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連載コラム『クレーマー天狗』第7回~着せ替え内閣~

2014年10月23日(木)09時36分更新

 アラカン(還暦)ならぬアラサン(傘寿)世代の本サイトご隠居顧問が、あらゆる話題に斬り込む『クレーマー天狗』。今回、ご隠居のターゲットになったのは、女性2閣僚の辞任劇。安倍内閣に対する野党の追及姿勢はもちろんのこと、国民の目も日増しに厳しくなるばかりだ。でも厳しい目を向けるのは、必ずしも外敵ばかりとは限らない。ご隠居曰く「鉄砲玉は前からだけとは限らないゾ」と。

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わずか1ヵ月半で目玉の女性閣僚が2人も辞任に追い込まれた安倍改造内閣

わずか1ヵ月半で目玉の女性閣僚が2人も辞任に追い込まれた安倍改造内閣

 「安倍内閣のカンバン娘」小渕優子経産大臣と、看板娘ではないが松島みどり法務大臣の同日辞任で国会が大揺れだ。自称・さいたま県生まれの〝ダジャレ芸人〟デーブ・スペクター(失礼!)によると「このままじゃ自民党が〝辞任党〟になっちゃうよ」だそうだが、安倍〝ママゴト内閣〟はわずか1ヵ月半で〝着せ替え内閣〟に早変わりした。あわれ将来の首相候補とまでいわれてきた小渕経産相は、野党の追及だけではなく、事と次第によっては刑事責任も問われるのは必至。〝ウチワ問題〟の松島さんだってアノ答弁のようにとぼけ通していられそうもない。もう、今や「次はだれか」の段階はいってる。

◇安倍さんの一番の敵は油断だった!?

 そこで第一次安倍内閣の悪夢がよぎった。そう、〝大臣辞任ドミノ現象〟だ。参考までにその悪夢を再現するとつぎの通り。

 ①2006年12月27日 佐田玄一郎行政改革相(政治団体の不適切会計処理で引責辞任)②2007年5月28日 松岡利勝農相(事務所費をめぐって野党の追及を受け、後に自殺)③同年7月3日 久間章生防衛相(原爆投下をめぐる発言で引責)④同年8月1日 赤城徳彦農相(政治団体の不適切な会計処理で更迭)⑤同年9月3日 遠藤武彦農相(補助金不正受給で引責辞任)。

 わずか8カ月あまりの間に5人の大臣が入れ替わっている。これが遠因となって万年野党の民主党に政権を譲ることになるわけだ。今回は目玉商品のユーコちゃんとみどりチャンばかりか、ほかの3人も安閑としていられないとあっては、また7年前のドミノ現象が起こらないとは言えない。全くどうなっちまうんだろうねぇ。前回の失敗に全く懲りていないんじゃないかなぁ。「女性大臣にはそんな心配はいらない」と油断をしたとしたら、安倍川餅じゃぁあるまいし、甘いもいいところだぜ。これは大臣の責任より首相の管理能力と任命責任が党の内外から問われることになると思うよ。

◇推理小説の作者は意外な人物?

 さて、ここからが本稿の目玉。よく、推理小説なんかで言うでしょう。「殺人事件で犯人を推理するときの鉄則はなにか? まず事件が起こったことで、だれが最も利益を得るか。その人物から調べることだ」と。この鉄則を借りれば、大臣が辞めるか、または首になることで、誰が一番得をするか。もちろん、国会で告発、追及した野党の情報収集力と調査能力には一応、敬意を表しておくが、でもさ、いまの野党にはたとえ政府にダメージは与えられたとしても、政権担当能力を持つ政党はないじゃないか。では、与党をかき回してポイントを稼いだ野党以上にメリットを受ける人は誰か? あくまでも推理小説での話だが、それは 「次に大臣になれる能力と、そして次に大臣になってもおかしくない年功と人気を併せ持っている人物」ということになる。

 人気ったって有権者の支持率より時の権力者に好かれていればいい。しかも、あと何年も待っていられない事情がある、そんな人物をあぶり出していけば、資料や情報の意外なリーク元が判明して、この推理小説はめでたく完結するのだが…。待てよ、まだあった。安倍首相に大きな恨みを持っている人物も嫌疑のワクから外すわけにはいかない。するってぇと、この推理小説の作者としては何人かいる次期総理候補も容疑者、参考人としてお呼びすることになるのかなぁ。

(本サイトご隠居顧問=当コラムは毎週月曜、木曜の週2回掲載=都合により休載の場合もありますのでご了承ください)


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