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「セーラー服と機関銃」続編決定

2015年6月24日(水)02時27分更新

 赤いハイヒールを履いたセーラー服姿の女子高生が、新宿のど真ん中で両手を機関銃のように構え「バンバンバンバンバン」「ダダダダダダ」と声を出し、地下鉄の通気口の上をクルクル回転する。するとスカートが下からの風に煽られ、パラシュートのようにふわりと浮きあがる。ハリウッド女優マリリンモンロー(1962年没、享年36)の代表作「七年目の浮気」(55年公開)の名シーンを彷彿とさせるワンシーンだ。

17歳で圧巻の演技を見せた薬師丸

17歳で圧巻の演技を見せた薬師丸(画像はブルーレイ「セーラー服と機関銃」KADOKAWA)

 野次馬に囲まれた女子高生は「わたくし…愚かな女になりそうです マル」――映画「セーラー服と機関銃」は、女子高生のこのセリフで幕を閉じる。セリフでいえば、映像がスローモーションに変化し、女子高生がマシンガンをブッ放す、まさにクライマックスシーン。「カスバの女」のメロディーが静かに流れる中、胸を張り、勝ち誇ったような笑みを浮かべ「カイ…カン」(快感)と思わず言い洩らすセリフが有名だ。

◇初の続編映像化

 ふつうの高校3年生、星泉がひょんなことがきっかけに、貧乏やくざの目高組組長になる…そんな奇想天外な設定をもろともせず、主役の薬師丸ひろ子(51=映画公開時は17歳)はその役を見事に演じきり、若くして一流女優の地位を確実にした。まさに彼女の代表作といっても過言じゃない同作は、赤川次郎原作の同名小説を映画化し、「ションベンライダー」(83年公開)や「台風クラブ」(85年)などで知られる相米慎二監督(01年没、享年53)がメガホンを取り、81年12月に公開。翌82年の邦画興収第1位に輝く47億円の大ヒットを飛ばした。

 その後、テレビの連続ドラマとして82年に原田知世(47=放送された年は14歳)、06年に長澤まさみ(28=同19歳)主演でリメーク。ところが赤川原作には、星泉のその後を描いた「セーラー服と機関銃・その後―卒業―」という続編があることは意外に知られておらず、いまだ映画化もドラマ化もされてこなかった。

◇夢の途中にいるようです

奇しくも薬師丸と同様、17歳で星泉を演じることになった橋本(画像はDVD「Little Star~KANNA15~」日本コロムビア)

来春の映画公開時には、奇しくも薬師丸と同じ17歳で星泉を演じることになった橋本(画像はDVD「Little Star~KANNA15~」日本コロムビア)

 それが遂に角川映画40周年第1弾の記念作品として、16年春公開予定で映画化されることになり23日、東京都内で製作発表会見が開かれた。映画のタイトルは「セーラー服と機関銃―卒業―」、メガホンは「婚前特急」(11年)や「夫婦フーフー日記」(15年)の前田弘二監督が握る。主役の星泉役には「いま一番輝いている女子高生」と言われ、CMなどでも引っ張りだこのアイドル橋本環奈(16)が務めることになった。

 橋本は今回の抜擢について、「初めてこのお話を聞いた時に、まさかという驚きとそれと同時に、もちろん大きな喜びも感じました」と笑顔を浮かべて感想を述べるが、やや緊張の面持ち。それでも持ち前の明るさを前面に押し出しながら「私にとっては、この上ない憧れの存在であった薬師丸ひろ子さんの代表作である『セーラー服と機関銃』の星泉という大役を、まさか自分が演じさしていただくことになるとは夢にも思っていませんでした。そういう意味では、まさに『夢の途中』にいるようです」と薬師丸ひろ子が歌い大ヒットした主題歌を引き合いに出し、喜びを語った。

 橋本にはぜひとも、どこぞの勘違いアイドルと同じにならないためにも、決して男に溺れることなく、シッカリと地に足付けた役作りに励み、第二の薬師丸ひろ子を目指してほしい。映画は7月10日にクランクイン。果たして星泉のその後が、映像を通してどう描かれるのか。往年の同作ファンには今から楽しみであると同時に、橋本の演技にも期待したい。


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