集中連載『テレビって奴は』第17回~賞金女王エレジー~
あと○年と●ヵ月で傘寿を迎える本サイトご隠居顧問が物申す! 「テレビはわれら年寄りの最大の親友。だからこそのお節介な忠告です」というご隠居が、今回は大好きなスポーツ中継を見ていてがく然とした。ご隠居顧問の小噺連載『テレビって奴は』の第17回は「3億6千万円VS2億9千万円のトホホ…」。早速、いってみよう。
――――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇―――――――――
おいら年金生活者が毎週楽しみにしているのがゴルフ中継だ。青木功、ジャンボ尾崎時代からだからもう、30年以上だろう。それがいつの間にか、女子ゴルフに関心が移ってしまったのは、石川遼や松山英樹などのニューヒーロー出現まで、青木やジャンボに匹敵するような、これといった主軸選手が不在だったことにもよるだろう。いや、おいらの場合は(ハッキリ言っていいのかなぁ)そんなことじゃない。女子選手に「オッ」と思えるような美形が増えたことって言った方がいい。どこかからまた「いい歳をしてみっともない」なんて声が聞こえるようだけどね。
◇日本選手にハングリー精神がなくなった
今でもそうだが、昔は特にゴルフなんてスポーツは庶民にとって超の付く高根の花だったのはご存じの通り。そのせいもあって、女子ゴルファーのほとんどがハウス・キャディーで生活費を稼ぎながら、所属するゴルフコースで客のいない早朝や、日没後に練習をさせてもらうという、言わば〝ゴルフ苦学生〟が多かった。いや、「だから美人が少なかったんだ」とは決して言いませんがね。
苦学生といえば、昔は苦学生の救済大学でもあった東大など国立大学生の親の所得を調べたところ、医科大学を含む早、慶など私立大学生の親のそれよりもずっと高かったってぇ話をしたら、行きつけのバーのママが感に堪えたようにこう言ったぜ。「やっぱり、金持ちほどケチだっていうからねぇ」。いや、そうじゃねぇんだ…って言いかけてやめたけどね。
でもさ、スポーツ選手、とくにゴルフの選手からハングリーな精神(大げさだね)が感じられなくなったのはおいらだけじゃないだろう。今、女子プロゴルファーの中でこれを感じられるのは、引退の危機からよみがえってきた大山志保くらいなもんだろう。ときどき見せる彼女のガッツポーズにそれを感じないか? えっ! おいらだけだって!
◇韓国選手の気迫は半端じゃない
ついでにおいらの主観で言えば、そのほかの選手からは親の財産がぷんぷん匂ってきて、「寄せてやろう」「入れてやろう」という気迫が感じられねぇんだよな。それに比べて外国、とくに韓国の選手はすごい。バンカーからチップイン・バーディーだの、10㍍もありそうなパットを沈めた時の気迫に満ちた表情なんか、思わずチャンネルを変えてしまうほどの怖さを感じるよ。グリーン上で芝目やアンジュレーションを読む韓国の選手の姿を見ただけで、「あっ! こりゃまた負けた」と思わずおいら芝目は読めねぇが先を読んじゃうもんね。解説者もたまには日本の選手に韓国選手を見習うように言ってくれなくちゃぁ。のんきに構えていると、いまに賞金のほとんどをあの国に持ってかれちまうぜ。
もうすでに現時点(9月18日現在)で①イ・ボミ、②アン・ソンジュ、④申ジエ、⑧リ・エスド、⑬イ・ナリの上位5選手だけでトータル3億6千万円もの賞金を稼ぎだしている(ちなみに日本の上位5選手の賞金総額は2億9千万円)。野次馬としては彼女らが韓国で一体どんな暮らしをしているのか、ぜひテレビ君に調べてもらいたいと思っている。 (本サイトご隠居顧問=次回もお楽しみに)
関連記事
- 集中連載『テレビって奴は』第18回~韓国女子プロゴルファー強さのワケ~
- 連載コラム『クレーマー天狗』第6回~日韓ゴルフ戦争~
- 集中連載『テレビって奴は』第11回~BS放送は韓流ドラマの花盛り~
- 集中連載『テレビって奴は』第21回~プロ野球盛衰記~
- 集中連載『テレビって奴は』第14回~韓流ドラマがもてはやされる謎・その2~