今日見新々(3月18日=水)~春闘、今年も中小企業は蚊帳の外②USJが沖縄進出で官邸赤っ恥!?③米ファーストレディー初来日④こども電話相談室半世紀の歴史に幕
日ごと新しいニュースが飛び込んでくる。本サイトが毎日のニュースをコンパクトにまとめた「今日見新々」。今日はどんなことがあったんだろう。早速覗いていよう。
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【結局、今年も中小企業は蚊帳の外】
2015年の春闘、主要企業の集中回答日となったこの日、多くの大企業で過去最高水準のベースアップ回答となり、活況を呈した。まず春闘相場に最も影響力があると言われるトヨタが4000円を回答、当初、昨年(2700円)より1000円アップの3700円前後で決着すると見られていたが、予想を上回る過去最高実績の大盤振る舞い。日産自動車に至っては大手製造業で最高水準の5000円(昨年3500円)、ホンダは21年ぶりに3000円台に乗せる3400円(同2200円)を回答した。また自動車同様、一律6000円のベアを要求していた電機各社も日立、東芝、パナソニックなど大手6社が過去最高水準だった昨年の2000円を上回る3000円回答となり、まさにお祭り騒ぎのような盛り上がりだった。
「実際、トヨタのように今3月期の連結営業利益は前年比で20%近くも増加する2兆3000億円と予想され、過去最高益を更新する。この日の東京市場もNY市場とは逆に続伸し、2万円の大台も見えてきた。早くも来期は営業利益3兆円なんて話も出ている」というのは大手証券関係者。
ただ大手民間調査機関の幹部X氏によれば「これが日本全体に行きわたっているかと言えば、もちろん『ノー』だ。単純に円安ドル高による為替差益で輸出型の企業が好調というだけで、むしろ原材料を輸入に頼っているような企業、とくに中小企業はどこもかしこも青息吐息。中には親会社から賃上げ圧力をかけられている下請け、孫請けもいると聞く。それこそ賃上げした途端に、さらに経営が苦しくなるという可能性もある」という状況なのだ。
実際、150人ほどの従業員を抱える東京都内のある製造会社の経営者はこういう。「このところの株高につられるように、どんどん円安が加速している。いいですか。一昨年の今ごろは1㌦95円前後、昨年が100円前後、そして今年は120円ですよ。輸入原材料は為替だけで昨年より2割値上がりして、さらに消費税ですからね。どうやって賃上げしろというんです。現状維持さえ難しく、というか会社を倒産させないために賃下げだって考えなくちゃいけないんですよ。ふざけるなといいたい」
また100人規模のある東京都内の製造会社に勤務する40代のサラリーマンは、経営者からこんな話があったと振り返る。
「毎年、年初に全社員を前に社長が年頭のあいさつをします。その時、我々にハッキリこう言いました。『世の中、大手を中心に業績が上向いていると聞きます。恐らく春闘時期がきたら景気のいい話が出てくるでしょう』として、こう続けました。『できることなら当社もベアを実現したい。でも皆さんもご承知の通り、原材料を輸入に頼るわが社は今が正念場。利益が出た時には皆さんに必ず還元しますが、いかんせん利益が出ません。今年もベアがないということだけは、この場で恥を忍んで申し上げさせていただきます』と。そりゃ給料は上がってほしいけど、それで会社が潰れれば元も子もありませんからね。労組って言っても御用組合ですから、納得して聞くしかありませんでした」
政府も経団連も、また大手企業の労働組合(連合)も相次ぐ高額ベア回答に大はしゃぎ。一時金(夏冬の賞与)の回答も、大手はほぼ満額回答(参考までにトヨタは満額の6.8カ月、日立は5.72カ月=要求は5.9カ月)となっている。「最近は、安倍さんも恥ずかしいのか、かつてほどアベノミクスを連呼しなくなってはいるが、別に安倍内閣の経済政策が奏功して経済が好転しているわけではない。外資の買い支えがあって、今の株式市場が好調なだけであって、日本経済が回復しているわけでも、景気がいいわけでもない。私は今の状況、とくにNY市場などを尻目に独歩高を続ける株高は〝アベノミクスバブル〟と呼んでいる。外資がひとたび市場から撤退すると、リーマンショック以上の打撃を受ける可能性もある。ベアアップくらいで浮かれていると、後からとんでもないしっぺ返しがくる」(X氏)。
政府、経団連の狙いはベアで消費行動に火をつけることだろうが「いつ何時、どうなっても困らないように、ベア分は蓄えに回しておくべき」(X氏)という。これで果たしていいのだろうか。
【USJが沖縄進出で官邸赤っ恥!?】
このところ沖縄・普天間基地の辺野古移設を巡り、反対の立場を取る同県の翁長知事と安倍政権の間で、いまだ埋められない溝ができている。子どものイジメのように、安倍内閣が翁長知事を徹底的に排除し続けていることは、いまだ重要閣僚クラスとの会談の機会さえ与えられないことを見てもよくわかる。それにカジノ合法化の際には有力候補地とされてきた同県を官邸筋の反対で、外されたという話も一部に取りざたされていた。
ところがこの日、ハリウッド映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)の運営会社ユー・エス・ジェイ(大阪市)のグレン・ガンペル社長が、映画とは別の新たなテーマパークを沖縄につくる計画を明らかにして、状況はにわかに変わってきた。時期や場所など、具体的な話はこれからというが、「沖縄という土地、場所に合ったものをつくりたい」(ガンペル社長)という。「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリーポッター」や「進撃の巨人」、「エヴァンゲリオン」など各種アトラクションが絶好調で、入場者数、売り上げともに記録更新を続ける同社。沖縄進出はどういう意図があるのだろうか。
エンターテインメント業界に詳しい21世紀エンターテインメントを考える会代表の井狩友亨氏によれば「恐らくカジノ合法化を見据えた動きだろうと考えてもいいのではないか。今後、どのような具体案が出てくるか楽しみだが、やはり日本が観光立国を目指していく上で、沖縄はモデルケースとしては最適の地」という。基地問題で面目を潰されたからといって、沖縄いじめに走った安倍内閣と違い、「やはりそこは営利を伴った民間企業。しっかりとその価値を見極めて行動しているということだろう」(井狩氏)。
そう言えば、昨年11月の沖縄県知事選の時、当時現職で自民党候補だった仲井眞知事の応援の際、官邸(菅官房長官)が仲井眞知事再選を条件に、沖縄の有権者たちにUSJ系列の娯楽施設の誘致支援を約束していた。「結局、それも官邸マターの話ではなく、最初からUSJの沖縄進出は、政府と関係ないところで進んでいたんだろう。それに官邸がただ乗っかっていただけというのであれば、安倍さんも菅さんも大恥かいたようなもの」(井狩氏)。果たして真相やいかに…。
【米ファーストレディー初来日】
米国第44代バラク・オバマ大統領(53)のミシェル夫人(51)がこの日、午後、特別機で羽田空港に到着した。これまで2度来日したオバマ大統領には同行出ず、ファーストレディーとして初来日となる。今回の来日の目的は、始まったばかりの米政府による女子教育のキャンペーンを目的とする。19日午前にはミシェル夫人同様、ミャンマーの教育支援などに熱心な安倍首相(60)の昭恵夫人(52)と日米共催の教育イベントに参加し、都内の女子学生の前で途上国の女性教育の重要性などをテーマに講演する。午後には天皇皇后両陛下のお茶会に出席し、安倍首相とも会う予定だ。20日は京都を訪れ、清水寺や伏見稲荷大社を見学する。その後、日本での日程を終えカンボジアに移動する。
【こども電話相談室が半世紀の歴史に幕】
中高年には「ダイヤルダイヤルダイヤルダイヤルまわして、パカスカパカスカパカスカパカスカかけちゃお、モシモシ、ど(う)したど(う)した~」で始まる天地聡子(74)が歌うテーマソングが今も耳にこびりついている人も多いだろう。1964年7月に放送開始してすでに半世紀超、TBSラジオの名物コーナー「全国こども電話相談室」(2008年10月にリニューアルして番組名は「全国こども電話相談室・リアル!」に変更=毎週日曜9時~同55分)が29日の放送を最後に終了することが、この日の同局の定例記者会見で明らかになった。いまや相談者の小中学生の多くは携帯やスマホを持ち、通信形態も様変わり。時代の変化を考慮して、一旦、幕を引くことを決めた。様々なジャンルから多くの回答者がいたが、中高年には永六輔さん(81)や僧侶で教育者の無着成恭さん(87)が特に印象深いのでは。
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