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April , 2024
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読者から届いた悲痛な声~「なぜだ! どうして売ってない!」 

2014年9月8日(月)11時46分更新

「ない、ない、どこにもない。どうして、なぜなんだ!」――このほど札チョン族になったばかりの大手製造業勤務のAさん(40)から、今にも発狂しそうなメールが本サイトに届いた。「どこを探してもないんですよ。札幌にないってことは、北海道にはないってことでしょ? 食の宝庫・北海道にないなんて…。これは大事件です。ぜひ井戸端新聞で取り上げてください」と。まだまだ認知度が高いと言えない本サイトに向けられた切実な思い。せっかく届いた読者情報を無駄にするわけにいかない、とばかりに早速、Aさんに成り代わって取材した。エッ? 何を調べたかって?(注=その後、当該商品は2015年3月27日以降、プレーンを除き全国発売開始)

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10月7日発売の「パルテノ」レッドグレープソース付き

10月7日発売の「パルテノ」レッドグレープソース付き

 Aさんは、今でもその出合いを覚えている。「1年くらい前だったと思います。もちろんまだ東京にいる時ですが、うちのカミさんが周りから勧められて買ってきてくれましてね。それ以来ハマっています」

 Aさんがハマったのはヨーグルト。「衝撃的でしたよ。なに? これって」。たかがヨーグルトに〝衝撃的〟とは大げさな、と思うが本サイトにもこのヨーグルトをこよなく愛する記者がいた。

「ヨーグルトであって、ヨーグルトじゃない。今は食べ慣れたけど、初めて口にした時は一瞬言葉を失った」

◇濃厚で滑らかな食感

 首都圏在住であれば、食べたことはなくても、店頭やテレビコマーシャルで目にした読者は多いハズ。森永乳業が発売している「パルテノ」がそれで、「日本初のギリシャヨーグルト」をうたい文句に発売開始したのが2011年9月。すでに3年も前から販売されている商品だったのだ。

 Aさんに言わせると「ふつうのヨーグルトにあるような水っぽさが全くなく、とにかく濃厚なんです。私は最初、はちみつ付きを買って食べていましたが、今はプレーン味に自宅のはちみつをかけて食べています。口中にまとわりつくような、まったりとした…。そうですね、クリームチーズをかなり滑らかにしたような舌触りとでもいいますか。酸味が抑えられているのも、私にとってはマッチしたのかも」。現在、プレーンのほか、ソース付き(はちみつ、ラズベリーソース、グリーンアップルソースの3種類)が発売されていて、10月7日には期間限定(来年春ごろまで)でレッドグレープソース付きが発売されるのだとか。

 早速、パルテノが大好きという記者を除き、本サイト記者3人が食べてみた。感想は「ウ、ウマい」、「確かにおいしい」「滑らか」と大好評。全く批判の声が聞かれない。一応、曲がりなりにも本サイトは新聞を名乗っており、特定商品を殊更褒めたり、持ち上げたりしたくはない。

◇地域限定販売だった

 もちろん「たった3人のサンプルなど参考にもならない」とお叱りを受けてしまいそうだが、実は欠点がないわけではない。ズバリその価格。他の商品に比べ、かなり高いのだ。ふつうのヨーグルトならスーパーの特売でお徳用500㌘パックが100~120円程度で売られることもある中、このパルテノ、小容量タイプのみの発売で、プレーンは110㌘入り141円(税別)、ソース付きはヨーグルト80㌘+ソース10㌘で160円(同)。コンビニでは定価販売、スーパーで特売されていてもせいぜい定価から10円程度割り引かれるくらいで、他の小容量タイプの商品と比べても、やはり数十円は割高だ。

 さてAさんの嘆き節だ。

「最初、近くのコンビニで聞いたら『そんな商品聞いたことない』って冷たくあしらわれましてね。その後、他のコンビニや大型スーパーを何軒か回ってもなくて、デパ地下の食品売り場まで探しました。でも見つからなかったんです」

 騒いだ割には、答えは単純明快だった。実はこの商品、今年の2月までは首都圏の限定販売で、ようやく3月に東海圏と北陸圏、4月に関西圏に販路が拡大された。今後の販路拡大は「今のところ未定です」(森永乳業広報課)。

 Aさんにその事実を伝えると「ウソでしょ」と言って、しばし絶句。アマゾンや楽天などの通販サイトで扱いがあることは事前に調べていたらしいが、「もともとそんなに安い商品ではないですし、何より10個、20個単位で買っても送料が高くつきます。それにいくらはっ酵食品とはいえ、一人暮らしですから、買え置きして傷ませては元も子もありませんしね。まあ単身赴任も長くて3年ですから、パルテノを食べるのは、たまに東京に戻った時の楽しみにしますよ」と肩を落とした。

◇水切りヨーグルトという手もある

 せっかく本サイト最初の読者情報だけに、何とかお役に立ちたいのが人情だ。ちなみにこのパルテノの特徴は、ヨーグルトに含まれる水分(乳清=ホエー)が他の商品に比べ極端に少ない。まとわりつくようなコクは、そこからきている。ということは、この水分を取り除けばよい。

 実は料理をする人には良く知られているらしく、「水切りヨーグルト」なるものがある。作り方はいたって簡単でザルにガーゼやキッチンペーパーを敷き、そこにプレーンヨーグルトをのせる。ザルの下には水分を貯める容器をセットしてラップをかけて冷蔵庫に一晩おくだけ。水分が分離され、ヨーグルトがクリームチーズのような硬さになる。

「パルテノも恐らく水切りヨーグルトの一種なのでしょうが、やはりあそこまで滑らかにはできないですね。そこに企業秘密があるんでしょう。それでも、この水切りヨーグルトにはちみつやフルーツソースをかけて食べると、これはこれでおいしいですよ」というのは、水切りヨーグルトに詳しい東京都内のある主婦だ。

 水切りヨーグルトを作るための専用容器が2000円前後で売っており、また分離された水分は低脂肪、高タンパクで栄養価が高いと言われる乳清そのもの。レモン汁とはちみつを加えてドリンクにして飲んだり、味噌汁にそのまま入れてもいいなど、活用方法はたくさんあるのだとか。

 ちなみにこのパルテノ、20代後半~40代の女性を最大のターゲットにしているらしいが、同社広報課の長谷川さんが、こんなおすすめの食べ方を教えてくれた。

「もちろん、そのままでも十分おいしいですが、水分が少ないからこそフルーツグラノーラ(乾燥フルーツとシリアルを交ぜたもの)にのせてお召し上がりになれば、そのザクザク食感を損なうことなくお楽しみいただけます」(森永乳業広報課の長谷川さん)。ぜひお試しあれ。


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