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不定期コラム『テレビって奴は』~敬語を乱す一人をテレビで見~つけたっ!

2014年12月19日(金)11時14分更新

 あと1年足らずで傘寿を迎える本サイト特別顧問が物申す! 常々「テレビはわれら年寄りの最大の親友。だからこそのお節介な忠告です」というご隠居顧問が不定期にお届けするコラム『テレビって奴は』。今回は、他の放送局に決して引けを取らなくなって久しいテレ東に「あれ?」と耳を疑う〝放送事故〟が発生した。油断は大敵、忘れたころにやってくる!?

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「振り向けば…」なんて言わせない。最近ではアニメ「妖怪ウォッチ」が大人気のテレ東。でも安心すると、そこには落とし穴が…(写真は東京駅一番街のテレ東関連グッズショップ)

「振り向けば…」なんて言わせない。最近ではアニメ「妖怪ウォッチ」が大人気のテレ東。でも安心していると、そこには落とし穴が…(写真は東京駅一番街のテレ東関連グッズショップ)

 テレビ受像機がブラウン管で電波がアナログ、そしてチャンネルをカチャカチャ回していた時代、失礼ながらいわゆる12ch、テレビ東京にチャンネルを合わせる機会はほとんどなかったかなぁ。別に軽視していたわけではなくて、チャンネルを12に合わせると、日テレ、TBS、フジテレビに戻すのに手間がかかるし、チャンネルが故障すると困るから…くらいの横着でボンビーな理由からだった。

◇他局にないユニーク番組がめじろ押し

 いや、もう一つ、その頃東京近郊の小都市に住んでいたためか、この局だけ映りが悪かったせいもある。屋根の上に立てたアンテナの向きが悪かったのか、テレ東の出力が弱かったためなのか、よくわからなかったけれど、競馬中継以外にこれといって見たい番組があるわけでもなく、とくに不自由は感じなかったっけ。思えば失礼な話だよねぇ。あれから40年!、世の中もテレビも著しい進化を遂げ、同時に自分もすっかり老化を遂げたけど、いまは座ったままでチャンネルは変えられるし、アンテナ不要のケーブル・テレビに加入しているから、画面はどの局も平等にきれいに映るしで、12chを視聴する機会がめっきり増えた。「男子三日会わざれば刮目すべし」ではないが、「テレビ40年見ざれば刮目すべし」で、思わず目をこすったよ。結構他局にないユニークなプログラム(番組)があったんだ。例えば『路線バスの旅』とか、『開運なんでも鑑定団』『ガイアの夜明け』『和風総本家』『Youは何しに日本へ?』などは、お笑いタレント全盛時代に大人でも十分観賞に耐える面白さを持っている。昔、潰れかかった新聞社が、一部の有志の懸命の努力で息を吹き返し、やがて他紙を圧するほどの発行部数を記録したという実話に似ていて、ひそかに拍手を送ったね。

◇丁寧だからいいってもんじゃない

 だから、重箱のスミをつつくようなことは言いたくないが、気がついちゃったからしょうがない。ある番組のあるコーナーのMCが出演者の出品物に対し「いや、本当に〝素晴らしいで〟ございますね」と真顔で のたもうた。確かに日本語としてこれといった間違いはなく、意味も十分伝わっているのだが、昔の人間には何かしっくりこない。本人は〝ございます〟を付ければ丁寧語になると思っているのだろう。でも、やはりどこかおかしい。では、どう言ったらいいのか。我々の世代が聞きなれた言葉としては「素晴らしゅうございますね」なのだが、今の60歳以下の人たちには使いにくいだろう。「あなた、年齢よりずっと〝お若う〟みえますね」なんてわれわれの世代でも使いにくい。そこで、こんな言い方はどうだろう。「いや、私には本当に〝素晴らしく見えます〟ですよ」「あなた、年齢よりずっと〝若く見えます〟ですね」「とても〝美味しく頂きました〟です」など。まぁ、これでも完全ではないけど、某MCの「素晴らしいでございます」よりはスマートな丁寧語になっているのではないか。「そんなくだらないこと…」と言ってないで、放送用の敬語や丁寧語について、ぜひアナウンス室の勉強会などで討論した上で、よりよい日本語を世に広めてもらえないものだろうか。これは何も12chだけの責任ではないけど、せっかく12chに親しみを覚えて戻ってきた絶対多数派のオールドタイマー視聴者を放さないためにも「ぜひ、お気をつけ遊ばして下さいませんか?」(あれぇっ?)。

                          (不定期コラム=次回をお楽しみに)


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