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May , 2024
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安倍首相の精神力が心配

2014年10月28日(火)03時51分更新

 イケイケドンドン、まるでブルドーザー並みに前進を続けてきた安倍政権。「アベノミクスは確実に日本を前進させている!」と自画自賛し、ついこの前まで「地方創生! ローカルアベノミクスだ!」「女性活用! ウーマノミクスだ!」と舌っ足らずだが元気ハツラツ胸を張って国民に向けて大きな声、大げさすぎるアクションで力説していた。ところが好事魔多しだ。第二次安倍改造内閣発足以来、不祥事が続出。ついにはマスコミ各社から出される支持率も軒並み下落した。さすがに最近、覇気のない安倍首相の表情に、「まさか政権を途中で投げ出さないか」と心配する声も聞こえてきた。

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最近、心なしか暗い表情の多くなった安倍首相

最近、心なしか暗い表情の多くなった安倍首相

 28、29の両日、北朝鮮の平壌で開かれる日本人拉致被害者に対する日朝協議。被害者家族からは「北朝鮮に利用されるだけ。代表団は送るべきではない」と言われていたが、安倍首相は「派遣しないことによって、結果として今後、調査を行うことができなくなるというリスクを考え、判断をいたしました」として訪朝団の派遣を決めた。もちろん前回(2004年11月)の訪朝団派遣時には、全く別人の骨を「横田めぐみさんの遺骨」として提出してきた北朝鮮のこと、家族会が危惧するように、単に政治利用されたうえ、何が飛び出すかわからないのも事実だ。

◇北朝鮮とは話が付いている?

 実は今回の訪朝団に関して「安倍内閣にとっては勝算があっての派遣、もしくは起死回生を狙っての派遣かもしれない」(政界事情に詳しいA氏)と見る向きもある。「あくまで推測だが」と断ったうえで、A氏はこんな話を展開した。

「安倍内閣はこのところの失態で、いよいよ尻に火が点いた。このままだと支持率低下に歯止めがかからない。そこで、できれば10人単位、いや最悪1人でも2人でもいい。拉致被害者を帰国させることができれば大金星、支持率V字回復のきっかけにできる。もちろん中途半端な成果では被害者家族会からの反発はあるだろうが、成果は成果として国民にアピールできる。すでに北朝鮮サイドとは、さらなる経済援助と引き換えに話がついているのでは」

 もちろん相手は北朝鮮のこと「仮にどんな約束があったにしても、守られる保証はどこにもない」(同)というが果たして。

◇安倍首相を襲う内閣支持率低下

 このところ改造内閣の大きな目玉だった小渕、松島両女性閣僚の同日辞任に始まり、新任の宮沢経産相のSMバー問題に政治資金規正法で禁止されている企業(外国人の持ち株比率が過半数)からの献金が発覚した。また女性閣僚の一角、有村女性活躍担当相にも脱税会社からの政治献金が判明し、弱り目に祟り目の毎日が続いている。先週末に報道各社が行った最新の世論調査でも、内閣支持率はもともと低め(46%)だった朝日新聞の2?アップを除き、読売新聞が9?減など、おおむね5?前後下落した。2012年12月末に政権が発足して以来、常に60~50%台で安定していた支持率が、ここにきて50%を切る世論調査が目立ち始め、安倍首相本人も気が気じゃないはずだ。

 ある野党関係者の一人は「アベノミクスだ、三本の矢だ、とアピールしていたひところの安倍さんから見ると、やや元気がなくなったような感じを受ける。まさか同じ轍を踏むようなことはないとは思うが…」と声を潜めた。

 知っての通り、今の安倍政権は2006年9月に発足し、わずか1年(366日)の短命に終わった第1次に続き、2012年12月に首班指名を受けての2度目の登板。9月の内閣改造時までは、危なげない政権運営を続けていた。

◇安倍首相の精神力が心配…

 振り返ると第1次政権時、安倍首相は相当苦しんだ。閣僚たちに相次ぐ不祥事が発覚し、ドミノ式に次から次へと閣僚が辞任。中には松岡農相のように光熱水道費の問題で、自殺をする閣僚まで出てしまった。就任当初は60%前後あった安倍内閣支持率は結局、退陣時には30%前後まで落ち込み、安倍首相の表情も一変。目は窪み、視線は常に宙を舞い、焦点も定まらない有り様だったのは記憶に新しい。退陣表明直後、「機能性胃腸症」で緊急入院、過度のストレスなどが原因だったという。ごく親しい関係者からは、首相どころか政界引退を進める発言も飛び出したとも言われ、また「安倍首相うつ病説」を唱える精神科医も登場するなど、当時の安倍首相の症状はかなり重かったと言われている。

 もちろん、今はそれほど酷くなくても、閣僚や自民党議員の不祥事だけではなく、これから消費税10%への引き上げや原発再稼働、TPPなど問題が山積している。「万が一、このまま内閣支持率が下落し続け、30%台に突入するようなことになれば、精神的に安倍さんが追い込まれていくことは十分考えられる」(与党関係者)。

 前出A氏はこういう。「どだい精神的に弱い安倍さんは、もともと首相の器じゃない。例えば政権末期の内閣支持率でいえば現副総理の麻生(太郎)さんは10%台、現東京五輪組織委会長の森(喜朗)さんに至っては一桁だった。あまりの支持率の低さにさすがに退陣はしたけど、この二人はめげなかった。いまでも大きな顔してふんぞり返っている。オツムの良し悪しは別にして、まず精神的にタフでなければ首相は務まらない」

 さらにA氏がいうには「もし私の推測が外れ、今回の日朝協議が完全に不発に終わったとする。さらに11月16日投開票の沖縄県知事選で、米軍基地問題では歩調を合わせる仲井眞知事が落選すると、さらに安倍さんは窮地に追い込まれる。前科があるだけに、進退窮まった安倍さんの精神力いかんでは、来年の統一地方選を待たずして政権崩壊も十分あり得る」。

◇日本の国会議員って一体全体…

 果たして安倍首相の精神力はどこまでもつのか注目されるが、じゃあ安倍政権崩壊後、次はだれがいいのか、また自民党以外に政権運営を任せられるとしたらどの政党がいいのか。まず巷間伝わるところでは石破地方創生担当相が後継首相の最右翼と言われる。しかし「不祥事は自民党全体の問題。政治資金問題等、叩けばホコリの出る議員はたくさんいる。誰が首相になっても結局、不祥事は頻発する」(野党関係者)という見方は少なくない。では政権を民主党に戻すか。

「自民党がダメだから、民主党に政権を持たせ、でもやっぱり民主党は最悪だったから自民党が圧勝して今がある。結局、民主党もダメ。じゃあ公明党にする? 維新の党も面白そう? いっそのこと共産党に任せては? といったところで、どの政党も議員の数や政策に多少の差はあっても、議員個々人の資質は五十歩百歩。実はどの政党、どの議員を選ぶかどうか、その選択で進退窮まっているのは日本国民なのかもしれない」(A氏)。

 こうなれば「ええい! ままよっ!」。明治座の観劇を安く観賞できるようなバスツアーを企画してくれて、盆暮れには顔写真入りのラベルがついたワインを贈ってくれて、たまにSMバーにも連れて行ってくれる議員を選ぶのも一つの手かもしれない。

「敬意を表して国会議員たちを『選良』などという言い方をするが、それも今や昔の世迷い言。〝堕落した政治家には、あくどい国民がふさわしい〟…そんな自虐発言をしたくなるほど、今の日本の政治は腐っている」

 A氏はそう吐き捨てたが、これを暴言ととらえるか、はたまた正論なのか。何はともあれ、しばらく安倍首相の表情から目が離せそうにない。


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