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March , 2024
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元秘書ら在宅起訴に小渕前経産相は能面ノーコメント(今日見新々4月28日=火Part1)

2015年4月28日(火)11時45分更新

 もはや怒りを通り越して、情けなくなる話ではあるまいか。政治資金規正法違反に関連し、ほぼ半年にわたり疑惑の渦中にあった前経済産業相の小渕優子氏(41)。東京地検特捜部はこの日、彼女の元秘書で政治資金団体の事実上の責任者だった折田謙一郎(群馬・中之条町の前町長)と彼女が代表を務める資金管理団体「未来産業研究会」の会計責任者だった加辺守喜(62)の両被告を同法違反(虚偽記載)罪で在宅起訴した。ただ同法違反で告発されていた小渕氏に関しては、嫌疑不十分で不起訴とした。

◇記者団の質問に無表情で徹底無視

昨年の組閣時には女性初の総理の期待もあった小渕氏(前列写真㊧から2人目)だったが…

昨年の組閣時には女性初の総理大臣の期待もあった小渕氏(前列写真㊧から2人目)だったが…

 疑惑の発端は昨年、第2次安倍改造内閣が発足し経産相として就任したばかりの小渕氏が、後援者向けに開催された東京・明治座での観劇会で支出が収入を上回ったり、政治資金で身内の店から後援者に贈り物をしたり、はたまたワインセットを贈ったり、政治資金規正法違反疑惑が続出したことに始まる。結局、これが引き金になって就任わずか1カ月ちょっとで、経産相辞任に追い込まれたことは記憶に新しい。それ以降、小渕氏は「捜査には全面的に協力する」と国民に約束してきた。

 ところがその後、地検特捜部が捜査に着手すると、すでにパソコンのデータを保存するハードディスクがドリルを使って徹底的に破壊され、会計書類などの重要書類が消されていたことが発覚。証拠隠滅ともとらえられる悪質性を考えれば、仮に彼女が指示していなかったとしても、最高責任者であるはずの小渕氏の責任は決して軽くないと見られていた。ある政界関係者はこう話す。

「特捜部は当然、本丸(小渕氏)まで視野に置いて捜査していたと思う。ただいかんせん、重要証拠が破壊されてしまっては、捜査も中途半端にならざるを得ない。世間では『何だよ、大山鳴動してネズミ2匹かよ』と思うかもしれないが、証拠が少ない中、特捜部の面目が保たれたと思ってもいいと思う。あとは道義的責任を小渕氏がどう受け止めるかだろう」

 その小渕氏は、2人の関係者の在宅起訴後、「政治的、道義的責任を痛感しております」とのコメントを出しただけでダンマリを決め込んでいる。記者団の質問にはまさに徹底的に無視し、公の場で説明責任さえ果たさずにこの日をやり過ごした。当然、野党は「政治的、道義的責任は免れない。しっかりと説明していただきたい」(民主党の枝野幹事長)と責任を追及する構えを見せれば、身内の自民党からも「(疑惑を持たれた以上)きちんと説明責任を果たすことに尽きる」(稲田政調会長)などの厳しい声が上がっている。

◇金太郎飴のような政治家たち

 これが庶民レベルだとさらに辛らつ。「テレビのニュースで見ましたが、記者たちに囲まれた彼女が秘書たちの起訴を聞かれても一切無視。どう見ても逃げている。あんな態度を見せられると、腹立たしくなるだけ。うつむき加減ならまだかわいいが、堂々と胸を張って歩くさまを見ていると、『アンタたち、何騒いでんのよ。私、何か悪いことした?』とでも言いたげ。ああいうのを厚かましい態度とでも言うんだろうか」(50代の東京在勤の男性会社員)。

 女性はもっと手厳しい。横浜市在住の40代の主婦は、あくまで主観だと前置きしてこう話す。「能面づらっていうんでしょうか。小渕さんって、無表情になると、途端に冷徹な表情になるんです。本当に明るい方、優しい方というのはいくら無表情を装っても、目が優しく感じられるものです。小渕さんには残念ながらそれが感じられない」

 この手の問題が持ち上がるたびに「悪いのはすべて秘書のせい」で、自分は「知らぬ存ぜぬ」を押し通すのが政治家のつね。証拠がなければ、まさに「死人に口なし」と同様、罪に問われることはない。ただ前記の通り、与野党からも「説明責任」を求められながら、その責任を果たせていないでいる今、政治家としての小渕氏は「逃げている」「何かやましいことでもあるのではないか」と疑われても仕方がない。自らも「政治的、道義的責任を痛感」と口にしているなら、最低限、議員バッジを外す覚悟ぐらいは持たれてはどうか。

「もしも『私は女性初の総理候補だから、ここで自らの政治生命に汚点を残したくない』とでも考えているのなら、思い上がりもいいところ。これまでも、将来の総理総裁候補などともてはやされながら、消えていった政治家は少なくない」と言って、ある政界関係者はこう続ける。

「申し訳ないが、政界を見渡して、今この政治家がいなくなったら日本が大きな損失を被る、そんな政治家は誰一人としていない。誰かがいなくなれば、代わりは山ほどいる。それもレベルの低い金太郎飴のような政治家がね。幕末・明治期までと贅沢は言わないが、せめて昭和期の角さん(田中角栄元首相)ぐらいの国士がいれば、日本も随分違っていただろうとつくづく感じる。彼女(小渕氏)が総理総裁候補なんて話が出た時点で、この国の政治は終わっている」(ある政界関係者)

 逆説的になるが、「政治家が誰でもいいというなら、このまま疑惑を持たれたままの小渕さんが議員を続けても、何ら問題ないのでは」そんな声も聞こえてきそう。果たして今回の「小渕騒動」、皆さんはどうとらえるか、後は読者の皆さん、おのおの暇がある時にでも、小渕氏はどう責任を取るべきか…ぜひ考えてみてはいかがだろうか。


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