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March , 2024
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「IDOBATA目安箱」=日本人男性の大量代理出産は許せる?

2014年8月25日(月)12時41分更新

日本人男性の代理出産を報じる週刊誌(週刊文春と週刊新潮から)

日本人男性の代理出産を報じる週刊誌(週刊文春と週刊新潮から)

 人間が神の領域を犯した時、どんな裁きを受けるのか…何やらカルト教団じみた書き出しだが、最近話題になっている日本人男性の代理出産騒動は、多方面で物議を醸している。すでに自分の精子で16人もの子どもを作ったとされるが、果たしてそれをうらやましいと思うか、はたまた神への冒涜ととらえるか、緊急アンケートを実施した。ただいかんせん、創刊間もない本サイトにはアンケートを募るほど、読者がいない。知名度の無さに悩む前に、記者たちが友人知人かき集め、早速調査を開始した。1週間で集まった〝街の声〟は74人分。不定期でお届けする「IDOBATA目安箱」、本日のお題は「代理出産」。果たしてその結果やいかに。早速いってみよう。

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 8月5日にタイのバンコクで、代理出産で生まれた生後間もない9人の乳幼児(男児6人、女児3人)が保護されて3週間近くが経過しようとしている。タイの国家警察が把握しているだけでも、他に7人、合計16人の代理出産で生まれた子どもがいるとされ、お盆休みの休刊で鳴りを潜めていた週刊各誌も、休刊明けと同時に一気にこの問題を取り上げ、詳細を報じている。

◇愛人囲うよりは経済的?

 代理出産の父とされる日本人男性の実名や経歴、趣味や性格まで、まさに白日の下にさらされた状態だ。詳細は各誌に譲るとして、代理出産が果たしてどうあるべきものなのか。また今後どうあるべきなのか、まず口火を切ったのは、本サイトのT記者(60代)だ。

「24歳で総資産100億円以上? 何を悲しくて代理出産なの。それこそ愛人1号から10号、いや100号は無理でも、30号くらいは可能かな。俺だったら、代理じゃなくて真正面からお願いして子供を作ってもらう。もちろん共同作業で」。さすが団塊世代、いまだご健在といいたいところだが、茶化してはいけない。

 何より、この日本人男性、別にエッチが好きなわけでも、女性が好きというわけではないのだとか。もともと乳幼児が保護された時に一緒にいた日本人女性は性転換を受けた元男性で、この日本人男性の〝彼女〟だという説もある。

 最初はこの彼女との間に子どもがほしくて代理出産を選んだが、今では自分の子どもを1000人作り、自らの王国を築くことが目的という話もある。だからこそ代理出産を選んでいるというのだ。タイでの代理出産費用は1人当たり日本円で約100万円(出産まで至った場合)、養育費に300~400万円かかると言われている。これで目的の子どもが授かれば、愛人相手にかかる労力を考えると、物心両面でメリット大だ。

◇生きた殺人マシンの恐怖

 本サイト記者の不規則発言は置くとして、かなり多かった意見が「代理出産は身体的なハンデなどで、子どもができないご夫婦などのためにあるもので、おカネの力にあかせて、手に入れるものではない」(40代主婦)「今回は人身売買の疑いはないようですが、こんなことがまかり通る世の中になると末恐ろしい」(70代男性)というもの。

 人身売買以上に怖いというのは、会社員の伊藤真一さん(50)。

「人身売買なんてまだいいほう。今、イスラム圏で外国人傭兵が多数雇われテロに加担していると言われていますよね。もし潤沢なオイルマネーで代理出産が行われれば、生まれた時から徹底した洗脳教育が行われるでしょう。今でも自爆テロだって平気でできる連中ですから、まさに生きた殺人マシンの〝大量生産〟だってできてしまう」

 少数ながら賛成意見を探すとこうなる。

「別に代理出産が法的に禁止されているわけではないし、また出産数に制限が設けられているわけでもない。よく法の網をかいくぐる、という言い方もあるが、それもない。この日本人男性は現時点では犯罪者ではない」(会社員の久井有二さん=42)。

◇宅配で赤ちゃんが届く時代が来る?

 日本国内では、日本産科婦人科学会で代理出産を禁止しているが、これまでに16人が代理出産で生まれている。すべて長野県の諏訪マタニティークリニックで行われており、同クリニックは学会から厳重注意処分を受けている。しかし法的拘束力がないため、罪に問われることはない。

「日本国内での倫理上の問題はさておき、諏訪マタニティークリニックの代理出産は、純粋に子宝に恵まれない方たちに限定されている。今回の男性とは一緒にはできない」というのはある医療ジャーナリストA氏だ。

 そうしながらもA氏が危惧するのは「やはり国際的にどうとらえていくか。いくら国連や、国際法規で法的拘束力を持たせても、それは加盟国でしか通用しないこと」。やはり、前出の伊藤さんが不安視するように、紛争地域やテロ組織には「そもそも順法の精神すらない」(A氏)。

 中にはこう不安を漏らす人もいる。

「いまでも唾液を採取して送れば、そのDNA分析で自分の体質を検査できるじゃないですか。それにがんセンターではわずか0.7CCだかの血液で13種類のガンが診断できるというシステムを開発中というじゃないですか。そのうちに自分の精子を専用の冷凍カプセルに入れて送れば、十月十日(とつきとおか)後に保育器に入れられた赤ちゃんが宅配で届くなんてことになるんじゃないですか。お金さえあれば、それこそ今回の男性じゃないですけど、毎日射精して1年間送りづければ、365人の子どもだって、毎日牛乳を飲む感覚で作れてしまう」(20代の男子大学生)。

 代理出産では最近、この日本人男性とは別に、タイで代理出産したオーストラリアの夫婦も問題になった。代理出産で誕生した男女の双子のうち、ダウン症だった男児を引き取らず、女児だけを連れ帰ったという。夫婦は「男児も連れ帰りたかったが、代理母が手放してくれなかった」と反論し、物議を醸した。

◇予想通り、圧倒的大差で「許せない」

 残念ながらいまだ子宝に恵まれず、不妊治療に賭ける30代の主婦はこういう。

「私は夫婦の愛の結晶として生まれてくる子どもであれば、代理出産は否定しません。ただ今回の日本人男性の件は全く理解できませんし、病気だから引き取らないというオーストラリアの夫婦もひどすぎます。子どもをまるでモノのように扱う代理出産は認めてはいけません」

 この主婦は、代理出産を認めつつも「私はもし代理出産ができる立場だったとしても、恐らくしませんね。やはり自分の胎内で我が子を宿したい。そしてすべての愛情を捧げて出産に臨みたい。もしそれで子宝に恵まれなくても、運命として受け入れます」と気丈に語った。

 さて今回の日本人男性の代理出産についてのアンケート結果だが、予想外に7人の賛成意見があった。しかし、この賛成者たちも前出の久井さんの言うように「法的な観点に立てば」の条件付き。「やはり倫理上は許せる問題ではない」とする意見が大半だった。

「許せる」7人に対し、「許せない」67人。諸手を挙げて、「大賛成」という意見も欲しかったが、残念ながら皆無だった。医療をはじめ、あらゆる分野で人類の進歩は目ざましい。代理出産もそうだが、その先にはクローン人間が量産できる時代が来るとも言われている。「いよいよ神の領域を犯し始めた人類にとって、その進歩が暗黒の世の入り口にならないことを祈るばかりだ」(前出・本サイトT記者)。アンタにだけは言われたくない!?


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