集中連載『テレビって奴は』第14回~韓流ドラマがもてはやされる謎・その2~
あと○年と●ヵ月で傘寿を迎える本サイトご隠居顧問が物申す! いつものように「テレビはわれら年寄りの最大の親友。だからこそのお節介な忠告です」というご隠居顧問の小噺連載『テレビって奴は』の第14回は、前回に引き続き韓流ドラマがもてはやされる謎に迫った。早速、いってみよう!
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◇気に食わないグルメリポーターたち
誰でもおいらみてぇに歳を重ねてくると分かると思うが、世の中で何が一番のごちそうか。世界の3大珍味、トリュフ、フォアグラ、キャビアなんか足元にも及ばない凄いものがある。あまり教えたくないが、誰にも言わないと約束できれば教えてもいい。それは誰でも簡単に手に入るもの「空腹」と「健康」だ。腹さえ減っていれば、吉野家の牛丼だってこの上ないご馳走だ。
やれラーメンなら何屋がうまいの、すしなら、ウナギならどこそこの店が一番だとか、いやニ番だとか。これが天下のテレビが何局もそろってやることか、と思わねぇか? それと気にくわねぇのが食リポのリポーターって人たちよ。海鮮料理屋で看板料理をうまそうに口に含むと、判で押したように「う~ン、おいしい。口じゅうに海の香りがいっぱいに広がります」ときたもんだ。
バカ言っちやぁいけねェ。海鮮丼を食って山の香りがしたんなら別だが、海の香りなら誰が食ったっておんなじじゃねぇの。さらに言うなら口に広がるのは味であって、香りは口から鼻に抜けて初めて感じるものだろうて。この味とか香りなんてのが曲者で、これを正確に他人に伝えようなんて、きのう、きょうポッと出てきた若いのがおこがまし過ぎるってぇの。
あれ、今度はのっけから脱線しちまった。言いてぇことは、要するに「空腹に勝るグルメなし」「不自由にすぐる自由なし」ってことだったのさ。
◇儒教の縛りが〝うまさ〟の秘けつ!?
そうそう、そこで話をもとに戻そう。韓国には日本人がとっくの昔に忘れちまった儒教の精神が色濃く残っていて、それが韓民族のバックボーンとなっているんだね。韓流ドラマから学んだだけで ①親の言うことは絶対服従②年上や目上に対しては敬語で接し、どんな理不尽にも口答えや反抗は厳禁③結婚は本人同士がいくら愛し合っていても親・兄弟の合意がなければダメ④結婚式も挙げずに同棲したり、ましてや妊娠、出産など言語道断、家族からは絶縁され、社会から指弾されても差別されても甘んじて受けなければならない⑤一旦他家に嫁したるものは、婚家全員のしもべと心得よ ⑥新婚夫婦が実家とは別に住むことはよほどの事情があるか、経済的に余裕がある場合に限られ、先方の家族と同居するのが普通⑦絶対というほどではないが、両家のレベルに差があり過ぎないこと……などなど。
探せば〝儒教的縛り〟はまだまだあるが、これだけでもわれら自由な日本人は十分うんざりするものがあるよね。おいらジジイでさえ、身震いするほど日本に生まれてよかったとしみじみ思うよ。いや、あの国が道徳的に不自由だからこそ、日本の韓流ドラマファンが夢中になる要素が潜んでいると言ってもいい。「空腹だからうまい」のだ。そこから、日本では考えにくい悲劇的なシチュエーションがいくつも生まれてくるわけよ。そして、こう言う不自由さに日本のファンが喉を掻きむしりたくなるほどの歯がゆさを感じるのだ。
明治維新で首かせを、敗戦で手かせ足かせを取り除いて儒教からほぼ自由になった日本人は、はたして幸せなのか不幸なのか。年寄りのおいらには韓国ほど年寄りが大事にされない分、不幸だけどね。 (この項つづく。本サイトご隠居顧問=次回もお楽しみに)
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