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April , 2024
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今日見新々(3月10日=火)

2015年3月10日(火)11時58分更新

 日ごと新しいニュースが飛び込んでくる。本サイトが毎日のニュースをコンパクトにまとめた「今日見新々」。今日はどんなことがあったんだろう。早速覗いていよう。

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 【判決確定しても尚疑問が残る馬券の税金】

ハズレ馬券も経費と認めた最高裁

ハズレ馬券も経費と認めた最高裁

 大量に馬券を購入し、その当たり馬券の払戻金を申告せずに約5億7000万円を脱税したとして所得税法違反の罪に問われていた元男性会社員A被告(41)の上告審判決で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)はこの日、検察側の上告を棄却、懲役2月、執行猶予2年、ハズレ馬券も経費と認めた1、2審判決が確定する。

 A被告は当時、大阪市内でサラリーマンをする一方、競馬予想ソフトを駆使して、確実に勝てる〝馬券必勝術〟を確立。100万円を元手に2006年からインターネットで馬券を買い始めた。決して元金を減らすことなく、年収800万円前後のサラリーマンが、多い年には馬券で1億円を超す利益を得ていた。ところが好事魔多し。A被告のもとに大阪国税局の強制捜査が入り、07~09年の3年間に馬券購入で得た所得が約30億1000万円あり、そのうち当たり馬券の購入費1億3000万円を除く28億8000万円の所得を申告しなかったとして、約5億7000万円を脱税した容疑で在宅起訴されてしまったのだ。結局A被告は犯罪者になったうえ、地方税も含め約10億円にも上る追徴課税を受けることになった。

 ところが大阪地裁で開かれた1審では「馬券の払戻金は一時所得、経費は当たり馬券だけを必要経費と認めて控除する」とする検察側の主張に対し、A被告サイドは「(A被告の場合)競馬は趣味というより株式投資などと同様に資産運用に当たり、扱いは雑所得、馬券購入にかかった全額が必要経費と認められるべきで控除の対象となる」として争った。地裁判決はA被告の主張を認め、ハズレ馬券の購入費も必要経費と認めた。検察が主張する1億3000万円の購入金額が約28億7000万円になったことで、A被告が得た所得は約1億4000万円とされ、脱税額も約5200万円と、当初の5億7000万円から10分の1と大きく減額。2審の大阪高裁もこの判決を支持して、検察が上告していた。

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 A被告の一件はこれで落着したが、馬券にかかる税金はおかしな点がいっぱいある。まず当たり馬券には基本的に馬券購入費用を差し引いて、年間で90万円以上の収入があった時点で一時所得として税金がかかると言われる。ただ「競馬で大勝ちしたからといって、税金を支払う人はほとんどいない」というのはある競馬記者だ。さすがに有名人がニュースなどで万馬券を獲得したと報じられた時などには確定申告をしているようだが、「もともと競馬場や場外馬券場で数百万、数千万円といった馬券を当てても、別に住所や氏名を聞かれるわけでも、そこにマルサ(国税局査察部査察官)が張り込んでいるわけでもない。高額の専用払い戻し窓口や、それこそ数千万、億単位になれば別室に案内されて、現金が支払われる。それでもその後、しっかりと申告して税金を払ったなんて聞いたことはない」(同)

 最近は馬券を現金で購入するというより、半数以上はネットや電話で利用する。A被告の場合もネット購入だったが、税金に詳しい専門家のX氏はこういう。「ネットで買ったからと言って、その人がいくら儲かったということは国税(税務署)は把握できない。A氏は派手に株などにも投資したり、いろいろやっていて国税に目を付けられ、JRAの口座も調べられてしまった。ふつうに競馬をしているくらいだったら、いちいち国税に目を付けられたり、個人の口座まで調べられることはない。もちろん申告しなかったことがバレれば罪に問われる可能性は高いが、正直に申告している人はそう多くない。だってそうでしょう。もしネット利用者だけ漏れなく申告漏れを調査されるようなシステムだったら、じゃあ現金で購入する人たちはどうなんだという話になる」

 もちろん競馬場や場外馬券場で高額の払い戻しを受けた人に住所、氏名などを確認したうえ、後日、しっかりと申告させるルール改正、法改正をするという手もあるが、いかんせんそこは競馬。「素性を隠して競馬をしている人たちも多いわけだし、もしそんなルールを作った日にはJRA(他の公営ギャンブルも含む)の収入減につながるし、競馬自体、成り立たなくなる可能性が高い。それにかつてノミ行為が横行したように暴力団が介入する余地を与える」(前出の競馬記者)。

 もともと馬券(JRAの場合)には、購入した時点で25%の税金(テラ銭)がかかっている。それなのに馬券を当てた時にも所得税がかかることで、今までも「二重課税ではないのか」という批判があった。「申告する人しない人がいる限り、当たり馬券も宝くじやtotoと同じように無税にする。不平等をなくす唯一無二の方法はそれしかない」というX氏。法治国家と言いながら、細かなところに目を向けると、意外と正直者はバカをみるようなケースは少なくない。法律の上で不平等をなくすにはどうすべきか。「小さなことからコツコツと」――誰かがいった言葉ではないが、一つ一つクリアしながら取り組んでいかなければいけない問題であるのは確かなようだ。

 【路チュー中川女史復帰も世間は厳しい目】

 先週の週刊新潮で自民党同僚議員の門博文衆院議員(49)との路上不倫キスを報じられ、世間から大ブーイングが沸き起こった農水政務官で衆院議員の中川郁子女史(56)がこの日の農水委員会の出席した。まずは「私の大変軽率な行動で皆さま方に大変ご迷惑をおかけしています。心からおわび申し上げます」と謝罪したが、噂された政務官辞任に関しては「全力で取り組んでいきたい」と否定、政府も「(続投)問題なし」(菅官房長官)と中川女史の続投を後押しした。それでも世間の目は厳しさを増すばかりだ。

 まず騒動が勃発した直後にすぐさま体調不良を理由に緊急入院し、「ドラマや映画では、よく悪徳政治家が問題を起こした時に使う手口。『実際の世界でもあるんだぁ』とビックリしちゃった」(29歳の東京在勤のOL)と世間をあきれさせた。濃厚と言われる路上キスについても、ある経験者はこう語る。「私もその時はどうしても辛抱できずに、当時、不倫していた彼女(当時30代)と中野(東京都)の住宅街で、電柱に寄りかかりながらディープキスしたことがある。ふだんは理性が働くし、多少酔っていても、やはり人目が気になって、絶対に路上でキスなんてできない。ただその時だけは、こいつとなら女房、子どもと別れて…いや死んでもいいという気持ちになってしまってね。もう弾けちゃった。中川さんは路上キスを軽率な行動、なんてとぼけたこと言っていたけど、よほどの覚悟がなければ路上でディープキスなんてできないよ。2人の関係はズブズブなんだと思うね」(50代の会社員)。

 いちいち男女の関係に目くじら立てるようなヤボなことはしたくはない。それでも我々国民からしてみれば、かつて経産相や財務相を歴任し、若くしてその命を絶った夫の中川昭一氏(2009年没、享年56)の姿が頭に浮かぶ。東京・世田谷の私邸で倒れていた中川氏の第一発見者が中川女史であったこともさることながら、「なぜ不倫なんかに走ったのか」(北海道・帯広の有権者)という選挙区からの批判も聞こえてくる。せめて相手が独身だったら…。「いい歳して」くらいの批判は受けたかもしれないが、それこそ「軽率な行動でした」「お恥ずかしい限りです」で済んでいたに違いない。とにかく相手が悪かったというほかはない。

 【兵庫・洲本事件続報…警察の不手際?】

 兵庫・淡路島の洲本市で起きた5人殺害事件で、被害者が警察に何度もSOSを発していたことがこの日わかった。逮捕された無職の平野達彦容疑者(40)と被害者との間に、2~3月にかけてトラブルが起きており、警察の捜査も開始されたばかりだったという。まず2月14日に今回殺害された平野毅さん(82)の家族が「(平野容疑者に)無断で写真を撮られて困っている」と110番通報、その際、駆け付けた洲本署員に、以前から無断で写真を撮られることがあり、口論などのトラブルがあったことを説明した。平野容疑者が絡む同じような相談が相次いだことで、同署でも捜査を始めていた。

 最近では川崎の中学1年生殺害事件の時もそうだが、警察が関与していながら、結局防げなかった凶悪事件がやたらと多い。「去年起きた佐世保の同級生による高1女子惨殺事件もそう。あのときは児童相談所の不手際だったが、適切な対応さえ取れていれば防げた可能性は高い。特に警察の場合、民事不介入だ何だと言って、結局面倒な話には首を突っ込もうとしない。何より、事件にならない限り動かないでは、警察なんていらない」(50代の総合商社勤務の幹部社員)

 警察や児童相談所だけではない。後を絶たないいじめや不登校…教師たちの責任もよく問題になる。「民間企業の多くは、おおむね能力があれば評価される実力主義。ところが警察官や教師などは、検挙数などが評価の対象になることはあっても、基本は減点主義。一度の失敗が、その後の人生を左右することが多々あり、それが結果的に事なかれ主義につながる。もちろんすべての警察官、教師がそうとはいわないが、多少の減点があっても、その後の活躍でいくらでも失敗を帳消しにできる実力主義のシステムにしない限り、一歩踏み込んだ捜査や教育はできない」というのは危機管理の専門家だ。事件事故にタラレバはつきものだが、せめて防げた可能性の高い凶悪事件にだけはご免こうむりたいものだ。


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