでも足りずにパネルの張り紙をめくりながら、分かりやすく説明をしてくれている局アナの話にまで割り込んでくる。せっかく招いたゲストや、パネルで話の整理をしてくれる局アナとの役割分担を、もう少しハッキリさせるためにも、MCサマ達よ、もう少ししゃべりと勝手な推理を控えたらどうですか。

◇誰も話題にしなかった重大なこと

 各局とも推理が行き詰まるとそこで堂々めぐりの繰り返し。ジジィはこう思います。「事故はなぜ起きたか」を技術やメカニックで解明するのは、事故調査委員会の発表を待っても遅くはない…と。その前にテレビがすべきことはLCCの経営状態の悪さから来るパイロットの待遇への不満はないのか、そしてパイロットの不足から彼らの身元調査が不十分になってはいないのか。「今回の墜落は事故であり、テロではない」とされているが、操縦席に残ったパイロットの〝単独犯行〟とは考えられないのか(案の定そうだった)など、堂々めぐりを避ける話題の進め方はまだあるはずだ。それに、〝5チャンのHさん〟も〝4チャンのMさん〟も、そして話術巧みな〝6チャンのM君〟も誰も話題にしなかった重大なことがあります。「ドイツ、スペイン、フランスの首脳が3人も事故現場にお出ましになったことは、少しも気になりませんでしたか?」前代未聞のこんな重大な状況を見逃して、専門家にも分からないことに浅はかな推理を振り回すなんて10年以上早いぞっ!


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