連載コラム『クレーマー天狗』第4回~勘を忘れた警察~
アラカン(還暦)ならぬアラサン(傘寿)世代の本サイトご隠居顧問が、あらゆる話題に斬り込む『クレーマー天狗』。今回、ご隠居がターゲットにしたのは、世界に冠たる安全大国を演出する日本の警察だ。最近の事件捜査を見ていると、歯がゆくて仕方ないというご隠居。特に最近起きた小学1年女児の殺人、死体遺棄事件は苛立ち過ぎて、便秘になったらしい。そのワケは?
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神戸で小学校1年生の少女が行方不明になったのが9月11日。そして少女の頭部が発見されたのがおよそ2週間後の9月24日。この間、連日のように150~180人の警察官が少女の捜索に動員され、自宅を中心に近くの川をはじめ公園や広場など、目撃情報や少女の足取りを追って手がかりをつかもうと懸命の捜査、捜索が続いたよね。あの警察官たちがもしバイトの学生さんだったら、人件費が大変だろうよ。
◇世界三大警察の一角だったハズなのに…
まあ、そんなことは警察のお偉いさんに任せておくとして、それにしてもあれだけの数の警察官を、雲をつかむような手掛かりを得るために、長い棒を持たせて川を探させたりする前に、どこから探すのが合理的かつ効率的かを考えていないのかねぇ。捜査本部が設置されたら、ふつうは所轄の長田署長が指揮をとる(事件の規模や性格によっては県警本部から派遣される)と聞いているが、今回はどっち?
どのマスコミもこの点の批判はほとんどしていなかったように思うが、それはなぜか。このナゾ解きはさておいて、事件が起きた被害者の少女(生田美玲ちゃん=6歳)の自宅周辺には真っ先に探すべき場所があった。バラバラにされた遺体が発見された雑木林だ。こんなことは事件とは無縁の人間でさえ気がつく〝怪しげなにおいがするもっとも臭い場所〟ではないのか。
そのもっとも臭い雑木林に捜索の手が入ったのは、事件発生から13日目の23日だったというからあきれるほかない。美玲ちゃんの自宅から僅か100㍍の雑木林は「すでに何回も捜索ずみ」としていたのに、捜索したのは周辺の空き家で、茂みのほうはさっとなでた程度でほとんど調べていなかったいうお粗末さ。これが、かつてはイギリスのスコットランドヤード、アメリカのFBIと並んで〝世界三大警察〟と称された日本の警察とは思えない凋落ぶりではないか。何はさておいてもこの雑木林から重点的に捜索を始めるべきだった。連日150人態勢で約2週間、延べ2000人の人件費は結局国民の税金から支払われるのだ。その人海戦術が実際に有効だったのは最後の半日分だけで、そのほとんどが関係のない場所の捜索に空費されていたことになる。税務署のガサ入れなら1~2時間で目的のブツを探し当てていただろうよ。
◇なぜマスコミから批判がでない?
まだある。君野康弘容疑者(47)宅を捜索しながら、初日は「何もありませんでした」であり、2回目は「美玲ちゃんのものと思われるリュックを見つけました」となり、3回目には………。もうまるで田植えが終わったばかりの水田から精密機械の部品を探し出すようなまだるっこさ。小さなアパートの1室からクマのぬいぐるみの付いたリュックを発見するのに、数回のがさ入れが必要だったとはねぇ。
さらに、本人の診察券や指紋、その他動かぬ証拠を手に入れながら、容疑者から犯行に関する詳しい供述がなにも得られていないというに及んでは、もうなにをかいわんやではないか。それでも、マスコミから批判らしい批判が出ないのは、一体なぜなのか。だれに聞いても「まあ、現場の記者さんたちは今後も警察に出入りして、署長から末端の巡査まで毎日顔を合わせて取材しなければならないわけで、やはりそこはねぇ…」と訳がわかったようなわからんような言いわけが出てくるのがオチだろう。天狗のオジサンの便秘は当分治りそうもない。
(本サイトご隠居顧問=当コラムは毎週月曜、木曜の週2回掲載=都合により休載の場合もありますのでご了承ください)
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