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朝日新聞の底が知れた!?

2014年3月28日(金)12時09分更新

 

朝日新聞が出したおわび

朝日新聞が出したおわび

「朝日新聞よ、お前もか」――これが多くの良識派と呼ばれる読者の心境ではなかろうか。良識派? 何が良識で、そうでないかはさておき、今回、今井舞なるライターが執筆する同紙インターネットサイト朝日新聞デジタルの「ウソうだん室」なるコラムで、平身低頭のお詫び記事を掲載した。

◇高級紙!?が掲載した低俗コラム 

 すでにネット上はもとより、一部新聞紙上でも話題になっているが、同紙はSTAP細胞捏造疑惑で今や時の人となった理化学研究所の小保方晴子さんを徹底的に茶化したのだ。当該コラムは今井氏が架空の話を作り上げ、今話題の人や時の人がさも本人が相談し、それに答えるという形式を取っている。2月21日にゴーストライター問題で渦中にあった作曲家の佐村河内守氏を皮切りに、隔週金曜日に掲載、小保方さんは前回のハリウッド俳優レオナルド・ディカプリオに次ぐ第3回として登場した。

 登場人物は実在するが、当人には一切、取材することも同意も得ずして今井氏が紡ぎ出した作り話。要するに相談内容から回答まで、すべて今井氏の創作だ。佐村河内氏の場合は「お詫び会見を開きたいが、代理人も、仕切って頂く方が誰もいない。出版プロデューサーの高須基仁氏からぜひ仕切らせてほしいと話もあったが『ウチから本を出すのが条件』というので断った。どうすればいいか」という相談に対し、「もう一人別の『高須』という有名な病院長に頼ればほとんどのことを金で解決してくれる」とか「手話通訳は南アフリカのマンデラ氏追悼式で手話通訳をした方に頼めばすべて丸く収まる」と回答。次回登場のレオ様の「どうすればオスカーが獲れるか」という質問には「体重を減らしてお腹を引っ込めること」。とにかく話題の人物を、面白おかしくこき下ろすのが目的のコラムのようなのだ。

◇反響の大きさに謝罪

「ディカプリオ編は許せるが」と前置きして語るのは人権問題にも詳しいジャーナリストだ。 「コラムが面白いか否かはさておき、いくら佐村河内さんや小保方さんが問題を起こした人物だったとしても、罪人でもない人をここまでこき下ろすとなると、ペン…いやキーボードの暴力でしかない」

 今回3月24日に掲載された小保方さん編は特にひどかった。「ご存じの通り、今私は八方塞がりの状態です。生き地獄です」という書き出しで始まる相談事は、自らこの苦境から脱出するために30歳以上を対象とした「大人AKB48」に応募して、開き直る。デビュー曲は「人生切り貼りしちゃえるNO!」、そのあとは新垣さん(佐村河内氏のゴースト作曲家=編集部注)に曲を作ってもらえれば話題性も十分としたうえで、他に生き方を教えてほしいというものだった。

 この相談に対する答えは「『イチかバチかのバチ当たり! ラボから出てきたホラ話! 千葉県出身、小保方晴子で~す!』と堂々とキャッチフレーズを口にし、胸を張るあなたの方が、あなたらしい気がします」とした。 あまりにひどかったのは、文中に「自分を消し去ってしまいたい」などと死をイメージするようなフレーズが出てくること。すぐさま「小保方さんが自殺したら、朝日新聞はどう責任を取るんだ」などとネット等で批判が噴出した。

 さすがに反響の多さに驚いた朝日は該当記事を削除したうえで26日、不適切な内容だったと、小保方さんはじめ関係者に迷惑をかけたと謝罪した。

 今井氏なるコラムニストは週刊文春やアサヒ芸能、サイゾーなどで執筆する女性ライターだ。 「彼女なりのポリシーで他人を面白おかしく批判するスタンスは、表現の自由があるので一概に批判はできない。今回の騒動で、彼女がどう考えるかは、彼女が決めればいいだけの話。批判されるべきはやはり朝日新聞」というのは前出のジャーナリスト。

◇クオリティーペーパーと言われたのも今や昔!?

 朝日には「CM天気図」という人気コラムで知られ、昨年10月に亡くなった故天野祐吉氏、天声人語子としては最高と言われた故深代惇郎氏など、あらゆるジャンルを正当なスタンスで論じる名コラムニストと呼ばれる逸材はたくさんいた。

 大学時代から30年、朝日新聞を自宅で取り続けてきたある大手商社の幹部は「今は日経しか配達してもらっていません。朝日は3年前にやめました。いまは他紙を含め、気になる記事は会社で確認しています」という。朝日をやめた理由を聞くと「スポーツ新聞化」を挙げる。 「別に朝日だけじゃありません。読売、毎日などもそう。美空ひばりクラスならいざ知らず、今やどうでもいい三流タレントの結婚なども載っています。昔の朝日なら今回のような下世話なコラムは絶対に掲載しなかったでしょう」

 部数では世界一を誇る読売新聞の後塵を拝しながら〝質〟では日本一を自認してきた朝日新聞。今回の一件を見る限り、その〝取り柄〟さえ失いつつあるのかもしれない。  


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