今日見新々(5月9日=土)~①中小企業シャープにガンバレの声②俳優の滝田裕介さん死去
日ごと新しいニュースが飛び込んでくる。本サイトが毎日のニュースから厳選ネタをピックアッツしてお届けする「今日見新々」。今日はどんなことがあったんだろう。早速覗いてみよう。
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【中小企業に規模縮小も、頑張れシャープの声】
なりふり構ってはいられない。電機大手メーカーの一角であるシャープがこの日、現在の資本金1218億円から99%にも及ぶ減資を決め、1億円にする方針であることが明らかになった。6月に開催される株主総会の承認が得られ次第、資本金規模から大企業が一気に中小企業規模にダウンサイジングされることになる。
経営危機とはいえ破たん前の大企業がこれほどの原資をするのは異例だが、同社は2012年3月期、13年3月期で合計9000億円以上の最終赤字を計上しており、15年3月期の連結決算でも2000億円を超す最終赤字に転落する見通しで、減資の剰余金を赤字解消に当てる予定だ。すでに主力のみずほ、三菱東京UFJ両行からも2000億円規模の資本支援を受けることで合意しており、減資についても了承済み。経営再建は本格化すると見られている。
◇わが世の春からどん底へ
同社は1912年の創業以来、53年に国産初のテレビ(白黒=14?)を発売し、量産型電子レンジや日本語ワープロの発売も業界初だった。業界のけん引役として電機大手の一角を担い、松下電器や日立などの重厚なイメージの企業とは一線を画し、常に斬新な商品開発で消費者のニーズにこたえてきた。21世紀に入り、テレビがブラウン管から液晶に代わってからは、三重・亀山の同社の主力工場を舞台に〝世界の亀山〟ブランドの液晶テレビが世の中を席巻した。ところが好事魔多し。08年のリーマンショックを足掛かりに、世界が景気後退に向かう中、それまでわが世の春を謳歌していた同社を直撃、先行投資を回収できぬまま、一気に経営危機が訪れた。
国内、海外を含め業務提携先や支援先、また大規模リストラも並行しながら行い、経営再建を図ってはきたが、経営破たんとは常に背中合わせの綱渡り経営が続いてきた。今年の春闘も日立やパナソニック、東芝など電機大手6社が揃って3000円の高額回答を得たが、「すでにシャープ労組は6年連続でベアを見送っていた。まさに1社だけが蚊帳の外で、賃金改善要求において、すでに大手の一角から脱落していた」というのは民間信用情報機関の幹部氏だ。
「私は電卓に始まり、液晶テレビもそうですが、初めて買ったパソコンもシャープ(メビウス=生産中止)でした。今でもシャープの製品は大好きで、スマホもシャープです」と話すのは東京都在勤の50代の会社員Aさんだ。
Aさんはしみじみとこう話す。「私が大学入学で地方から東京に出てきたのが今から35年ほど前。市ヶ谷にあるシャープのショールームではよく無料のイベントがあって、私のような田舎者には大きな刺激になりました。当時は第一次漫才ブームの真っただ中で、今でも覚えているのはゴムパッチン芸で人気だった〝ゆーとぴあ〟という漫才コンビが登場した日がありましてね。何分田舎もんだから、『タダでこんなの見せてくれるなんてシャープって凄い会社だなあ、景気がいいんだな』って驚いたもんですよ。それ以来、シャープのファンになってしまいました」
客寄せが功を奏したわけでもなかろうが、「シャープの製品は今も昔も決して悪くはない」…そう信じて疑わないシャープファンは決して少なくない。まずは原点に立ち返り、「改めてユーザーが喜ぶ商品を開発してほしい。頑張れシャープ!」そんな声が各所から聞こえてきそうだ。
【俳優の滝田裕介さん死去】
舞台を中心に時代劇などテレビでも活躍してきた俳優の滝田裕介さんが3日にがんのため、死去していたことがこの日わかった。享年84。葬儀、告別式はすでに近親者のみで執り行われた。
滝田さんは1953年、俳優座養成所に入団、58年から放送された警視庁詰めの新聞記者の活躍を描いたNHKのヒットドラマ「事件記者」にレギュラー出演し、東京日報の伊那ちゃん役で人気者になった。その後は「ザ・ガードマン」など現代ドラマはもちろん、時代劇ではニヒルな悪役をよく演じ「水戸黄門」シリーズや「暴れん坊将軍」シリーズでは存在感を示していた。「武田信玄」、「春日局」などNHK大河にも7作出演し、テレビ、映画、舞台と活躍し、ハリウッドのパニック映画「ジョーズ」シリーズの主演俳優ロイ・シャイダーや米テレビドラマ「ベン・ケーシー」の主演俳優ヴィンセント・エドワーズなどの吹き替えでも知られていた。合掌。