元夕刊紙記者たちが、井戸端会議感覚で読者の皆さんに話題のニュースを広く浅く、たまに奥深く提供します

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　日ごと新しいニュースが飛び込んでくる。本サイトが毎日のニュースをコンパクトにまとめた「今日見新々」。今日はどんなことがあったんだろう。早速覗いていよう。

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　【敢えて難解な言葉を使った三原じゅん子議員の底の浅さ】

三原議員には、ぜひわかりやすい言葉での国会答弁をお願いしたい！？（写真は三原議員の著書「生きたい」＝講談社刊）

　自民党のタレント議員、三原じゅん子参院議員（５０）が発した言葉が物議を醸している。同議員が１６日の参院予算委員会で質問に立ち、企業の国際的な租税回避問題を取り上げる中で飛び出した。「租税回避問題というのは、その背景にあるグローバル資本主義の光と影の、影の部分に私たちは目を背け続けることはできないのではないかと、そこまできているのではないかと思えてなりません」としたうえで、「そこで今日、皆様方にご紹介したいのがですね」と前置きしてある言葉を得意満面に紹介し始めたのだ。

「日本が建国以来大切にしてきた価値観、『八紘一宇（はっこういちう）』であります。八紘一宇は初代神武天皇が即位の折に〝掩八紘而爲宇（あまのしたおおいていえとなさん）〟とおっしゃったことに由来する言葉です。（中略）八紘一宇とは世界が一家族のように睦み合うこと、一宇、すなわち一家の秩序は一番強い家長が弱い家族を搾取するのではない。（中略）世界中で一番強い国が弱い国、民族のために働いてやる制度ができたとき世界は平和になる、ということでございます。（中略）八紘一宇の中にですね、現在のグローバル資本主義の中で、日本がどう立ち居振る舞うべきかというのが示されているのだと、私は思えてならないんです」

　日本が建国以来、大切にしてきた価値観と言われても、「そんな言葉初めて聞きました」というのは東大工学部を卒業し、今は東大大学院１年生（２３）の学生だ。さすがに世代が若すぎるが３０～６０代の１０数人に聞いたが残念ながら、誰一人この言葉を知らなかった。

　ひとしきり三原議員が説明し終わると、「麻生大臣！」と演技がかったほほ笑みで呼びかけ、「いかが、この考えに対して、いかがお考えになられますか？」と麻生財務相に質問した。すると「もうここで（参院予算委に出席の議員を見渡して）、戦前生まれというのは２人ぐらいですかねえ」と苦笑いしつつ、八紘一宇に言及し、最後は「こういった考え方をお持ちの方が、三原先生みたいな世代におられるのに、ちょっと正直驚いたのが実感です」と手短に答えた。途中、メーンストリーム（本流）という言葉こそ使った麻生財務相だったが、三原議員に賛同したというより、軽くいなした感じで、深くは言及しなかった。

　この「八紘一宇」という言葉は、確かに三原議員の説明通り、「強いものが弱いものを助け、それで世界が家族のようになれる」という理想世界を表現した言葉には違いない。ところが「この言葉は戦前を含めた第２次世界大戦中、日本がアジア諸国に侵攻する際に『世界平和のためには侵略もやむなし』と大義名分のように使われたスローガンで、軍国主義の象徴のような言葉だった。さすがに女優もやられた方だけに、国会答弁も堂に入っているし、セリフ回しも完ぺき。抑揚の付け方など惚れ惚れするほど。ただ発言原稿は、三原議員本人というより、ブレーンがフォローしているのだろうが、誰が、どこからこの八紘一宇という言葉を持ち出したのか。とにかく歴史認識が甘すぎた。不用意な言葉を使ったなというのが正直なところ。刺激しなくていいような場面で中国や韓国を刺激してどうするという発言だった」（政界関係者）

　案の定、韓国の日刊紙「中央日報」が早速、「日本の国会で、『八紘一宇』という言葉が登場した。第２次世界大戦中、日本軍のアジア侵略を正当化するために学校などで広く使われたスローガンだ。天皇制の核心思想でもある。まだ日本の社会に『八紘一宇』の郷愁が残っていることを自ら認めたということだ」と断罪した。

「三原議員にひと言アドバイスすれば」と前置きして、人材アナリストのＡ氏はこう続けた。

「政治家としてのアナタの役目は、国民に分かりやすい言葉で語りかけ、そして政治に興味を持たせることだと私は思う。世界が一つの家族とおっしゃりたかったのであれば、それこそ、かつてマイケル・ジャクソンさんたちが歌って大ヒットした『ウィ・アー・ザ・ワールド』を歌うとか、『世界は一家、人類はみな兄弟』と言えばよかったんです。ヘタに難しい言葉を使えば、仮にアナタが独自に考えた言葉だったとしても『アッ、これは台本だな。アナタの言葉ではないな』と思われてしまう。アナタの言葉、身の丈に合った言葉でわかりやすく…これができるようになればアナタは一皮も二皮も剥けて、立派な国会議員になれる。背伸びをする必要はない」

　別に国会議員だけではない。社会人の中にも、難しい言葉を使いたがる人は結構多い。「ただし難しい言葉を使うから評価されると思ったら大間違い。どれだけ簡潔、簡単な言葉を使い、わかりやすく説明できるかが大事。結婚式の祝辞や葬儀の時の弔辞を見てもわかるでしょう。難しい言葉を使いたがる人に限って、ダラダラと脈略の無い言葉の羅列が続き、列席者を呆れさせる。興味深く聞かせる人は、意外と簡単、簡潔、手短に終わらせる。それが話術というものです」（Ａ氏）。

　それはそうと、やはり「八紘一宇」が建国以来大切にしてきた価値観と言われても…。われわれ多くの日本人にとっても？？？？？？？の言葉でしかないことは確かなようだ。

　【不良免震ゴム施設公表】

　免震ゴム性能偽装問題で揺れる東洋ゴム工業だが、国土交通省はこの日、偽装ゴムが使われた全国５５棟の建物のうち、公共性の高い庁舎１２棟、病院２棟、複合施設１棟の計１５棟を公表した。民間の病院４棟も所有者の同意を得られれば公表するとしているが、分譲マンションなどの共同住宅等は資産価値に影響を与えたり、風評被害等を考慮して公表しないという。ただし、今後の調査次第で危険が判明した場合、その限りではないとする。公表施設は以下の通り。

　＊日立市消防本部（茨城県）＊横浜・神奈川芸術劇場（神奈川県）＊長野市第一庁舎（長野県）＊御前崎市消防庁舎（静岡県）＊多治見砂防国道事務所庁舎（岐阜県）＊鳥羽警察署庁舎棟（三重県）＊伊勢庁舎本館（同）＊県立志摩病院外来診療棟（同）＊舞鶴医療センター（京都府）＊枚方寝屋川消防組合消防本部新庁舎（大阪府）＊県庁第一別館（愛媛県）＊県庁本庁舎（高知県）＊安芸総合庁舎（同）＊高知東警察署庁舎（同）＊南国警察署庁舎（同）

　【任天堂がネットゲーム企業の軍門に下る！？】

　この日、ゲーム機最大手の任天堂が、モバゲーなどで知られるポータルサイトゲーム最大手のディー・エヌ・エーと資本業務提携を結び、スマートフォン向けゲーム事業に参入することを発表した。出資額はともに２２０億円、マリオなど同社の強力コンテンツでスマホ界に殴り込みをかける。　もともと同社の岩田社長はスマホゲーム参入には、マリオをはじめとしたキャラクターの価値を下げる懸念があるとして、慎重な立場を取ってきた。ところが今３月期連結決算で４年ぶりに営業損益が３１６億４００万円（昨年は１５億７８００万円の赤字）の黒字が見込まれ、ここが攻め時と判断したと言われている。それに今回の黒字も円安相場が後押ししていることもあり、本業の手詰まり感を打破する狙いもあるようだ。

「やるからには絶対の勝算を持って臨みたい」（岩田社長）とする一方で現在、任天堂では新型ゲーム機を開発中であることからも「主力は専用ゲーム機」（岩田社長）という姿勢は崩しておらず、あくまでスマホ向けゲームは副次的。ただ既存の携帯ゲーム機「ニンテンドー３ＤＳ」や据え置き型ゲーム機「ＷｉｉＵ（ウィーユー）のファンがスマホに流れる懸念もある。当たれば（儲けが）大きいと言われるスマホゲームだが、果たして期待通りの結果を残せるか。任天堂にとっては、正念場を迎えることになりそうだ。