スタバ開店で大騒ぎ! 日本って平和?
今、国会では自衛隊員だけでなく、将来的に日本が戦争に巻き込まれる可能性のある重要法案が話し合われている。その一方で、たった1店のコーヒーショップの新規開店を前にして大騒ぎ。日本って平和なの? それとも危険なの?
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47都道府県で唯一、コーヒーショップチェーン「スターバックス」のなかった鳥取県。「砂場(鳥取砂丘=実際鳥取市内に『すなば珈琲』という喫茶店が実在)はあっても〝スタバなし県〟」の汚名? を返上し、明日23日午前7時、遂に県内1号店がオープンすることになり、この日、鳥取市東品治町の同店では同社日本法人の関根純社長や平井伸治知事も出席し、内覧会が行われた。
◇スタバオープンで県知事大はしゃぎ
同知事はスタバの人気メニュー「フラペチーノ」(中身と氷をシェークしたドリンク=何種類かある)に対抗して「スナ(砂)ペチーノをつくってほしい」と要求したり、やはり人気メニューの「キャラメル・マキアート」(カフェラテにバニラシロップとキャラメルソースを加えたドリンク)と砂丘につきものの動物を引き合いに出し「メニューにキャメル(ラクダ)・マキアート」を載せるよう提案するなど大はしゃぎ。さすがの関根社長も「返すセンスがない」と白旗を上げていた。
すでに開店を待つ人が店舗の前に集まり始め、夕方には30人ほどの列を作っているという。早速この話を東京都内で聞いてみると「へえ、そうだったんだ。鳥取がね。まあおめでとうございます」(40代男性)、「よかったですね、私のお勧めはキャラメルフラペチーノかな。グランデサイズでいつも頼んでいます」(30代女性)、「スタバのオープンでこんだけ喜ぶって、鳥取ってどんだけ田舎なの?」(20代男性)など感想は様々。中には「付き合いの関係上、月に1~2度はスタバを利用しますが、ふだんはもっぱらコンビニの100円コーヒーですね。コーヒーは好きですが、スタバは僕らにとってちょっと高い。それに、これは好みや慣れの問題もあるでしょうが、僕には濃すぎて、いまだスタバのコーヒーがおいしいと思ったことがない。すみません。マイナスばかりで…。ただ鳥取の人にはスタバができて、選択肢が増えることはいいことじゃないですか」(20代半ばの若手サラリーマン)という人もいる。
◇野党は全員議員辞職する覚悟で反対しろ
ただ「たかが喫茶店が1軒オープンするだけで、県知事が中東の民族衣装着てノー天気にギャグ飛ばして大はしゃぎ? どれだけ日本って平和なんだ。こんなことで大騒ぎするなら、もっと騒ぐべきことがあるだろう」というのは70代の無職(元某新聞社幹部)の男性Aさんだ。
実はこの日、中谷防衛相が新安保法制の法整備に関連して会見に臨み、懸念される自衛隊員のリスクなどに対する記者団の質問にこう答えた。
「危険な任務遂行リスクを可能な限り、軽減をしてきて派遣をいたしておりますが、これは今後も変わりません。したがって今回の法整備により、隊員のリスクが増大をすると、いうことはないと考えます。(中略)我が国と日米同盟等の抑止力、これは確実に高まると考えておりまして、このようにこの法整備によって得られる効果は、残るリスクよりもはるかに大きいものがございます。抑止力で隊員の安全性というものも高まるわけでございますので、このような判断をしたうえで、今回の平和安全法制の整備を行うべきと考えております」
自衛隊員が戦闘に巻き込まれるリスクが限られるうえ、日米同盟等の遂行で隊員の安全性が高まると強調してみせた。Aさんはこう憤慨する。
「安倍さんもそうだし、中谷さんもそう。机上の空論で、自衛隊員のリスクが増大することがない、日米同盟が抑止力になると言い続けているが、紛争地域にルールなんてものはそもそもない。危険と判断されれば、自衛隊員は現場から撤収させるなどとワケのわからん御託を並べているが、撤収の最中も後方から攻撃受けたり、場合によってはその場で交戦になり、殺し合いが始まることだってあり得る。まあよくもまあ雁首揃えて、自民党の政治家連中は国民に向かってふざけた話ができたもんだ」
Aさんはカンカンなのだ。しまいには「野党だってそう。いくら威勢のいいこと言ってたって、結局、最後は数の力で押し切られるのがオチ。もし、この法案が通るようなら、それこそ野党の存在意義などないも同然。責任取って、民主党も共産党も維新の党以下、野党議員全員が議員辞職する。それくらいの気概と覚悟がないと、この歴史に残る悪法を防ぐ手立てはもはやない」
スタバからいきなり安保法制に話が飛んだが、Aさんはしみじみとこう話した。
「私には行きつけの喫茶店があるんでスタバとやらには行かないけど、別にはしゃぐなとまでは言わないし、そこまで野暮天でもない。ただ平和ボケもここまでくると、世も末という感じがして怖くなる。我々というよりも、これからの世代の人たちがどうなるか。物心ついたころに終戦だった我々にとって、やはりあの経験は二度としたくないし、させたくない。だからこそスタバで騒ぐ以上に、安保法制ではもっともっと関心を持ってほしいし、持てばスタバどころではない次元の大問題であることがきっとわかるはず」
もちろん安保法制には賛否両論あろうが、それでも平和を堅持してきた戦後70年。それをわずか1カ月、2カ月の議論で大きく変えることが許されるのか。政府の拙速すぎる議論に、有識者の多くから疑問が投げかけていることは確かだ。ここはちょっとコーヒーブレークよろしく、スタバのラテでも飲んで、ひと息ついてはいかがだろうか。「僕はアイストールラテで」、「じゃあ私はマンゴー・フラペチーノ、ベンティで」。お後がよろしいようで。
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