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今日見新々(5月1日=金)~①日活ロマンポルノが復活へ~名監督、名女優がズラリ

2015年5月1日(金)11時33分更新

 【日活ロマンポルノが復活へ~夏には新作製作開始】

デビューは日活ロマンポルノだった美保純は、今や幅広い活躍で人気を博している

デビューは日活ロマンポルノだった美保純は、今や幅広い活躍で人気を博している

 匂いではない。まさに臭いがした。汗とは違う、すえたような独特の臭いがした――日活はこの日、「ロマンポルノ リブート プロジェクト」(ROMAN PORUNO REBOOT PROJECT)をスタートさせ、2016年に日活ロマンポルノを復活させると発表した。来年公開を目指して、夏には新作の製作に取り掛かるとしており、来年以降、新旧合わせたロマンポルノを劇場公開し、ポルノ映画の活性化を図っていくという。

◇映画作りの情熱が名監督たちを生みだした

 そもそも日活ロマンポルノは、映画産業が斜陽化し、日活の経営が大きな転換期を迎える中の1971年から88年までの17年間にわたり、合計約1100本製作された成人映画レーベルだった。今や本番当たり前のAVと違い、すべて前バリを使うなどした疑似行為で、その上、モザイクやボカシは必要以上に使うことはない。女優の陰毛1本でも映ろうものなら、わいせつ罪に問われる時代。花瓶などの置物で〝その部分〟を隠したり、カメラワークを駆使して、見るものの想像力をかき立てた。若手監督たちは、存分にその力と能力を映画作りに生かし、そして大きく育っていった。

「ロマンポルノ出身で、その後、一線で活躍する有名映画監督は数多い。低予算の中で、どれだけ映画ファンを喜ばせることができるか…とにかく製作者サイドの情熱は半端なかった。常に現場は活気に満ちていた」というのは元某夕刊紙で芸能担当をしていた本サイトの還暦超え記者だ。「相棒」劇場版シリーズの和泉聖治監督(68)、「探偵物語」や「雪に願うこと」、「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」の根岸吉太郎監督(64)、「家族ゲーム」や「失楽園」、「武士の家計簿」森田芳光監督(11年没、享年61)、「セーラー服と機関銃」や「台風クラブ」の相米慎二監督(01年没、享年53)、第二期「ガメラ」シリーズや「デスノート」などの金子修介監督(59)…ロマンポルノ、ピンク映画の巨匠の神代辰巳監督(95年没、享年67)に、ロマンポルノだけでなく青春映画にアイドル映画、さらに自ら俳優として日本アカデミー賞助演男優賞を獲得した藤田敏八監督(97年没、享年65)などがいる。

◇女優陣にも意外と有名人がズラリ

 主役はもちろん女優陣。団地妻シリーズの白川和子(67)に緊縛の女王、谷ナオミ(66)、宮下順子(66)に田中真理(63)…誰を入れて誰を切ればいいか分からないほどポルノ界のビッグネームは数多い。歌手の松田聖子が全盛期だった80年代には〝ポルノ界の聖子ちゃん〟と呼ばれた寺島まゆみ(54)が登場し、ポルノ界にもアイドルと呼ばれる女優も台頭してきた。中でも81年に「制服処女のいたみ」で主演デビューし、「ピンクのカーテン」でブルーリボン賞新人賞を受賞して大ブレークした美保純(54)は、その後、映画「男はつらいよ」シリーズのタコ社長の娘役をはじめ、映画、ドラマ、さらにはバラエティーと活躍の場を広げ、今では〝弾けた熟女女優〟として人気を博している。

 他にも「渡鬼」シリーズで泉ピン子をいびる小姑役が有名な東てるみ(58)をはじめ、岡本麗(63)、伊佐山ひろ子(62)、永島映子(59)などドラマや映画の脇役で活躍する女優もポルノ出身だ。単発で脱いだ有名人も多く、当時、「カナダからの手紙」が大ヒットした畑中葉子(56)が80年に「愛の白日夢」、「後ろから前から」で立て続けににっかつポルノで脱ぎ、大騒ぎになった。人気に陰りがあればなおさらで、かつて国民的アイドルだった天地真理(63)が33歳の時に「魔性の香り」でポルノデビュー、歌手では他に伊藤咲子(57)や五十嵐夕紀(54)、松本ちえこ(55)やピンキーとキラーズのボーカルだった今陽子(63)、漫才師だった春やすこ(53)なども脱いでいる。女優は大信田礼子(66)や児島美ゆき(63)、高田美和(68)や宇都宮雅代(67)など数え上げればキリがない。

 果たして日活ロマンポルノが、今の時代に受け入れられるかどうかは新作の出来や、これからのPRにかかっている。そんな中、こんなワガママをいうファンもいる。「これから製作するという新作は、まあ今時の快適な映画館で上映すればいいが、できれば旧作は時代を感じさせる映画館で見たい。ポルノを見ながら、気持ちだけでもあの時代にタイムスリップしたい。ぜひ雰囲気も大切にしてほしい。それに、きっとAVに慣れ親しんだ今の若者たちにも、新鮮な驚きと刺激を与える効果があるんじゃないだろうか」(東京在住の60代半ばの無職男性)

 たかがポルノ、されどポルノ…若者はどうか知らないが、日活ロマンポルノの復活を期待する中高年は決して少なくないのは確かなようだ。


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