元夕刊紙記者たちが、井戸端会議感覚で読者の皆さんに話題のニュースを広く浅く、たまに奥深く提供します

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　あと○年と●ヵ月で傘寿を迎える本サイトご隠居顧問が物申す！　いつも「テレビはわれら年寄りの最大の親友。だからこそのお節介な忠告です」というご隠居が、前回のプロ野球界への提案ついでに、リーグ優勝間近の大好きな巨人を分析した。ご隠居顧問の小噺連載『テレビって奴は』の第２１回はプロ野球盛衰記～「おいらが好きだった巨人軍から貰ったもの」。ゆーけゆーけ、それーゆけ…と闘魂こめながらご隠居が語った。

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１階席でもこの大きさ。これがさらに上の席へ行くと、まさに選手たちは米粒の大きさ（東京ドームで）

　おいらがガキの頃から愛してきたプロ野球のさびれ方がひどすぎる。テレビ欄を老眼鏡で丹念に探してもプロ野球の実況中継を見付けるのが難しくなった。巨人戦を奪い合っていた頃の騒ぎは一体、どこへ行っちまったのか。４ｃｈが後楽園での巨人戦を独占してたから、他局はその時間、無駄な抵抗をやめてお笑いやバラエティーのいわゆる〝裏番組〟でお茶を濁していたのにサ。今やその裏番組が堂々と表にしゃしゃり出てきて、お笑いタレントの億万長者が大量に産出されたってわけ。試合中継の副音声出演で小遣い稼ぎをしていた連中が何人も大女優を女房にしてからに、全く！

◇テレビ中継どころか、スタンド観戦も魅力なし！？

　ひどい！　と思うのは巨人で稼いできた４ｃｈでさえ東京ドームの黄金カードを中継しないことがあるってんだから、世も末だよね。それで、もう辛抱堪らず東京ドームに出かけてみた。ネット裏が買えたのは奇跡じゃねぇかとガキみてぇに喜んで行ったのはいいが、席は天井に近い最上階で、選手は豆粒だ。高所が苦手なおいらは、臍のあたりがゾクゾクして落ち着かねぇのなんのって。

　それにおいら老眼の目でボールの行方を追うのはちょっと難しい。客席のオレンジ色のＴシャツを着た巨人の応援団？　がゴーッと湧けば巨人のチャンス、相手のチームの応援旗が揺れ動けば相手のチャンスと分かるくらいかな。しかし、誰がリードしているのか知らないが、拍手も声援もよくコントロールされてるよね。昔、ガラガラの近鉄・藤井寺球場で個人攻撃を含めた選手へのヤジを寝そべって聞いたのどかさが、むしろ懐かしい。周りのみんなを笑わせたスタンドのヤジ将軍のオッサンは、当時、閑古鳥が鳴いていたパ・リーグを底辺で支えた功労者だと思うよ。

　今の東京ドームにもしこんなオッサンが現れたとしたら？　たちまち外に摘まみだされるだろうよ。何しろ「わが巨人軍は球界の盟主であり、選手たるものすべからく紳士たるべし」っていう堅苦しさはある。「紳士」が巨人選手の第一選考基準だからかなぁ。高い契約金で補強した外人選手の活躍ぶりはどうだい。おいらにはクロマティーしか記憶にないといってもいい。

◇いじめに遭っても巨人ファン

　それと、４番打者が育ちにくいねぇ。まるで４番が呪われているみたいだ。長嶋、王、松井の後、誰が「不動の４番」と言われた？　とにかくヒゲ面が売り物だった小笠原のひげを剃らしたくらいの球団だからね。「強打者である前に紳士であれ」ということだろうが、これじゃぁなかなか、気合いが入りにくいよね。大体、監督の原さんだって４番は不似合い？　だったんだから…。

　その昔、球界の盟主は横暴を極めた。１リーグ時代の阪急から青バットの青田昇、南海からエース別所を強引に引き抜き、下っては江川の『空白の１日事件』や元木の『ハワイ留学』など、挙げたらきりがないほどだ。青田、別所の時はおいら巨人ファンの『のび太』は、アンチ巨人のガキ大将『ジャイアン』からいいように小突かれたり、ゲンコを食らったり…。痛いやら、恥ずかしいやらでおいら、よっぽど巨人ファンをやめようかと思ったくらいだったな。いらい、いまだにおいらは「隠れ巨人ファン」をつづけている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（本サイトご隠居顧問＝次回もお楽しみに）