集中連載『テレビって奴は』第20回~暗いマックス・シリーズ~
あと○年と●ヵ月で傘寿を迎える本サイトご隠居顧問が物申す! いつも「テレビはわれら年寄りの最大の親友。だからこそのお節介な忠告です」というご隠居が、プロ野球中継を見ていてご立腹。20日のヤクルト戦に勝利した巨人が早々にCS進出を決め、リーグ優勝までのマジックを5に減らした。ご隠居顧問の小噺連載『テレビって奴は』の第20回は「熱を冷ます『暗いマックス・シリーズ』」、ご隠居の嘆き節がさく裂した。
――――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇―――――――――
◇滑り止め大学でもあるまいし
おいらがプロ野球からしばらく目を離していたら、日本シリーズの前にCSとか言うのが挟まっててさ。訳がわかんなくなっちまってた。昔はペナントレースでセ・パ両リーグの優勝が決まったら、あとは日本シリーズをわくわくしながら待つだけだったのに…。今年でいえば、セは巨人、パはソフトバンクが日本一を争うってことになっただろう。
それが2007年から舌を噛みそうなクライマックスシリーズってのが導入されたお陰で、両リーグともに全試合が終わっても、胸ときめく日本シリーズはやってこない。じれってぇったらありゃしねぇよ、全く。そこでプロ野球通の近所のジジ友に聞いたら、セ・パ両リーグの1位から3位までがそれぞれ三すくみで云々…。説明が下手なもんだから、おいらにはあまりよく分からねぇ。
要するに巨人なら巨人があまりにも早くリーグ優勝を決めちゃうと、あとは6球団がそろって消化試合でチンタラ過ごすことになる。これじゃ、お客も熱も入らないから、消化試合を出来るだけ減らすために採用されたシステムなんだそうだ。おいらまた、テッキリいつものアメリカさんの真似かと思ったけどね。そりゃぁ、アメリカみたいに球団がたくさんありゃぁいいよ。日本は1リーグに6球団ずつだから、CSとやらに残れる可能性はそれぞれ50%もある。滑り止め大学でもあるまいし、50%を選ぶためにどうして半年もかけたペナントレースを戦わなきゃなんねぇのよ。
◇プロ野球人気を保護するための提案
それと、もう一つ分からねぇのが『セ・パ交流戦』て奴。両リーグともようやくペースが定まったころに、ひいきのチームがなんで興味の湧かないチームを相手に何試合もしなきゃなんねぇの。それなら、なぜ初めっから12球団を一つのリーグにまとめないんだろう。また近所のジジ友がしたり顔でこう言った。「人気のある球団が自分とこの利益を守るため、話がまとまらないんだとよ」
そんなこと言ってるから若いファン層をサッカーやほかのスポーツに持ってかれちまうのよ。そう言やぁ、サッカーって面白いねぇ。大体、見てて分かりやすいのが何よりだ。〝侍ブルー〟とか言うユニフォームを着たサポーターが野球のような細かいプレーを見ないで済むもんだから、男女ともにスタンドでぴょんぴょん叫びながら飛び跳ねている。大して重要な試合でもないのにスタンドは陶酔状態の超大盛りだ。おいらは、これからも野球からサッカーへのファンの流出は止まらないと見る。だって、サポーターは居ながらにしてサッカーとマラソンと体操を同時に楽しめるんだもん。
野球のルールや決まりごとの細かさをとやかくいっても始まるまい。そこでジジイの提案。①選手は全てシャッフルして抽選にする。②12球団1リーグ制にし、シーズンの3分の2を総当たりで戦い、残りは上位6、下位6に分け、結果、上位の1、2位で日本シリーズを行う。③入場料、テレビ中継料その他の収益は球団の順位によって配分する。④選手は成績で報酬、ボーナスを球団からうける。また、引退後の選手への年金も現役時代の成績や貢献度で悪平等のないように支給する。
もし、あなたにもっといい案があればぜひ教えてもらいたい。プロ野球を守るために…ネ。 (本サイトご隠居顧問=次回もお楽しみに)
関連記事
- 集中連載『テレビって奴は』第21回~プロ野球盛衰記~
- 集中連載『テレビって奴は』第10回~アナと解説者~
- 集中連載『テレビって奴は』第16回~韓流ドラマは〝当分〟不滅です~
- 集中連載『テレビって奴は』第18回~韓国女子プロゴルファー強さのワケ~
- 集中連載『テレビって奴は』第24回~「投入」の誤用に御用~