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「テレビ妖語」~アラ探しの楽しみ

2015年3月5日(木)12時09分更新

 かつて某紙で鬼デスクとしてその名を轟かせ、胃腸病院に送り込んだ部下は星の数ほど…は言い過ぎでも、とにかく厳しかった。今と違って30年ほど前、当時の手書き原稿は赤字で真っ赤っか。字が汚いだけでビリビリにされた原稿用紙は、哀れ丸めてゴミ箱にポイっなんてことも。そんな本サイトご隠居顧問だからこそ、テレビから流れ出る言葉、映像…おかしければ敏感に反応する。「どうなってんだ! 最近のテレビは!」といつもなら噛み付くところだが、今回は、井戸端新聞読者のために、テレビの新たな楽しみ方を伝授する。まるで七変化のごとく、不思議な言葉が繰り出される「テレビ妖語」にこそ、世の中の何の役にも立たない趣味とその醍醐味となる!?

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ご隠居お気に入りのジャパネットたかた高田前社長だが…

ご隠居はジャパネットたかたの高田前社長の大ファンだが…

 人間も80に近くなりますと、それがどんな下らない人生だったとしても、何気なく振り返って見たくなるものです。と言って、近くにも遠くにもそんな繰り言に耳を傾けてくれるような善良なヒマ人はいませんから、自分の家族を相手にしゃべるしかない。家族ったって子供達はとっくに家を離れて暮らしているので、相手と言やぁおよそ半世紀もなんとか我慢して一緒にいてくれている〝奥様〟だけです。

 すでに自分以上に化石化しているようなお方だけど、誰もいないよりはいい。ところがドッコイ、これがなかなかの難物で「また始まった。その話、もう聞き飽きましたよ」と言っているうちはまだいい。しばらくすると、何も言わずにテレビを見ているか、亭主を無視して飯を食うか、トイレやふろに避難するか、用もないのに娘に電話をするか。そしてキツイ一言、「早くご飯を済ませてくれません?!」

◇それでは早速本題へ

 そんな筆者と同じようなご同輩にお勧めする趣味があります。メモのご用意は…いりません。テレビの前で独り静かに座るだけで結構楽しめるのです。いいですか。例えばこんなアラ探しができるんです。

 ① 昔はしゃべりのうまさで物を売るデパートの実演販売というのがありましたが、これとは別の流れで大企業にまで成長したのが『ジャパネットたかた』 です。個人的にはこの会社の販売番組の大ファンだし、創業者の高田明前社長を心から尊敬しています。ところが、つい最近、些細なことに気がついてしまいました。画面には「生放送中」のロゴが出てましたが、商品の『ハンディ・アイロン』でジャケットとスカートのシワを伸ばすシーンでした。2~3日前に一度見ましたが、この日も生放送中と謳っていながらジャケットもスカートも、そのシワが初めて見たときとまったく同じではありませんか。へそ曲がりの筆者は商品のアイロンより、前回と寸分たがわぬシワが作れる道具の方が欲しくなりました。これで奥様に対して有利なアリバイ作りができますよね。

 ② 時々、アナウンサーやリポーターの人たちのアラも発見できます。これは初心者には気がつきにくい上級編に属しますので、無理はなさらないでください。ニュースの時間がアナ場ですよ。これから春になると特に人が一か所に集まることが増えます。それを普通「一堂に会する」といいますね。ところがテレビでは「一堂に集まる」という人が多いんです。アナやリポーターの、いわゆるプロが…。ま、それはまだ意味が通じるから良しとして、問題はアクセントです。何度聞いても「一同」としか聞こえないんですよ。一同と一堂では発音が違うのは関東地方の人なら分かりますよね。

 ③ 最後が吹き替え。外国の老人と言うと必ず男は「ワシはのう」とか「~なんじゃよ」だし、女性だと歳や国籍に関係なく「~なのよね」という外国にはないはずの女言葉でしゃべっているのをご存じですか? 別にこれくらいで損するようなことはありませんけれど、何かほかに良い方法はありませんかねぇ。

(マジシャンのマギー司郎風に)ねっ! あっという間にこれだけ見つかるんだから凄いでしょッ。これ、うちの近所の床屋の旦那に評判なんだけどネ。こんな安上がりで〝全天候型〟の楽しみはないって。これを独り占めするなんてズルイと思うでしょッ。これ、デパートじゃ売ってないから、特別あなたに紹介してみたのよね。だから、あなたも何か見つけたら『井戸端新聞』にこっそり教えてやってよね。


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