集中連載『テレビって奴は』第15回~韓流ドラマがもてはやされる謎・その3~
あと○年と●ヵ月で傘寿を迎える本サイトご隠居顧問が物申す! いつものように「テレビはわれら年寄りの最大の親友。だからこそのお節介な忠告です」というご隠居顧問の小噺連載『テレビって奴は』の第15回は、前回、前々回に引き続き韓流ドラマがもてはやされる謎を探った。ご隠居独自に分析した結果、「韓流ドラマ」ヒットの源流は意外なところにあった!?
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せんだって、韓国というより世界の女王・フィギュアスケートのキム・ヨナ選手のゴシップ騒動があったよね。彼氏の名はキム・ウォンジュンというアイスホッケー選手。当時、スポーツ新聞はじめ芸能ジャーナリズムを大いに沸き立たせたの覚えてるでしょ? 各紙ともそのアツアツぶりを頬を寄せ合う二人の写真入りで「結婚は間近」みたいな報道に走っていたけど、おいら、こりゃぁ我が国のジャーナリストが韓国の事情を知らなさ過ぎる…と、だから両国の間で摩擦が起きやすいんだ…と、柄にもなくアイゴーと嘆いたもんだった。
◇キム・ヨナは噂の彼とは結婚しない
多分、韓国以外の記者が二人を追っているときに、彼女が彼を「オッパ―」と呼んだのを聞いて(これは怪しい)と早とちりしたんじゃないかナ。オッパ―(お兄ちゃん)とは妹が兄を呼ぶ時と、女性がごく親しい気を許した年上の男性を呼ぶ時に使うことばで、だからひょっとして二人は…と勘繰ったにちげぇねぇ。そこが韓流ドラマを見てない人のあさましさだ。
かの国が中国と同様、有史以来ずっと夫婦別姓なのをご存じか。かつておいらの韓国語の先生が教えてくれたけど、韓国ではたとえ優生学上全く問題ない間柄でもキム(金)さんどうし、イ(李)さんどうしの、いわゆる「同姓結婚」は法律で禁止されてた時代もあったんだってさ。だから、キム・ヨナさんとキム・ウォンジュン氏の結婚は両家の家族、親族の猛反対に遭って99%無理と断言してもいい。もし、二人が結婚したら? おいらの首をあげてもいい。でも、法律の改正があって結婚できたとしても首はあげないよ。だって、まだもう少し韓流ドラマを見ていたいもんね。
くどいようだが、どんなに発展してもこの二人は「友達以上、恋人未満」までだ。余談だけど、ウォンジュン氏の夜遊びはすごいらしいね。去年の大みそかにはヨナではない女性を車に乗せて、仁川の松島まで50㌔もの飲酒ドライブを敢行したり、ヨナを避けた夜な夜なのお遊びが報じられるなど、ヨナのファンの顔をしかめさせているらしい。
◇韓流ドラマはシェークスピアを超越した!?
さて、このほか韓国には結婚や恋愛に関するタブーが幾つもある。従兄妹どうし(日本の法律ではOK)など、姻戚間の結婚もドラマではダメ。また、日本では兄嫁の弟や妹と結ばれたというケースがたまにあるが、韓国ではまずあり得ない組み合わせだ。昔、日本の芸人さんで父親の再婚相手の妹を嫁にしたケースが話題になったが、韓国では超の字が付くほど絶対にない。
ドラマでは知らずに恋人同士になったカップルが、物語が進むうちタブーとされる間柄と分かると、たちまちロミオ&ジュリエットが裸足で逃げるほど煩悶する悲劇となる。このほかにも、儒教的な縛りがあり、これを適宜に取り込みつつ、見る人をドキドキ、はらはら、イライラと胸や喉をかきむしらせては韓流ドラマのファンを増やしていくわけだ。この辺のことにあまり目くじらを立てず、昔バカにした言われ方、ミーちゃん、ハ―ちゃんよろしく、ミーじじい、ハーばばあになりきって楽しんだ方が得だよ。
(この項つづく。本サイトご隠居顧問=次回もお楽しみに)
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