新連載『クレーマー天狗』~メダルよりメンタル~
アラカン(嵐勘寿郎のことではなくアラウンド還暦)ならぬアラサン(アラウンド傘寿)世代の本サイトご隠居顧問があらゆる話題に斬り込む新連載『クレーマー天狗』。第1回の今回は、連日熱戦が繰り広げられる「第17回アジア競技大会=韓国仁川」を見ていて、ご隠居はふと考えた。韓国は決して大国とはいえない国なのに、どうして金メダルを量産するのだろう。そこには「メダルよりメンタル」な事情があるようで…それでは杉作、ならぬ読者の皆さん、よろしいか。早速、いってみよう。
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世界一のスポーツ大国はアメリカか、中国か。それともロシアなのか。普通、2年前のロンドン五輪で各国が獲得したメダルの数から、金メダル46個をかっさらって行ったアメリカを挙げるだろう。ついで38個の中国、そして開催国のイギリスが29個、ロシアが24個と続くのだが、ここで誰もが「おやっ」と首をかしげたくなるのが5位・韓国の13個。アジアの一小国・韓国(失礼!)が世界で5番目のスポーツ大国だったとは、すぐ隣に住んでいる1億2700万人の日本人はだれも知らなかったのではないか。当然、仁川アジア大会も開催国だけに目を見張る活躍ぶりだ(10月1日時点での金メダル数=中国131個、韓国62個、日本39個)。
◇モチベーション格差がメダルに影響
話はこれからだ。各国の金メダル1個の重さを比べるには、その国の人口を金メダルの数で割ればいい。すると驚くなかれ、個数で圧倒したアメリカが674万人に1個、中国の3552万人に1個に比べると、何と韓国は369万人に1個となり、アメリカの約2倍、中国の10倍近い〝軽さ〟なのだ。ちなみに日本(金7個で11位)は1814万人に1個で、韓国の3倍に近い〝重さ〟ではないか。
いや、久しぶりの計算で頭が痛くなったので、数字はおくとして一体これは何を意味するのか。そう言えば、これまでにも韓国はあらゆる面で「韓国起源説」を展開して来た。この風潮を揶揄して〝ウリジナル〟という人もいる。韓国語で「われわれの」という意味の「ウリ」と「オリジナル」を掛け合わせた造語だ。
「韓国は世界に冠たる民族であり、文化、文明のほとんどがウリナラ(わが国)から始まっている」とでも言いたいらしい。かつて20年以上前にかの国では学者の肩書を持つような責任ある人物が「日本が誇る最古の歌集『万葉集』は実は韓国のもので、万葉仮名はそのまま韓国の古語にぴったり合っている」と言い出したことがあった。これは日本の学者やマスコミなどに論破されてすぐに鳴りを潜めたが、そのほかにも歌舞伎、剣道、茶道、寿司から和牛、日本酒まで次々にウリジナルのやり玉に挙げ、果ては「漢字も羅針盤も韓国が発祥」とやらかして、中国を怒らせている。
このように彼の国では世界の舞台に躍り出ることに懸命なのだ。その情熱がいまスポーツ全般に注がれているといえば分かりやすい。「金メダリストには生涯年金100万ウォン(約10万円)即時支給」のほか、男子ならどんな手を使っても回避したい〝兵役〟を免除したり…などなど、国家的な「国威発揚戦略」が見てとれるではないか。韓国の選手たちが個人戦でも団体戦でも、信じられない死力を発揮して勝ちに来るのはここにある。
日本の「金1個に300万円のボーナス」とは比べ物にならない重さであり、金メダルへのモチベーションは10倍以上の差があると言っていいだろう。特に兵役免除は有事の際は命にかかわる問題からの解放であり、少なくとも人生で最も重要な時期の2年間を自分のために暮らせるのだからこれはデカイ。国家戦略スポーツ編、そこで次は、バドミントンにまつわる『怪談』を…。
(本サイトご隠居顧問=当コラムは毎週月曜、木曜の週2回掲載=都合により休載の場合もありますのでご了承ください)
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