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November , 2018
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日本人メジャーの逆輸入情報に「日本を姥捨て山にするな」の声

2014年8月26日(火)11時58分更新

 プロ野球も残り30試合前後となり、いよいよ終盤戦に突入した。セ・パ両リーグとも優勝争いが混とんとする中、一部報道で早くもストーブリーグ情報が伝わってきた。メジャー挑戦2年目の中島裕之選手(32)獲得に向け、阪神が調査を開始したという。逆輸入と言えば聞こえはいいが、果たして野球ファンにとって元メジャーリーガーの肩書って、そんなに魅力があるのだろうか。〝今さら感〟が拭えない中島の日本球界復帰情報だが、球団にもいろいろ事情があるようだ。(本文中の成績は26日現在)

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 セ・リーグは巨人、阪神、広島が三つ巴の優勝争いを演じ、パ・リーグの優勝戦線は、ほぼソフトバンクとオリックスの2チーム間に絞れらた。

 いよいよ最終コーナーを回り始め、これからさらにヒートアップしていくさ中の26日、複数の朝刊スポーツ紙で、阪神が米大リーグ・アスレチックス傘下の2Aミッドランド在籍の中島獲得に動いていると報じたのだ。

◇中島の勝負強さに期待

 中島は2012年末、オークランドアスレチックスと総額650万㌦(約6億7000万円)の2年契約(3年目は年俸550万㌦の球団オプション)を結んだ。11年間在籍した西武時代の通算成打率3割2厘、162本塁打、738打点、141盗塁を引っ提げてのメジャー挑戦だった。

 ところが好事魔多し。2013年のキャンプでは結果が残せず、また開幕直前には故障者リスト(DL)入りした。結局、その年はアスレチックス傘下3Aサクラメントで90試合に出場し、打率2割8分3厘、4本塁打、34打点の成績は残したものの、一度もメジャーに昇格できずにシーズンを終えた。

 今年もサクラメントで開幕を迎えたが、4月末には2Aミッドランドに降格。現在、メジャー昇格どころか、3Aにも昇格できていない。

 成績がすべてのメジャーにあって、中島に対する風当たりは強い。入団会見では満面の笑みで中島入団を歓迎していたビーンGMは「中島の獲得は大失敗だった」「あまりに酷すぎて使い物にならない」と手厳しい。もちろん球団に交渉権のある3年目のオプションは行使される可能性はほぼゼロ。そんな中での今回の報道だった。

 各紙によれば、阪神サイドの話として「(中島には)勝負強さがある。日本に戻ってきても十分通用する」「もともと地元出身(伊丹市)で、うちとは縁が深い」など期待するコメントが並んでいた。

◇なぜ生え抜きを大事にしない

 でもどうだろう。阪神ファンの中にはかなり厳しい意見も少なくない。物心ついてから阪神ファンという寝屋川市の会社員佐々木孝行さん(45)はこういう。

「もうええ加減せい、言いたいですわ。西岡(剛=30)や福留(孝介=37)やいうて、メジャーで使いもんならんかった連中ばかし獲得して。なんで生え抜き大事にせんの。ホンマ腹立ちますわ」

 中島の定位置には、鳥谷(敬=33)という走攻守三拍子そろった名ショートストップがいる。中島より年上だが、たった1歳差、次世代の遊撃手を獲るならまだわかるが、鳥谷の今シーズンの成績は3割2分4厘、チームの首位争いに大貢献している。それだけに「何が悲しうて、中島を獲りにいかんとあかんの」という佐々木さんの嘆き節もよくわかる。

「西岡が故障したお陰で、セカンドは上本(博紀=28)が頑張ってます。知ってまっか? 上本の年俸は西岡(2億円)の10分の1以下(1850万円)でっせ。それでいて正真正銘の生え抜きや。こんなうれしいことありまっか。西岡はもうお払い箱でええ」というのは堺市に住む自営業者Aさん(53)。

 上本は入団5年目の成長株で、今季はこれまで92試合に出場し、打率2割8分5厘、7本塁打、30打点の成績を残している。一方の西岡は、いまだ一軍出場12試合がやっとで、打率はたったの2割2分6厘(本塁打ゼロ、打点3)。故障は本人の責任ではないが、「そうでもない」というのは在京の球団幹部だ。

「昨年日本に帰ってきて、まず騒がれたのがふざけたパフォーマンスと球場外での遊びっぷり。特に、当時はまだ未成年だった高校(大阪桐蔭)の後輩の藤浪(晋太郎=20)を連れ出して、水着の女性たちとクルーザーで遊んだとか…。話題と言えばそんなのばかり。ふだんからの不摂生、不養生が思わぬアクシデントやけがを引き起こしている」

 西岡考案と言われるパフォーマンス、通称「グラティ」は、阪神が得点すると選手たちがベンチ前でセンター方向を指さすもの。「私は好きやったけどね。甲子園も盛り上がりましたもの」(前出・Aさん)と寛大な意見もあったが、それとて相手チームへの挑発行為だとか、侮辱していると叩かれた。

 西岡は日本球界復帰時に野球界のご意見番、あの張本勲氏(74)から「(すぐに日本に帰ってくるなら)初めから行かなきゃいい。アメリカ旅行じゃないんだから。入った出たでは(日本球界にとっては)困る」と苦言を呈されている。

◇逆輸入メジャーはポンコツばかり

 前出の球団幹部とはまた別の球界関係者はこう話す。

「投手はメジャーで成功している選手は多いが、それでも日本に復帰して活躍できた選手は皆無に等しい。あの佐々木(現野球評論家の主浩氏=46)でさえ、7億5000万円という破格の年俸で日本球界(ベイスターズ)に復帰したが、結局、まともな活躍もできないまま2年で引退した。当時のオーナー企業だったTBSは、『大金をドブに捨てた。佐々木の馬買う資金に充てられた』とさんざんバカにされた。野手はなおさら。イチロー(ヤンキース=40)と松井(秀喜氏=40)のようにメジャーにこだわりがある大選手は別格だが、あとはシッポ巻いて日本に戻ってきたはいいが、まともな活躍ができていない選手ばかり」

 それでも現在、ともにメジャー3年目の青木宣親(ロイヤルズ=32)と川崎宗則(ブルージェイズ=33)は熾烈なレギュラー争いに打ち勝ち、元気な姿で頑張っている。

 やはり中島獲得に否定的な横浜在住の阪神ファンBさん(会社員=24)はこういう。

「野手に限って…いやピッチャーもそうかな。日本人の逆輸入メジャーってポンコツばかり。日本球界が姥捨て山のようになっていて情けなくなる。生活のためか、がめつく稼ぎたいためか知らないけど、日本球界を袖にして出ていったからには、戻ってくるにしても一旗揚げてから帰ってこいよ、と言いたい。青木、川崎が阪神くるっていうなら、喜んで迎え入れたい」

◇日本に戻れば活躍してくれる?

 前出の在京球団幹部はこういう。

「メジャー挑戦、志半ばで戻ってきた西岡、福留にヤクルトの岩村(明徳=35)、それに楽天の松井(稼頭央=38)にベイスターズの中村(紀洋=41)…これぞメジャーという活躍はいまだ見せていない。というよりほとんどが戦力外状態。まあ井口(資仁=39)くらいかな。ロッテに来て6年目、4年間のメジャーでもそれなりの実績を残しているし、唯一の復帰合格者ってところかな」(前出の在京球団幹部)

 ただこの幹部氏、各球団の事情もあって、どうしても〝可能性〟を求めてダメなメジャーでも取りに行ってしまうケースがあるという。

 まず優秀な選手をFAなどで獲得するには、莫大な手持ち資金が必要になる。そうなると中々手が出しづらいが、今回の中島だと自由契約となり、メジャーとしてのプライドを傷つけない程度の資金を積めば、比較的安価で獲得できる。

「もともとメジャーに挑戦する選手は、超一流選手ばかり。致命的なケガでもしていない限り、メジャーで結果が出せなかったからと言って、その選手を全面的に否定はしない。なぜかというと言葉や文化、また長距離移動や公式球など、日本球界とメジャーの違いが、選手の実力を封印。日本に戻れば、またかつてのように一流の働きをしてくれるんじゃないかと、どうしてもその可能性に期待してしまう。これは球団、選手双方に言えること」

 今のところ、その可能性に賭け、成功した例と言えば、野手に限れば前出のロッテ井口のほかは…。すでに引退した新庄剛志氏、田口壮氏、城島健司氏を挙げる向きもあるが、やはり引退間際の打ち上げ花火(線香花火?)だったという意見は少なくない。前出の横浜ファンのBさんは、図らずも日本球界が日本人メジャーの姥捨て山と表現した。中島の復帰が、そうならないことを祈るばかりだ。


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