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April , 2024
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集中連載『テレビって奴は』第19回~同世代有名人の訃報~

2014年9月20日(土)08時50分更新

 あと○年と●ヵ月で傘寿を迎える本サイトご隠居顧問が物申す! 「テレビはわれら年寄りの最大の親友。だからこそのお節介な忠告です」というご隠居は、気持ちを込めてテレビ界の偉人たちを見送った。ご隠居顧問の小噺連載『テレビって奴は』の第18回は「悪いけどおいらはもう少し頑張るよ」。

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井原さんがテレビに残した足跡は偉大だった(写真は日本テレビの「11PM」から)

井原さんがテレビに残した足跡は偉大だった(写真は日本テレビの「11PM」から)

 このところ「あぁ、あの人が…。おいらもそろそろかな」という世代の有名人の訃報が相次いだ。俳優の米倉斉加年さん(8月26日=80歳)、元小結でタレントの龍虎さん(同29日=73歳)、作家、作詞家の山口洋子さん(9月6日=77歳)、そして同世代とは言い難い大先輩、元日テレプロデューサーの井原高忠さん(同14日=85歳)、もう一人女優、歌手で元政治家の山口淑子さん(同7日=94歳)などなど。夏から秋への季節の変わり目ということも影響したのか。とにかく昭和を代表した人々だ。心からご冥福をお祈りする。

◇テレビへの貢献度満点の面々

 と、ここで終わろうとして一つ気がついたことがある。この5人の方々の共通項だ。それを見事に見つけたのはおいらの年の功か。なんて勿体を付けるほどのことでもないけど、その共通項とはなんと「テレビへの貢献」。まず、訃報が届いた順に挙げると米倉さんは俳優という仕事のほかに、ユニークな画家としてもテレビに多く露出している。中でもテレビの普及に貢献した連続ドラマ『バス通り裏』(NHK、1958~63年)への出演だろう。おいらはこのドラマで大きく育った女優・十朱幸代さんを支える重要な脇役としての働きを評価したいね。NHKの大河ドラマも、この人抜きには考えられない位だ。最近のテレビへの出演はなかったが、腹部大動脈瘤破裂による急死だったようだ。

 その3日後の29日、元小結、タレント、コメンテーター、俳優と肩書が盛りだくさんの龍虎さん(本名=鈴木忠清)が心筋梗塞で亡くなった。東京生まれの東京育ちというだけに、引き締まった顔立ちに合った歯切れのよさ、お相撲さんには珍しいマッチョな体つきは、テレビ界に大歓迎された。また、グルメ番組の走り『料理天国』(TBS)では芳村真理さんという手だれ女優との共演で食通ぶりを発揮、視聴者の舌を巻いたもんだ。舌の肥えたタニマチといいものを食べ歩いて鍛えた味覚は、その後の食リポ達のいいお手本になった…というか、大人と子供の差と言えばいいか。

◇テレビ業界殿堂入りはこの人!

 銀座のクラブ『姫』のママで作詞家、直木賞作家の山口洋子さんと李香蘭こと山口淑子さんについては、あまりにも人口に膾炙しすぎているのでここでは省略して、テレビへの貢献度といえば14日、アメリカの病院で亡くなった元日本テレビプロデューサー、井原高忠さんをおいてほかにはあるまいて。今、バラエティーで財を成している人たちは、アメリカに足を向けて寝ないでほしい。

 テレビ業界に「殿堂入り」制度があったら真っ先にこの人に入ってもらいたい。『巨泉×前武のゲバゲバ90分!』『11PM』『ペリー・コモショー』『エド・サリバンショー』『シャボン玉ホリデー』などなど、歴史に残る名物番組、高視聴率を取りっぱなしの化け物番組はほとんどこの人の手によるものだったと言っていい。これを書きながら、おいら今、ハッと気がついた。かつて生放送中に永六輔さんがロケ現場からカメラに向かって怒鳴った相手(当コラム第6回参照)とは、この井原さんだったのかと…。以来、永さんは日テレに出てないもん。       (本サイトご隠居顧問=次回もお楽しみに)


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