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March , 2024
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入院後、亡くなるまで藤岡さんに面会できなかった理由が明らかになった!

2014年8月9日(土)03時31分更新

 俳優・藤岡琢也さん(享年76)の死には、隠された愛の物語があった! 8日、放送されたTBS系のトークバラエティー「爆報!THEフライデー」で、あの渡鬼ファミリーさえ知らなかった真実が明らかになった。「夫婦とはこうあるべき」――藤岡夫妻はそう世に示し、旅立っていたのだった。

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ドラマの理想の父親像は実生活でも理想通りだった。写真右が藤岡さん、左で土下座しているのが香川照之(TBSテレビから)

ドラマの理想の父親像は実生活でも理想通りだった。写真右が藤岡さん、左で土下座しているのが香川照之(TBSテレビから)

 人気ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系)で長年、岡倉大吉役を演じてきた藤岡さん。1990年の番組開始から7作に出演し、理想の父親像を演じてきた。

 突然の出来事だった。藤岡さんは2006年2月に肺炎のため入院し大吉役を降板、その後、8カ月の闘病生活を経て亡くなった。通称渡鬼シリーズは今年3月に亡くなった宇津井健さん(享年82)が大吉役を引き継ぎ、全10作まで続いたのは記憶に新しい。

◇命を懸けた妻の看病

 藤岡さんには子どもがいなかった。それでこの番組で娘役だった長山藍子、泉ピン子、中田喜子、野村真美、藤田朋子の5人を、まるで本当の娘のように可愛がっていたという。

 ところが入院後は友人知人、スタッフをはじめ、家族同然の付き合いだったはずの渡鬼共演者たちも一度も藤岡さんを見舞っていない。藤岡さんが、自ら断っていたというのだ。

 面会が許されたのは親族だけで、藤岡さんが30歳の時に結婚した妻千鶴子さんが付きっ切りで看病していた。藤岡さんの妹の友人だったという千鶴子さんは、常に藤岡さんから一歩下がって支える古風な女性。出しゃばることなく、藤岡さんを裏から支えていた。

 藤岡さんが入院したと同時期に、千鶴子さん自身、末期の大腸がんに侵されていることが判明、医師は一刻も早い治療を勧めた。ところが千鶴子さんはこれを拒否。その理由が、抗がん剤治療や放射線治療をすると、その副作用などで藤岡さんの看病ができなくなるというものだった。

 医者は説得を試みるも、「私は大丈夫です。夫を看病させてください」と繰り返すばかり。

 藤岡さんは痛みに耐えながら看病する妻に、これ以上見舞い客に気を使わせるなどして負担を掛けてはいけないと、面会謝絶にしたというのだ。妻を慮っての措置だった。

◇夫婦で闘い、そして天に召された

 片や入院、片や看病と立場は違うが、お互い苦しい闘病生活の中で、心から楽しみにしていたことがある。5月に開かれるジャズトランぺッター・ウォーレン・バシェの来日コンサートにいくことだった。藤岡さんは、もともとトランぺッターを目指したこともあるジャズファンで、その影響で千鶴子さんもジャズが大好きになった。中でも2人にとってバシェの「DREAM」という曲が一番のお気に入りだったという。

 そんな心の支えを病魔が打ち砕いた。藤岡さんの体調は日ごと悪化の一途をたどり、遂には糖尿病の併発で肺炎と慢性腎不全を起こし、自発呼吸ができなくなりノドを切開。人工呼吸器が装着され、言葉を失った。コンサートどころの話ではなくなってしまった。

 ところがその後、奇跡が起こった。親族以外で唯一、藤岡さんに面会が許されていたジャズピアニストの岸ミツアキさんが、来日中のバシェのホテルまで押しかけ、藤岡さんに会ってほしいと直談判。快く病室まで来てくれたバシェは、藤岡夫妻のためだけに「DREAM」を生演奏してくれたというのだ。

 もともと岸さんのファンだったという藤岡さん。岸さんにファンレターを送ったことから、家族同然の付き合いが始まった。その岸さんが、バシェの演奏を一緒に聴きながら、笑みをこぼしていた藤岡夫妻の姿が印象的だったと振り返る。

 藤岡さんはその26時間後、意識を失い、こん睡状態に陥ってしまう。それから息を引き取るまでの5カ月間、一度も目を覚ますことはなかった。

 葬儀告別式では痛み止めを打って喪主を務めた千鶴子さん。その8か月後の2007年6月、藤岡さんの後を追うように74歳の生涯を終え、永遠の眠りについた。

 渡鬼で藤岡さんの長女・長子役を演じ、この日、スタジオ出演していた女優の長山藍子は絶句。面会できなかった理由を初めて知り「全く知らなかった」と言って号泣した。

 ドラマでは理想の父親像を演じ、この世を去った藤岡さん。実生活でも理想の妻に支えられ、そして理想の夫婦として一生を添い遂げられた2人。きっと今、夢のように心安らぐ世界で寄り添い、

ジャズの音色に囲まれながら暮らしているに違いない。改めてご夫婦のご冥福を祈りたい。合掌。


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