集中連載『テレビって奴は』第22回~「東洋の魔女」時代より退歩したカメラのナゼ!?~
あと○年と●ヵ月で傘寿を迎える本サイトご隠居顧問が物申す! いつも「テレビはわれら年寄りの最大の親友。だからこそのお節介な忠告です」というご隠居が、日本時間24日午前0時に日本チームの初戦(対アゼルバイジャン戦)が始まる「世界バレー 女子イタリア大会」を目前に控え、ちょっと前に行われたワールド・グランプリバレーを振り返った。ご隠居顧問の小噺連載『テレビって奴は』の第22回は「『東洋の魔女』時代より退歩したカメラのナゼ!?」。早速、ご隠居の痛烈アタックがさく裂した。
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◇せっかくの新戦術も王者相手に通用せず
日本のスポーツ界にひさびさに新語と希望が誕生したねぇ。女子バレーボールの全日本チームを率いる眞鍋政義監督が提唱する『ハイブリッド戦術』だ。まず、そのハイブリッドってぇのは何か。自動車業界ではかなり前から使われている言葉だから、おいらジジイがあえて説明することもなかろうが、念のため手元にある三省堂の『ハイブリッド新辞林』で確かめてみると、{①雑種。 ②異なったものが混ぜ合わさっていること。}とある。「ひょっとして、これは外人選手の導入か?」 と一瞬そう思ったけど、日本の代表チームだからそれはないよね。同監督の説明を聞こう。
「世界に通用する力を付けるには、リベロを除いた6人の選手全員がいつ、どこからでも攻撃に移れるシステムを、私なりにこう表現しました」。う~ん、なるほど。先だってのワールド・グランプリではみごと功を奏して破竹の快進撃。これまでなかなか勝てなかった中国、ロシアを破ってあとブラジルに勝てば金メダル。というところでこの戦術がほとんど機能しなくなったみたいなのだ。
身長の高い、力のある相手にはこの戦術からくり出したはずの『ハイブリッド・スパイク』がほとんど相手にブロックされ、逆に相手のスパイクをほとんど防げなかったのだ。結果、0‐3のストレート負け。この試合では〝時間差〟も〝フェイント〟も〝速攻〟も見られず、イチ、ニ、サン、イチ、ニ、サンのお決まりトスの繰り返しで、ことごとくブロックの憂き目に遭っていたっけ。
◇セコさがテレビファンを嘆かせる!?
ま、そんなことは済んだこと、これからの活躍に期待すればいい。だけど、悔しいのは強豪ブラジルを相手に攻撃も守備も単調に堕しているのに、これを眞鍋監督に進言するものは誰もいなかったこと。まして、放送席の解説者も、コートサイドに応援に来ていたOBも誰ひとりこれを指摘した人がいなかったこと、それともう一つ、これまでの試合で途中から起用されて試合の悪い流れを一変させていたムードメーカーの江畑選手に、おいらが期待していたほどの出番が与えられなかったこと。素人のしかも高齢のジジイが言っても詮無いが、ここに気を付ければ、次は金メダルだと思うぜ。
ところで、テレビを見ていて感じたことがある。ボールの行方を追っていても、今のはどっちのポイントなのか、分からないときがしばしば。日本のスパイクがインなのかアウトなのか、ワンタッチありか、なしか、ブロックが成功したのか失敗したのか、テレビ桟敷ではしばし判然としないことが多すぎるんだよ。昔の古いブラウン管時代には、これがすぐに誰でも分かったよ。なぜなら、カメラの一つが常に主審を正面から映していたからね。主審の手が日本側ならこっちのポイント、逆なら相手チームのポイントってな具合で無駄な喜びや無駄なガっカリをせずに済んだのに、今はこのカメラがないみたいなのだ。
?これはテレビ局が経費削減のためにカメラの台数を減らしたためなのか、あるいはバレーボール協会が観客の邪魔にならないように、カメラの台数を制限したからなのか。どっちにしてもバブル時代から見りゃぁセコイ話じゃないの。とにかく、おいらが歳をとったせいじゃないことにしとこうか。 (本サイトご隠居顧問=次回もお楽しみに)
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