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不定期連載『テレビって奴は』第2回~見てとれます(その2)~

2014年8月31日(日)04時03分更新

 あと○年と●ヵ月で傘寿を迎える本サイトご隠居顧問が物申す! アナウンサーや司会者、言葉のプロたちが日々繰り広げる(繰り返す)誤用の数々、笑って済ませていいはずはない。顧問曰く「テレビはわれら年寄りの最大の親友。だからこそのお節介な忠告です」と。ご隠居顧問の不定期連載『テレビって奴は』の第2回は、予定を変更して前回に引き続き、「見てとれます」の使い方を再検証! ご隠居顧問の危機感は、年相応にヒートアップした。

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ご隠居顧問にとって〝親友〟だからこそ、テレビには厳しい目が向けられる(写真と本文は直接関係ありません)

ご隠居顧問にとって〝親友〟だからこそ、テレビには厳しい目が向けられる(写真と本文は直接関係ありません)

 よく世間では「予定は未定にして決定にあらず」と言うようですが、このコラムも今回「アナの誤用に御用!」の予定でしたが、前回の続きを1回差し挟ましてもらいます。なぜならテレビの持つ巨大な影響力を考えると、もう一度念を押しておかないことには、夜もおちおち眠れなくなるからです。

◇美しいはずの日本語はどうなる

 たとえば、近い将来、優秀なはずの小学生諸君がテレビで見た、聞いたということで、こんな夏休みの作文を書いてきたら、あぁたどうします? いわく「家族で世界遺産の三保の松原に行きました。その日はよく晴れていたので、富士山がとてもきれいに見てとれました」なんてね。

 テレビによる日本語の誤用は、美しいはずの日本語を大きく無定見に変えてゆき、半世紀と経たぬうちに孫の言葉をわれら爺さんが理解できず、その中間の世代の通訳がないと会話ができないテナことになったらどうします? もっとも、そのころまであっしゃぁ生きちゃいませんから、どうでもいい事ですがね。

 今回の広島市を襲った激甚災害のニュース画面を見るたびに、こんな危うい地形になぜ建築を許可してしまったのかと、怒りさえ感じてしまう。おいら素人が見ても、山の斜面に這い上がっていくような住宅街など、昔の棟梁ならたとえ行政が許しても「バカヤロウ! こんな危ねぇとこに、わが子同然のでぇじな家を建てられっかよ。それよりも、あっしの建てた家に住んでくださる人の命や幸せを思ったら、とてもじゃねぇが、てめぇが飢え死にしたって仕事はうけられねぇ」って激怒したかも。(いまどきこんな棟梁はどこを探してもいませんがね)

 リポーター諸君のいう「(災害前の)画面から見てとれる」のは、「うわぁっ、怖い!これじゃぁ大災害に遭っても不思議じゃないよ」以外のなにものでもない。

◇我が親友・テレビ君よ、もっとしっかりしてくれ!

 お役所のお偉いさんにお聞きしたい。自分さえ安全で幸せなら、他人はどんな危険な目に遭っても許可しちゃうのかしら。お偉い政治家さんも法律がみとめているからって災害が起きるまで知らん顔してていいのかねぇ。今回、総理はこの土砂崩れを激甚災害に指定したうえで、これ以上はないという同情顔(決して得意顔とは言いません)をして見せたが、この国から激甚災害が少しでも減るような工事や立法を進めることが先ではないのかなぁ。

「超大型の台風が来た」「今まで経験したことがない豪雨が降った」「阪神・淡路大震災を超える地震に襲われた」など、その都度巨額の税金が消えていく。税金とはマイナスを埋めるために使われるものではなく、マイナスが少しでもなくなるように使われるものにしてほしい。この辺をわが親友・テレビ君がしっかり追及してくれないと、10年後、20年後の日本はどうなってると思う?

 それこそ「災害や事故に対する現在の政治・行政の姿勢から10年後には消費税30%の地獄図絵が見てとれます」てなことになりそうだぜ。

                     (本サイトご隠居顧問=次回をお楽しみに)


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