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November , 2018
Thursday

「コトワザウルス」~後の祭り

2015年4月14日(火)12時29分更新

 アラカンならぬアラサン世代の本サイトご隠居顧問が世に伝わる諺、名言(迷言?)、慣用句…などなど言葉の数々をクローズアップしてお届けする「コトワザウルス」。今回は、いよいよ安倍政権の重要課題の一つ集団的自衛権が本格論議されようとする中、ご隠居はそもそもの疑問を口にした。「『防衛省』は一体何を防衛してくれる役所なの?」と。かつてご隠居が話を聞いた国際ジャーナリストの言葉が、今も胸に響いてくる。

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ご隠居は大森氏が日本で活躍していてくれたら…と嘆く一人だ(「大森実伝~アメリカと闘った男」=小倉孝保著、毎日新聞社刊)

ご隠居は「大森氏が日本で活躍していてくれていたら」と嘆く一人だ(画像は「大森実伝~アメリカと闘った男」=小倉孝保著、毎日新聞社刊)

 その昔、毎日新聞外信部長をやめて『オブザーバー』という週刊新聞を立ち上げた大森実氏(故人)に聞いた話だが、この世界的なジャーナリストが駆け出しの頃、当時の〝大物〟と言われる人物に会うのが意外にも苦手だったという。あの人の容貌から想像もつかないこのぶっちゃけ話に思わず身を乗り出して聞き入った記憶がある。同氏は続けてこう言った。「当時、朝日新聞の記者だった義兄(同氏の実姉の夫で柴田錬三郎氏の実兄)にこのことを打ち明けたんだ」。そして、どうすれば平常心で会えるようになるかと聞いたところ、義兄は笑いながらこう教えてくれたという。「簡単さ。その人物に会う前に、その人がうん〇をする姿を想像することだ」。この一言がその後の大森氏を〝世界の指導者たち〟と対等に渡り合えるジャーナリストに変えたのだから正に「黄金の教え」だった。この香り立つ? ような金言を全く生かせなかった筆者には「馬の耳に念仏」「猫に小判」あるいは「豚に真珠」だったと猛省している。(あっ失礼。先日このサイトで爆笑問題の太田光、光代夫妻を支えてきた立派な愛猫の物語を読んで感動したばかりなので、「猫に小判」を削除します)。

◇大森さんが日本と決別していなければ…

 前の東京オリンピックの数年後、昭和43~44年頃だったか、その大森さんから仕事の余談として聞いた話をふと思い出した。「君らは知らないと思うけど、いま日本海をナゾの高速艇が我が物顔で跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)しているんだよ。国籍も目的も一切不明で…」と言いかけた時、出版社からの電話で中断されてしまった。なんのことかと、あまり興味も湧かぬまま、同氏の青山(当時)の事務所を辞したが、いま思えば、これが北朝鮮の工作船情報だったのだ。と言うのに時あたかも日本は高度経済成長の初期で、30歳台半ばの浮かれ気分の筆者の記憶から〝ナゾの高速艇〟の話は急速に薄れ、そして消え去っていった。

 横田めぐみさんが行方不明になったのがそれから7~8年後の昭和52年11月15日。さらにこれが北朝鮮による拉致事件と断定されるまで、かなりの時間が流れることになるわけで、大森さんが話しかけた〝ナゾの高速艇〟が筆者のニブイ頭の中で〝工作船〟と結びつくはずもなかった。そして、大森さんは活動の拠点をアメリカ・カリフォルニアに移し、ウォーターゲート事件をはじめ世界の偉大な指導者たちの取材・著作に専念することになり、日本とはほぼ決別状態になった。

◇税金の分だけでも本気で取り組め

 ここから先は「レバタラ」の話になるが、もし同氏が日本に残り、高速艇の正体を突き止めていたら、めぐみさんをはじめ、多くの拉致被害者を出さずに済んでいたかもしれない。いや、大森氏はあくまで私人であり、この情報を追って正体を突き止める義務など全くない。悔やまれてならないのは日本の安全を守る防衛庁(当時)がこの情報を知ってか知らいでか、ピクリとも動かなかったことだ。ジャーナリストとは言え一個人が知り得た情報を、防衛庁がキャッチしていない訳がない、と考えるのが普通だろう。海上保安庁の船では追いつけなくても、海上自衛隊の駆逐艦クラスの艦艇なら領海から駆逐することもできたし、高速艇の1隻でもだ捕していれば、拉致事件という大きな悲劇は防げたはずだ。日本の安全を守るための艦船が日本の領海を遊弋(ゆうよく)して何が悪いのだ。

 問題の竹島だって、小笠原海域の中国漁船の密漁による世界遺産荒らしだって、腕を組んでばかりいないで、税金分だけでも防衛省は本気で取り組めよ。民法でいえば竹島はとっくに取られてるじゃないか。


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