元夕刊紙記者たちが、井戸端会議感覚で読者の皆さんに話題のニュースを広く浅く、たまに奥深く提供します

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　あと○年と●ヵ月で傘寿を迎える本サイトご隠居顧問が物申す！　いつものように「テレビはわれら年寄りの最大の親友。だからこそのお節介な忠告です」というご隠居が、まるでお笑い界に占領されたようないまのテレビ界に斬り込んだ。ご隠居顧問の小噺連載『テレビって奴は』の第８回は「昔陸軍、今お笑い」。いいようにお笑いタレントにアゴで使われるアナウンサーにも注文を付けた。

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安住アナが号泣するなか、さんまは最後まで笑顔のままだった（ＴＢＳテレビから）

　７日、『さんまのからくりテレビ』最終回を見させてもらったよ。２２年の長～い間にはいろいろ面白いコーナーがあったけど、あまりの懐かしさのためもあってか、笑いながらもうっすら涙がにじんでいたりして…。で、ひそかに期待していたのは、さんまがいつ泣くか、号泣はしないまでも、滂沱（ぼうだ）と頬を伝う涙くらいは拝めるだろう…と。

　でも、金持ち喧嘩せず、長者動ぜず。彼は笑顔を絶やすことなく周囲やお茶の間のファンへの挨拶を「また会いましょう！」と締めくくっていたのはさすがだったね。その陰で同局の安住アナが、あふれる涙を拭おうともせず、声こそ聞こえなかったけど、おそらく号泣はしてただろう。まるで自分の番組が無くなりでもするかのように…。間もなく独立すると噂のある安住アナは、たとえ独立しなくても大きく化けると思うよ。保証はしないけど…。

◇数字が取れるから…

　本題はこれではない。首都圏に住んでいる人なら、試しに８日（月曜）のテレビ欄を見て頂きたい。夜７時台は４ｃｈから『有吉ゼミ』、５ｃｈが『中居の○○』、６ｃｈくりぃむ有田の『私の何が…』、７ｃｈバナナマンの『?ＹＯＵは何しに…』、８ｃｈが『ネプリーグ』とまぁ、ご覧のとおりお笑い系バラエティー番組のオンパレードではありませんか。日本を代表する民放テレビ局のゴールデンの全てがお笑いタレントか、ジャニーズの誰かが司会する番組に占領されているのだ。理由は簡単。これひとえに数字（視聴率）が取れるからに決まってるさ。

　その上、テレビ局の側から見れば、タレントの所属事務所の協力で企画も立てやすく、政治家や財界人、あるいは作家などを相手にする時と違って肩がこらずに済む。まさにいい事づくめだ。数字が見込めて気楽に低予算で番組が作れるのに、誰が苦労して堅苦しい教養番組だの、啓蒙番組などを作ってリスクを負おうとするもんか。そんなものはＮＨＫに任せておけばいい。

◇局アナよ、矜持をもて！

　おいらが心配するのは、各局の自主独立性がどんどん希薄になり、有力な芸能事務所がテレビ局の経営にまで手と口を出すようになりはしまいか…ということ。ディレクターだのプロデューサーだの、果てはアナウンサーに至るまでがそれらの会社の支配下に属したらどうする？　「７時になりました。お笑いの○○がニュースをお伝えします」なんてことも起こり得るんじゃないか。

　こうなるとおいらの心配は止まらない。テレビ局が全面的に芸能事務所にもたれ切ったころに「やれ脱税だ」「それ倒産だ」となったら、もうお手上げだ。次の日から番組が作れなくなるかも。

　新聞社だって例外じゃない。最終面のテレビ欄が真っ白のまんま輪転機を回すことになる。だからお願いだ。もう、これ以上アナウンサー諸君がお笑いタレントの部下になったり、まるで相方のような姿を晒さないでほしい。もしお笑いタレントなどから「おい、○○！」っと呼び捨てされたら、たとえ年上でも睨み返してやるくらいの矜持をもって接して欲しい。　　　　　　　　　　　　　　（本サイトご隠居顧問＝次回もお楽しみに）