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November , 2018
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安保法案可決は有権者の責任大!?

2015年7月16日(木)04時48分更新

 安全保障関連法案が自民、公明両与党の数の力で、いとも簡単に衆院特別委員会で強行可決されてしまった。早速、各所から「憲政史上、こんな暴挙が許されていいものか」、「国民を愚弄している」という批判が沸き起こっている。でもどうだろう。今さら安倍政権や自民党を批判しても後の祭りだ。そもそも自民党政権を選んだのは国民なら、安倍内閣を作るきっかけを与えたのも我々日本国民なのだ。批判されるべき自民党に投票した有権者、いや選挙権を行使しなかった有権者にこそあるのではなかろうか。

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 延べ110時間超という審議時間の長さを根拠に「議論は十分尽くされた」として15日正午過ぎ、衆院平和安全法制特別委員会で与党単独で安全保障関連法案が強行採決、可決されてしまった。議論は尽くされたと言いながら、安倍首相はこの日の野党議員の質問に答え「現在まだ、国民の皆さまのご理解が進んでいないのも事実であります。だからこそですね、理解が進むように努力を重ねていきたい」と発言した。そもそも国会審議とは、審議内容の理解を深めるもので、決して審議時間の長短で図るものではない。安倍首相自ら強行採決の矛盾を発言し、墓穴を掘った形になった。

このままいくと成立が決定的になった安保法案。すべての責任は自民党政権を誕生させた有権者にある!?

このままいくと今国会で成立が決定的になった安保法案。すべての責任は自民党政権を誕生させた有権者にある!?

「ただ墓穴を掘ろうが、失言しようが、今の安倍政権にとって痛くもかゆくもない。絶対安定多数の政権運営もさることながら、かつて自浄作用が働いた対立軸、いわゆる派閥間の緊張感は今の自民党内には全くない。まさに一党独裁ならぬ安倍晋三独裁政権だ。大量虐殺の伴ったヒトラー政権やポル・ポト政権と比べるのは酷だが、根本は一緒。戦後70年の時を経て、これほど権力を振りかざした内閣が登場したのは初めてではないか」というのは度々本サイトに匿名で登場願う政治ジャーナリストのX氏だ。

◇実は中韓を隠れ蓑にした売国奴?

 今回、自民党が強行採決に至った経緯は、同法案が16日に行われる衆院本会議で可決通過すれば、仮に参院で議決されなくても、最終的に衆院出席議員の3分の2以上の賛成があれば再可決できる「60日ルール」があり、9月27日までの今国会中に成立が可能になる。まさにタイムリミット最優先の可決だったというわけだ。

「安倍さんは4月の訪米の際、日本国民や国会を差し置いて、いち早く米議会で安保法制の成立を約束してしまった。これがすべてを物語っている」というのはある政界関係者だ。「60日ルール」も、まさに米国との約束を実行に移すための措置で、「国民や野党がいくら説明不足だ、暴挙だと叫んでみたところで、安倍さんには響かない。もともと安倍さんは米国が右向けと言えば右を、左を向けと言えば左を向く親米…いや従米のスタンス。今回の安保法制も、日本の平和を守るためというより、世界の警察を自認する米国を物心両面で支援するものであり、米国の脅威になりつつある中国に対し、日本の軍事力を強化することでけん制する思惑もある」(同)。

 実はこのあたりの流れもあって最近、熱狂的な安倍シンパと呼ばれていたネトウヨ(ネット右翼)の中にも安倍離れが見られるという。

「領土問題や慰安婦問題など、何かとあれば難癖つけては日本を叩きまくる中国や韓国に対し、安倍さんはひるむことなく強硬姿勢を取り続けてきた。それがネトウヨの人たちの支持を集めてきたが、安保法制審議を見ていると、どうもおかしいと思い始めた。『これって日本のためと言いながら、実は米国のための法案ではないのか。安倍さんを正真正銘の愛国者と思って支持してきたけど、実は中韓を隠れ蓑にしてアメリカに魂を売る売国奴なのではないのだろうか』とね」というのは野党関係者。

◇国民も野党も強行採決に文句は言えない

 いやはや、いろんな見方もあるものだが、前出X氏は今回の強行採決に関して「呆れはするけど、驚きもしない」としてこう続ける。

「ひとまず安保法制が憲法違反か否かの議論はおくとして、今回の強行採決は議会制民主主義の原則から言うと、国民も野党も文句は言えない。昨年の衆院選で自民党を大勝させたのは紛れもなく有権者である国民だし、自民に対抗できなかった野党の力不足。いくら吠えても泣いても始まらない」

 ただX氏によれば、「100%は無理でも投票率は最低でも70%を超さない限り、到底まともな選挙が行われたとは言えな」いという。戦後間もない1946年に行われた総選挙で72.08%を記録した投票率は、それから70%前後で推移してきた。58年には戦後最高の76.99%を記録し、平成入りした90年にも73.31%の高投票率を記録している。2009年に自民党を下野に追い込み、民主党政権を誕生させた総選挙でも69.28%と高い投票率を記録したが、自民党政権に戻った12年の総選挙は一気に10?も下がる59.32%、その時点で史上最低の投票率と騒がれた。

◇選挙で投票することが国民の責務

 そして14年末、現在の安倍内閣を誕生させた総選挙の投票率は52.66%で、2回連続で史上最低を更新してしまった。総有権者数1億396万2784人(当時=以下同)、そのうち投票に行かなかった有権者はほぼ半数の4921万9687人にも上り、さらに言えば自民党に投票した有権者は選挙区で2546万人(比例区では1765万人)しかいなかった。

「とどのつまり、いくら政権与党第1党と胸を張っても、自民党を支持する有権者は全有権者の4分の1程度しかいない。それなのに8割前後の国民や野党の批判を押し切って、強行採決という暴走ができてしまうのも議会制民主主義、多数決の怖いところ。いまさら投票にもいかなかった有権者が安保法制反対、安倍内閣はケシカランと怒ったところで始まらない。こうなりたくなかったなら、しっかり選挙に行き、民主党でも共産党でも、また維新の党でもどこでもいい。少なくとも与党である自民党、公明党以外の野党に投票すべきだった。責められるべきは選挙権を行使しなかった有権者だ(X氏)

 もし安倍政権、また自民党が許せないと思うなら、少なくとも来年行われる参院選でシッカリその態度を投票という形で示し、キッチリと自民党政権と決別すべきなのだ。ただX氏はしみじみとこう話す。

「いまの状態で近々、選挙を行えば、自民党は間違いなく大きく議席を失う。ただ日本人は、喉元過ぎれば一瞬のうちに熱さを忘れる国民性。ちょうど1年後に行われる参院選では、安保法制でこれほど大きな問題になったことも、すっかり忘れているに違いない。そうだとしても、まずは投票だけは絶対にいく。いまの国民に求められる最低限の責務ではなかろうか」

 国民が一流なら政治も一流、その代わり国民が二流、三流なら政治も二流、三流になる。逆もしかりだ。これって何を意味するのか、我々日本国民は真剣に考えなければいけない時にきているのかもしれない。


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