田中将大DL入りに「すでにピークは終わった!?」の声(今日見新々4月29日=水②)
本サイトの危惧が現実に!! 30日(現地時間29日=以下同)に予定されていた今季5度目の先発マウンドが、最悪のシナリオで流れてしまった。この日、ヤンキースのエース田中将大(26)が右手首の炎症と右前腕の軽い張りのため、15日間の故障者リスト(DL)入り。最短でも約1カ月間、戦線離脱することになった。
ブルージェイズを相手にした7日の開幕先発マウンドでは、4回82球6失点の大炎上で降板の憂き目にあった田中、現地メディアは、一斉に批判の集中砲火を浴びせた。2度目のマウンドでも、決して本調子といえない4失点を喫しながら、味方の大量援護に助けられ今季初勝利を挙げた。まるで別人の変化を見せたのが次戦のレイズ戦。7回85球を投げ、レ軍打線を散発2安打零封に抑え「田中健在」を猛烈アピール、地元紙はてのひら返して、大絶賛してみせた。続く24日のタイガース戦も6回3分の1を94球3安打1失点に抑え、勝ち星こそ逃したが、チームの勝利に貢献した。チームも首位(29日現在)をキープし、さあこれからという矢先の戦線離脱。指揮官のジラルディ監督も「全く予想していなかった」とショックを隠し切れない様子でガックリ肩を落とした。
◇手術も視野?
今回、違和感と痛みを覚えた個所は、昨年痛めた右肘とは直接関係ないと言われ、田中本人も「できるだけ早くに復帰したい」と口にする。ただ「昨年痛めた右肘をかばうあまり、手首を痛めたり右腕の筋肉に負担がかかっていたとすれば、かなりマズい状況だ」と心配を口にしたのは在京球団幹部のA氏だ。A氏は開幕当初の田中のピッチングを見て、本サイトでも不安を口にしていた(7日付参照http://idobata-press.com/news/8962.html)一人。
「今回も手術の必要はない、と田中サイドは言っているようだが、やはり高校時代からの右腕の酷使は、確実に田中の投球に影響を与えている。恐らく球団サイドは最悪、ダルビッシュが受けたトミー・ジョン手術(じん帯再建手術)も視野に入れていると思うが今後、手術があってもなくても、田中の全盛期はすでに終わってしまっているのではないかと心配している」(A氏)
「タイプは違うが」と前置きして話すのは、スポーツジャーナリストの一人。田中と同期の日本ハムの斎藤佑樹(26)を引き合いに出してこう話す。
「田中が駒大苫小牧、斎藤が早実のエースとして2006年夏の甲子園決勝で激突。15回でも決着つかずに翌日再試合、斎藤はすべて一人で投げ抜き優勝に貢献、田中も最初の試合は3回途中から、次の試合でも1回途中から投げ抜いたのは記憶に新しい。その斎藤は、手術こそしていないものの2012年に右肩関節唇損傷を起こし、それ以来、全盛時には程遠く、不本意な成績しか残せていない。本格派、軟投派とタイプは違うが、やはり高校時代からの肩や肘への負担が両者を蝕んでいるといっても過言ではない」
現役ではソフトバンクの松坂大輔もそう。「横浜高校時代からの連投が、今の彼を苦しませている」(同)という。
◇高校球界である程度のルール作りが必要か
ようやく高校球界でも投手の負担を減らすための動きが活発化。春夏ともに甲子園大会では、13年春から準々決勝が終わると1日休養日をもうけており、国体や秋の明治神宮大会で導入済みのタイブレーク制度が、今年の春季地区大会からも採用され、甲子園大会の導入も検討されている。また投球回数制限、球数制限まで念頭に置いた話し合いも続けられている。
ただ関東圏のある高校で、硬式野球部の監督を経験したことのあるBさんは「私が指導した高校は強豪校ではなかったが」としてこう話す。
「甲子園に出てくる高校球児といっても、すべてがプロの素質のある選手やプロ入りを目指しているわけではない。多くは甲子園で燃え尽きる覚悟でプレーしている。それは投手も一緒。日常生活に支障が出るほどのケガをされると困るが、エースはみんな最後まで一人で投げ抜きたいと考えている。ヘタに投球制限で縛りを設けてしまうと、そういう子どもたちの夢や気持ちを踏みにじることにもなりかねない。やはりプロ入りを期待されるような選手は、それこそ周囲も気に掛けるなどして、自己管理の上で投球をしてほしい」
もちろん、そこは団体競技の難しさ。へたに特別扱いすると、その選手の立場がなくなるし、「お前はチームの勝利より、自分の将来を取るのか」などと言われ、イジメの対象にされかねない。やはりある程度、高校野球連盟を中心に、一定のルールづくりが必要なのかもしれない。
さて心配なのは田中の状態だ。MRI検査等では骨には異常がないと診断されているようだが、決して楽観視できる状態でないことは確かだ。また本サイトが取材する限り、前出のA氏も言うように、あまりいい話は聞こえてこない。田中のDL入りで、すでに今季絶望のダルビッシュ有(28、レンジャーズ)、右広背筋の炎症で24日からDL入りした岩隈久志(34、マリナーズ)、それにいまだマイナー調整中の和田毅(34、カブス)の先発日本人メジャーは誰一人いなくなった。メジャーファンにとっては寂しい限りだが、ぜひ侍のような不屈の精神で故障を克服し、またマウンドに戻ってきてほしい、そう期待したい。
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