激ヤセ橋本議員は八方塞がり!?
名付けて〝無理チュー〟――うまくいけば、いやヘタをすれば今年の流行語大賞にもなろうかという一大騒動の主役・橋本聖子参院議員(49)が1日、騒動後、初めて公の場に姿を現した。改めて世間を騒がせたことは謝罪したものの、世間は一向に納得していない。収まりかけた騒動という火に、また油を注いだように批判が噴出、炎上した。
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この日、自ら会長を務める日本スケート連盟の理事会に出席するため姿を現した橋本氏、右手に杖をつき、心労で12㌔やせたというその姿は痛々しいものだった。
◇責任は不問
橋本氏が男子フィギュアスケートの高橋大輔選手(28)にキスを強要したとしてセクハラ、パワハラ疑惑が報じられて約2週間、概要は8月20日の本サイトを参考にしていただきたいが、この日の理事会で橋本氏の会長職留任が決まった。
橋本氏の話では、会議冒頭、世間を騒がせた責任を取り辞任を表明したが、理事から慰留を受け撤回、会議後の記者会見に臨み「前に進むことで自分自身のやるべき責任を全うする」と心情を訴えた。
折しも3日には第二次安倍政権初となる内閣改造が控えている。しかし、かつては入閣濃厚とまで言われた女性議員の姿はそこにはない。会見の声にもハリはなく、やせた姿は気の毒にさえ感じられる。まさに、このスキャンダルさえなければ、同じ悩むにしても本当に入閣できるか否かだったに違いない。
それがいまやスキャンダルで針のムシロ状態。いまだこのスキャンダルが政争の具に使われたとする説は根強いが「根強いってものではない。私が、というより政界事情に詳しい関係者であるほど、今回の件は橋本さんを追い落とすために仕掛けられたワナと見るのが自然」(某野党議員の秘書氏)という。
気の毒としか言いようはないが、ただ「内閣改造の件とセクハラ、パワハラの是非は別問題。切り離して考えなければいけない」というのは、ある人権団体の関係者だ。
「騒動発覚後、一部、テレビのコメンテーターが『これが男性だったらどうなります。例えば森さん(喜朗元首相)が(浅田)真央ちゃんに同じことしたら…。間違いなく議員辞職まで追い込まれる大問題になりますよ』と言っていましたがまさにその通りです。不思議なのは、新聞やテレビなど大手メディアになればなるほど、実に物わかりいい対応をしていて事を荒立てない。私は少々違和感を覚えました」
いつもは人権にうるさい弁護士たちも、「道義的責任は別にして、セクハラ、パワハラの類いは相手がどうとらえるかです。今回の件は高橋選手が被害を受けていないと発言していますから、それ以上でも以下でもない」などと、杓子定規な対応をしているケースが目立った。
◇ネット上は批判のオンパレード
ところが、庶民は手厳しいし、納得はしていない。無理チュー騒動が週刊文春誌上で明らかになった時がそうだったように、今回、スケート連盟会長留任が決まった直後、再びネット上では大きな反響を呼んでいる。
「出処進退さえ自分自身で決められないとは、そんな人間に会長職や議員が務まるのか」
「そもそも慰留する側がおかしいでしょう」
「スケート連盟の理事なんて橋本会長の部下であり、権力に逆らえないんだから、その『慰留』なんておかしい」
「慰留されたからって居座る橋本聖子も恥知らずだけど、慰留する理事会メンバーもおかしい」
「橋本聖子さん辞めないの? それって選手に対して『あの程度のことは我慢しなければいけない』っていうメッセージを送るようなもんでしょう? セクハラ助長しちゃうよ? 辞めなよ。すぐに」
橋本氏の体調を心配する書き込みはあっても、100に1つあるかどうかという程度で、ほとんどが批判のオンパレード。批判しているのは高橋大輔ファンのおばさんたちだろうという意見もあったがそうでもない。批判は男女、年齢層とも幅広い層から寄せられている。
ネット上の批判は、この日の橋本氏の発言からも火に油を注いだ。世間を騒がせたことには陳謝しながら「まさか(その無理チューの現場に=編集部注)関係者以外の人たちがいるわけではありませんので、油断があったといえばそうなのかもしれません」と油断のせいにしたのもそう。「非常に反省をしていますが、その場は決して悪いもの(雰囲気=編集部注)ではなかったということだけは、選手たちの思いも含めてご理解いただければと思っています」と選手の思い(気持ち)を引き合いに出したのもそう。結局、自己弁護の言い訳にしか聞いてもらえていないのだ。
◇八方塞がり
先日、本サイトにも登場願ったあるスポーツ競技のコーチは改めて「もう議員なんて潔く辞めて、スポーツの世界に専念し、後進を育てたほうが橋本さんのためにもなるし、何よりスポーツ界の発展のためにも貢献できるのではないでしょうか」と進言した。
ただ、その期待をかなえることはなかなか難しいという話もある。
「政界が伏魔殿と言われるゆえんは、当選回数を重ね、議員歴が長くなればなるほど、議員本人の意向だけでは動けなくなる。後援会もそう。有象無象の輩が寄生虫のように棲みつき、議員をがんじがらめにする。橋本議員の心情からすると、議員を含め、対外的な役職は〝辞めたくない〟のではなくて、〝辞められない〟のだと思う。まあ彼女だってそれを知ったうえで、当選回数を重ねてきたわけだから、仮に私の推測が間違いでなくても、やはり今回の原因をつくったのは紛れもなく本人。自業自得のそしりは免れない。まあ落選でもすれば別ですが、議員を辞めてスポーツ界に専念することは、甚だ難しいのでは」(政界関係者)。
八方塞がり――橋本氏の今の状況がそうであるならば、無理チュー騒動の代償はあまりにも大きかったと言わざるを得ない。