名優・宇津井健さん逝く
俳優の宇津井健(うつい・けん)さんが14日、午後6時5分、慢性呼吸不全のため、名古屋市内の病院で死去した。82歳だった。
宇津井さんは1952年、早大在学中に俳優座養成所に入所、翌53年に初出演した映画「青春の泉」でいきなり主役に抜擢された。その後も人気映画シリーズ「スーパージャイアンツ」などで主役を務め、明るく健康的な配役で人気を博した。
60年代に入るとテレビに進出。特に日本初の警備会社である日本警備保障(現セコム)をモデルにした連続ドラマ「ザ・ガードマン」の主役、東京パトロールの高倉キャップ役を好演、70年代に入ると「赤いシリーズ」で山口(現三浦)百恵さんと共演、頼れる理想の父親像などを演じ人気を不動のものにした。80年には、それが縁で三浦友和、百恵さんの結婚式で仲人も務めた。
2006年4月にはTBSの人気ドラマシリーズ「渡る世間は鬼ばかり」の第8シリーズで、藤岡琢也さんの入院降板(その後、同年10月死去、享年76)により、岡倉家の父親・大吉役を代わりに演じた。
半世紀を超す芸能生活で、仕事に遅刻することも休むことも一度もなく、生真面目な性格を忍ばせるエピソードを残している。故人を偲ぶ弔辞が多く寄せられているが、俳優座養成所同期の仲代達矢は「60年間の付き合いだった。非常に残念」と肩を落とした。葬儀・告別式は近親者で行い、後日「お別れの会」を開く予定だ。
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