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November , 2018
Thursday

松坂、中島に厳し過ぎる目

2015年6月26日(金)12時40分更新

 今季、日本球界に復帰した元メジャーリーガーは広島の黒田博樹(40=元ヤンキース)とソフトバンクの松坂大輔(34=元メッツ)、オリックスの中島裕之(32=アスレチックス=ただしメジャー昇格なし)の3選手。予想されていたとはいえ、目立った活躍は黒田だけ。あとの2選手は…。さすがにここまでひどいと、プロ野球ファンも黙っちゃいない。早速、これまでの成績を振り返り、中間報告といってみよう。(文中の成績は、断りのない限り25日現在)

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 黒田はやはり別格だった。メジャーと契約すれば年俸20億円は下らないと言われていながら、「カープのユニホームを着て投げるほうが、最後の1球になったとしても後悔は少ない」という思いで古巣・広島に復帰。当初から「男気凱旋」と大々的に取り上げられ、1年契約の年俸4億円プラス出来高払いという、相場の実に5分の1で戻ってきたのだ。途中、5月3日から右ひざ骨筋腱周囲炎で2週間ほど戦線離脱していたが、これまで12試合に登板し、チーム最多の6勝を挙げ(2敗=防御率2.72)、チームの苦しい台所事情を支えている。現在、チームは5位と低迷しているように思えるが、セ・リーグは交流戦でパ・リーグに44勝61敗と大きく負け越し、23日の全試合終了時点で貯金のあるチームが皆無という大珍事が起きたのは記憶に新しい。そういう事情もあって、セ界6チームが4ゲーム差にひしめく大混戦。広島は首位阪神にわずか3.5ゲーム差と肉薄しており、試合ごとにしばらく順位が乱高下する状態が続きそうで、いよいよ黒田の一挙手一投足から目が離せそうにない。

◇4億円の価値のない中島の成績

 その点、パ・リーグは上位と下位チームの棲み分けがハッキリしている。昨年、ソフトバンクにゲーム差なしのリーグ2位と健闘し、今年はリーグ優勝の最右翼と目されていたオリックス。ところが開幕からいきなり4連敗。ようやく1勝できたかと思うと、再び4連敗とスタート直後からつまずいた。その後も浮上することなく低迷が続き、その責任を取る形で6月2日に森脇浩司監督(54)が事実上解任され、福良淳一ヘッドコーチ(54)が監督代行に就任。現在、首位ソフトバンクに15ゲーム差、5位のロッテにさえ5.5ゲーム差をつけられるダントツの最下位に沈んでいる。

前評判通り期待に応えたのは黒田だけだった!(画像は「Number6/4号」文藝春秋社刊)

前評判通り期待に応えたのは黒田だけだった!(画像は「Number6/4号」文藝春秋社刊)

 チームは全責任を監督に押し付けたが、「森脇さんが気の毒。すべては編成の責任」と話す球界関係者は少なくない。まず誤算だったのが昨年、最多勝(16勝5敗)、最優秀防御率(1.98)のタイトルでチームの躍進に貢献した絶対的エースの金子千尋(31)が昨オフの右肘手術で開幕に間に合わず、ようやく戻ってきたのが5月下旬(23日)。これまで5試合に登板し、2勝2敗(昨年同期=5勝3敗)の成績しか残せていない。

「まあ金子は昨年、後半に勝ち星を重ねたので、これからに期待したいが、やはりチームを弱体化させたのは昨オフの大幅補強。せっかくまとまっていたチームが、結果的に補強になるどころか弱体化させてしまった」というのは球界に詳しいX氏だ。

 オリックスは昨オフ、日ハムから小谷野栄一(34)、横浜からブランコ(34)、広島からバリントン(34)など総額40億円前後もかけて大幅補強を断行した。中でも阪神と争奪戦を繰り広げ、3年総額12億円プラス出来高で獲得した中島は大誤算。本サイトでは昨年、「日本を姥捨て山にするな」(8月26日付=http://idobata-press.com/sport/7211.htmlを参照)で、その当時、阪神が獲得に乗り出していた中島の日本球界復帰に警鐘を鳴らしていた。阪神は当初、大リーグ挑戦を公言していた鳥谷敬(33=26日に34)がFAでチームを去ることを想定。ところが結果的に鳥谷は阪神残留を決意し、中島も取らずに済んだ。

 中島は開幕からしばらくスタメン出場を果たしていたが、4月21日に右太もも裏の肉離れ、5月27日には腰痛(ぎっくり腰)と2度、一軍登録を抹消され、これまで71試合のうち26試合も戦列を離脱している。171打数44安打、打率は2割6分7厘、22打点、6本塁打は到底、年俸4億円に見合う成績とはいえない。かつて西武でプレーした11年間で、通算3割2厘を記録したスラッガーも、いまや完全に鳴りを潜めてしまった。チームはすでに自力優勝さえ消滅し、リーグ最下位に撃沈。一方、中島獲得争いに負けた阪神が混セとはいえ、リーグトップにいる。因果としか言いようがない。

◇復帰のメドが立たない松坂は針のムシロ状態

 中島以上に、散々なのが松坂だろう。3月17日のオープン戦(ロッテ戦)に登板後、右肩筋肉疲労などで戦線離脱、開幕にも間に合わなかった。話題といえば、かつて甲子園で投げ合った日本テレビの上重聡アナウンサー(35)が巨額融資問題で騒がれた時、名前が上がったくらい。ようやく5月20日に二軍のマウンドで2イニング登板(オリックス戦)。本業で話題になったのもつかの間、24日に予定されていた次回登板が回避され、その後、再び表舞台から姿を消している。

 3年総額12億円の大型契約にもかかわらず、全く使い物にならない“不良債権”に、さすがに親会社の株主も黙っていなかった。去る19日に開かれたソフトバンクの株主総会で、株主の一部から、松坂獲得の総括を求められた同社の孫正義社長(57)は「故障が治って、1日も早くマウンドに戻ってくる日を願っております。応援してください」と答えるのがやっとだったという。ただチームは松坂がいなくても、交流戦では最高勝率の1位を決め、ペナントレースも25日の西武戦に9―6で勝利し、2位の日本ハムに3.5ゲーム差をつけ、首位を快走している。そもそも松坂の力に頼る必要はないのだ。

 松坂はここ数年、メジャーでも故障がちで結果が出せていないのに、これだけ高額年俸で日本球界に復帰できたのは代理人の影響もある。それは中島も同様で「彼らだけが金銭にがめついと批判しても始まらない」(X氏)という話もあるが、松坂をさらに追い詰めそうなのが、6月に入り、レンジャーズを自由契約になり、独立リーグの高知ファイティングドッグスに入団した藤川球児(34)の存在だろう。もちろんメジャー実働8年で56勝43敗(防御率4.45)の実績がある松坂に比べ、藤川のそれは、2年半でわずか1勝1敗2セーブ(同5.74)の成績しか残せていない。元メジャーとしての格の違いは歴然なのだが、やはり阪神のオファーを蹴って、出身地の独立リーグに「少しでも地元に貢献したい。地元の子どもたちに夢を見せたい」と抱負を語り、年俸なし(登板日のチケット売り上げの1割を児童養護施設に寄付)という仰天契約を結んだことで、藤川の人間としての株を大いに上げているのだ。

「片や年俸4億円で復帰のメドが立たず、周囲からは不良債権呼ばわり。もう一方は、無報酬で“地元に夢を”と凱旋帰国。松坂の身になって考えると、まさに針のムシロ状態。それこそホリエモン(ライブドア元社長の堀江貴文氏)ぐらい図太くなければ、精神的に参ってしまう」(在京球団の幹部氏)と松坂を心配する声も聞こえてくる。

 ただ藤川に関しては、「無報酬もさることながら、高知とは期間も年ごとではなく1試合ごとという珍しい契約を結んでいる。実はここにからくりがあり、日本のプロ野球球団との契約は、ルール上7月31日まで可能。水面下では阪神との入団交渉が進んでいるという話もある。大どんでん返しで、今季中の阪神復帰も捨てきれない」(X氏)というが、果たして…。

◇日本球界を元メジャーの姥捨て山にするな?

 今季復帰組ではないが、13年に日本球界に復帰した阪神の西岡剛(30)。昨年は故障に泣いて1シーズンわずか38打数9安打、打率2割3分7厘、4打点0本塁打で終わり、全く活躍できなかったばかりか、日本シリーズでは守備妨害で最後の打者となる不名誉な記録までつくってしまった。今年こそは、と臨んだペナントレースだったが、5月23日に右ひじ屈筋の筋挫傷で一軍登録を抹消。これまで166打数44安打、打率2割6分5厘、14打点、2本塁打と昨年より随分マシな成績だが、現在も復帰のメドが立っていない。

 ただ「昨年もそうだったが、彼がいないほうがチーム成績はいい。阪神ファンの間では多少人気があったとしても、彼は本業よりもスキャンダルなどプライベートで話題になることが多い。それにもともとメジャーで大成できずに逃げ帰ってきた口。日本球界をなめているような選手は、いなくなった方がチームのためになる」(在京の球団幹部)。

 ちなみに今季、西岡が戦線離脱する前のチーム成績は20勝24敗。首位横浜に7ゲームの差を付けられ4位だったが、西岡離脱後は14勝9敗と息を吹き返した。現在、6球団が4ゲーム差にひしめく団子状態ながら、2位の巨人に1ゲーム差をつけ、首位に立っている。「このまま西岡は戻ってこないほうが、阪神にとってもいいのでは」(同)。

 いやはやなかなか厳しい声が聞こえてきたが、「男気」という特殊な事情で凱旋帰国した黒田を除き、今季復帰の元メジャーリーガーたちも残念ながら期待どころか、話題にさえならない体たらく。本サイトは重ねてお願いする。日本球界をメジャー帰りの姥捨て山にするな!


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