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April , 2024
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集中連載『テレビって奴は』第9回~続・昔陸軍、今お笑い~

2014年9月10日(水)08時53分更新

 あと○年と●ヵ月で傘寿を迎える本サイトご隠居顧問が物申す! いつものように「テレビはわれら年寄りの最大の親友。だからこそのお節介な忠告です」というご隠居が、前回に引き続きお笑い界に占領されたような今のテレビ界に斬り込んだ。ご隠居顧問の小噺連載『テレビって奴は』の第9回は「続・昔陸軍、今お笑い」。ご隠居が嘆いたその理由とは。

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紅白全盛期はマスコミ、芸能事務所は持ちつ持たれつの関係は強かった!?(写真は本文の内容とは直接関係ありません)

紅白全盛期、マスコミと芸能事務所の関係は今以上に強固だった!?(写真と本文の内容とは直接関係ありません)

 有力週刊誌が大新聞にかみつくようなトップ記事をブチかますことがある。最近では「従軍慰安婦」問題で批判を浴びている朝日新聞が、新潮、文春など出版社系週刊誌から集中砲火をあびたのはご存知の通り。おいら判官びいきのほうだから、かつて難攻不落と思われた上り坂の頃の巨漢力士・小錦に、体重がその半分くらいしかない小兵・舞の海が持てる技を出し切って勝った時なんざぁ躍り上がって喜んだもんだが、それに似た感じといえば分かってもらえるかなぁ(エッ? 小錦ってだれかって? そうかぁ、ゴメン)。

◇芸能事務所とマスコミの関係

 だけど、その〝舞の海たち〟にも苦手がある。それが芸能プロダクションなんだ。書いた記事なんかで事務所のお偉いさんを怒らせると、その事務所に所属する人気タレントのインタビュー、対談、グラビア撮影など、売上に大きな影響を持つ企画ものが全て出来なくなる恐れがある。仮に記事を載せたのが週刊誌でも、同じ会社の月刊誌や単行本、果ては宣伝のチラシに至るまですべての刊行物に所属タレントの写真や記事一切が「取材も掲載もお断り」と相なるわけよ。

 だから、芸能人のスキャンダルはもちろんのこと、スクープ、ゴシップ、おまけに許可を得て取材した企画ものにまで、タレントや事務所に不利益を与えないよう、神経をとがらせる。おいらなんかだったら3日で円形脱毛症、4日で入院、5日で退社だろうよ。

 ここまで書いて来ると、マスコミの言論を強圧的に統制してきた昔の軍部に似たものがあると思わない? ただし、各事務所側には「我々とマスコミとはもちつもたれつの協力関係が理想」という姿勢があるから、怖いだけの軍部と違って、『レコ大』や『紅白』華やかなりし頃の噂では、有力な事務所から貴重な票を持つマスコミの芸能担当者には山のような贈答品が届いたとわれていた。

◇国家の大損失

〝昔陸軍、今お笑い〟と言ったのは、一つには軍部のような言論統制は不可能だが、芸能プロダクションにはある程度の言論操縦が可能だということと、もう一つは優秀な人材が昔は軍部に流れ、今はお笑い界に流れている事をオーバーに表現したまで。現にお笑い芸人が弁護士になったり、クイズ番組では常に優勝するような秀才がゴロゴロしていたりしているじゃないの。昔、権力を持った軍人は若者の憧れだった。今ではテレビ界を闊歩しながら大企業の会長より高収入が望めるさんまや紳助を夢見て優秀な人材が流れ込む。だから本来なら学校の先生や警察官、あるいは公務員などになってお国のためになるべき人材が、続々とお笑いを目指す。その全部が一流の売れっ子になれればいいが、大部分が売れないままくすぶっているなんて、まさに国家の大損失ではないか。

 尊敬されるはずの学校の先生が女子トイレの盗撮をして捕まったり、警官が婦女暴行罪に問われてクビになったり、議員の先生が…いやもうよそう。でも、おいらが渇仰するテレビ君よ。お願いだから今の半分くらいは「お笑い依存症」「バラエティー中毒」から抜け出してもらえませんか。おいら、笑いながら祈ってますよ。

                   ? (本サイトご隠居顧問=次回もお楽しみに)


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