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日経新聞記者が元AV女優…それのどこが悪い!

2014年10月2日(木)11時03分更新

 日経記者が元AV女優だったと大騒ぎだ。だが待てよ、違法薬物だ、売春だ、殺人だ…などと法を犯すような行為をしたというなら話は別だが、そんな大騒ぎすることなのだろうか。「日経とAV嬢」の組み合わせに多少の違和感はあるが、興味本位でただ伝えるだけなら立派なプライバシー侵害だ。AV女優だって立派な職業、時代は確実に変わりつつある。

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元日経記者のAVデビュー作「ロリボイン」

元日経記者のAVデビュー作「ロリボイン」

 2日発売の週刊文春で「日経新聞記者はAV女優だった! 70本以上出演で父は有名哲学者」と報じた。AV女優当時の芸名は佐藤るり、現在、アラサーの彼女は2007年に「ロリボイン」でAVデビュー、何でもバスト90㌢のGカップにウエスト60、ヒップ85のダイナマイトボディーを引っ提げ、3PありSMありのなかなか過激な作品も含め、70本以上のAVに出演していたのだとか。

◇華麗なる経歴

 その彼女、09年に40倍とも50倍とも言われる超難関の試験を突破して日経新聞に入社。地方部所属の記者として都庁クラブで都政を取材し、昨年、レイアウトや見出しをつける整理部に異動、先月退社した。彼女が一部、取材に答えたところによると、会社にAV出演がバレたから辞めたわけではない。また退社理由を家庭の事情としているが、親バレは、すでにデビューしたての学生時代。そのときは哲学者でもある父から「AVも一つの表現行為、頑張れ」と励まされたという。すでに父の実名もネット上では流れているが、ここではあえて伝えない。さすがオーストリアの精神学者フロイトに関連する著作などもある学者だけに、理解の仕方も哲学的なのだ。

 彼女の華麗な経歴は、日経記者というブランドだけではない。大学は慶応大学環境情報学部を卒業し、東大大学院学際情報学府を出た才媛。さらにまだ日経記者だった昨年、鈴木涼美のペンネームで「『AV女優』の社会学~なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか」(青土社刊)を上梓し、出版界にもデビューを果たしている。また幻冬舎のウェブサイトでコラムを連載しており、近々それをまとめた「お乳は生きるための筋肉です~夜のおねえさんの超恋愛論~」が単行本として出版されるのだとか。日経退職後も、まさに順風満帆な未来が待っていそうだ。

 この絶妙なタイミングでの本格文壇デビュー。そう考えれば、文春の記事も〝暴露〟というより、両者の利害が一致しての〝バーター〟感がぬぐえなくもない。ただ仮にそうだとしても、これはあくまでレアケース。やはり一般的に一流新聞記者が元AV女優だったとなれば、一大事件として扱われてしまう。AV業界に詳しい事情通は「ただし」と前置きしてこう話す。

「数はもちろん少ないですが、学生時代にAV(着エロを含む)に出ていて、その後、新聞社や出版社に入社した娘は何人か知っていますよ。マスコミに入るくらいだからどの娘も超高学歴。皆、一流大学に通いながらバイト感覚でAV女優をやっていたと聞いてますよ。まだ退職していなければ○○新聞には2人いるはずです」

 かなり狭い世界の新聞業界でこうだと、職業ジャンルを全OLまで広げると、その数は計り知れない。現在、年間2000人とも3000人ともいわれるAV女優がデビュー、これまで世に出たAV女優は10万人とも20万人とも言われている。「相変わらず、借金の返済や男に貢ぐためなど、訳ありデビューもそれなりにいるが、最近は『エッチもできて、おカネも稼げて』という趣味と実益を兼ねてやってくる女性も多い。どうしてこんないい会社に勤めていて…なんて娘もいますから」(事情通)。

◇プライバシーの侵害は許せない

 かつては〝超セレブ〟とか、〝ご令嬢〟、はたまた〝超有名現役女子大生〟などをうたっていながら、かなりマユツバが多かった世界。ところが歴史は一気に変わりつつある。「ただ身につまされるのは、特に最近、地方出身の大学生は、学費だけは親が出してくれても、住居費、光熱費を含め、生活費はすべて自分で何とかしなくてはいけない娘が少なくない。よくよく聞けば、学業を続けるため、手っ取り早く稼げるこの業界に入ってきた娘もいます」

 といっても、いまだAV業界に対する偏見は根強い。「AV出演…私は全く理解できません。一生独身でいらっしゃるのなら、少しは理解できても、もし家庭を築こうとお思いでしたら、後々のことを考えるとどうなんでしょ」(40代、横浜市の主婦)や「AVにはたまに世話にはなるけど、もし嫁さんがAVに出てたってなったらやっぱり離婚問題に発展しますね」(30代、大手製造業本社勤務の会社員)。

 もちろん心情的な許容度は個人で違うだろうが、有名女子大卒の元AV女優と結婚した会社員のAさん(30代)はこういう。「もちろんすべてを知ったうえで結婚しました。そりゃあ今もAVに出たいと言われれば困りますが、彼女は浮気もしませんし、私に尽くしてくれています。結婚して3年経ちますが、自分で言うのも恥ずかしいくらいいまでもラブラブ。お互いが幸せなんだから、他人がとやかくいうことじゃないと思いますよ」

 Aさんが続けて言う。

「考えてみてください。主婦だってテレクラだなんだってのにハマって人生踏み外す人だっているわけでしょ。若い娘の援助交際もそう。ドロ沼の不倫劇なんか見ていると、妻の過去がAV女優ぐらいで動じることも恥じることも全くない」

 ただ胸を張ってそういうAさんもややトーンダウンしてこう続けた。「だからといって、いまだAV女優に偏見が強い日本では、わざわざその事実を口外する必要はない。自然と知られる分は仕方ないですが、社会生活を円滑に進めていくには、妻がAV女優だった過去は知られないほうがいい。だからこそ、もし今回の文春のケースが、当事者に一切の許可も得ずに書かれた特集なら、まさにプライバシーの侵害です。そこまで踏み込む権利は文春にはないと思います。ぜひ話題作りの出来レースであってほしい」

 元AV女優だからと恥じることはない。あの天下の日経から、自らおさらばしたその意気やよし。過去の芸名佐藤るり、ペンネーム鈴木涼美さんの第二、いや第三の人生に幸多かれと祈るばかりだ。


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